ボーナス返せ!-AIG幹部の自宅まで抗議のバスツアー、子供も参加

米政府の公的管理下にある米保険 大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)に抗議す るおよそ20人が先週、同社幹部にメッセージを手渡そうとバスを手 配した。そのメッセージとは「ボーナスを返せ」だった。

抗議団を上回る人数の国内外の報道陣の車列を連ねて、このバス は21日、コネティカット州フェアフィールド郡に向かった。ここに はAIGが支給した計1億6500万ドル(約159億円)のボーナスの 一部を受け取った幹部2人の自宅がある。この2人が所属した金融商 品部門はAIGが1730億ドルの公的支援を受け入れる原因となった 巨額損失を計上したが、それでもボーナスが支給されていた。

「幾らかでも説明責任の必要がある」と指摘するのは、バスツア ーに参加したマーク・ドジウベクさんだ。コネティカット州在住で5 人の子供がいるドジウベクさんは最近、19年務めた製鉄会社からレイ オフ(一時解雇)された。AIG幹部に「正しいことを行うよう、圧 力をかけている」のだという。

抗議団はダグラス・ポーリング、ジェームズ・ハース両AIG幹 部の自宅前に降り立ったが、両幹部には会えなかった。AIGの広報 担当クリスティーナ・プレット氏が21日の電子メールで語ったとこ ろによると、2人はボーナス返却で合意したという。プレット氏は両 幹部が受け取っていた額は明らかにしなかった。

「言語道断」

AIGのボーナス支給に対しては、オバマ大統領が先週、「言語 道断」だと述べ、返還を目指すと言明するなど、全米に怒りが拡大。 米上院は今週、公的支援を受けた企業の従業員が受け取ったボーナス に課税する法案を採決する予定だ。下院は先週、米金融安定化策に基 づき50億ドル超を受け取ったAIG含む企業の従業員が受け取った ボーナスに90%課税する法案を可決した。

AIGのエドワード・リディ会長兼最高経営責任者(CEO)は 18日、ボーナスを受け取った従業員の氏名公表について、脅迫されて いる者がおり、安全を脅かしかねないとして、公表に異を唱えた。こ れについて、抗議バスに乗っていたミュージシャンのアサード・ジャ クソンさん(24)は「国民の感情を考えれば、幹部の氏名公表は有害 無益かもしれない」と理解を示した。

フェアフィールド郡は2007年時点の人口が91万3人で、所得は 中央値で7万9326ドル(コネティカット・エコノミック・リソース・ センター調べ)。マンハッタンのAIG本社から北へ約60マイル(約 97キロ)の距離だ。邸宅やその景観から一部は「ゴールドコースト」 として知られる。ポーリング氏の自宅には3本の煙突があり、前庭に 面して窓が少なくとも18カ所ある。

州都ハートフォード在住のクレイグ・ストーリングスさん(36) は、4歳と6歳、11歳の3人の息子をバスツアーに参加させた。その 理由は「勤勉と教育で何が得られるのかを子供が目にしておくのは重 要なこと」なのだが、もう一つ子供に教えたいことがあるという。そ れは「間違いを指摘するため対立するのを恐れるなということだ。仕 事に失敗したのに、なぜ報酬を得るのだろうか」と語った。

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