製造業生産急減に伴う在庫縮小、景気回復準備の兆し-市場の見方

【記者:Matthew Benjamin, Simon Kennedy】

3月23日(ブルームバーグ):世界の製造業に関するニュースは非 常に芳しくないが、これが良いニュースになるかもしれない。

世界中の製造業の生産急減で、来るべき景気回復を阻害する過剰 在庫の一掃が一段と速いペースで進行している。それによって製造業 は年内に安定を回復する可能性があり、60年ぶりのマイナス成長に向 かっている世界経済の苦境を若干和らげることになるかもしれない。

バークレイズ・キャピタルの米経済調査共同責任者、イーサン・ ハリス氏(ニューヨーク在勤)は「在庫減少は良いニュースだ。株価 評価の異常な低さがその後の株式市場の回復を準備するのと同じよう に、まれに見る在庫水準の低さは景気回復の前段階になり得る」と指 摘する。

自動車や土木工作機械、冷蔵庫の世界的な需要拡大のために在庫 が減少し始めれば、それこそ本当に良いニュースになるとエコノミス トらはみている。ただ、国際通貨基金(IMF)によれば、世界中の 製造業生産は過去最も急激かつ速いペースで減少が続いており、その ような兆候はまだ表れていない。

米建設機械大手キャタピラーや仏自動車大手ルノーは、需要減少 に応じた過剰供給の調整を図るため、在庫圧縮を進めている。JPモ ルガン・チェースのエコノミスト、デービッド・ヘンスリー氏が11 日付のリポートで指摘したところでは、世界的な在庫の伸びを示すJ Pモルガン・チェースの指数は、11年ぶりの低水準に近づいている。

米国の製造業在庫は昨年9月以降、毎月連続で減少しており、12 月は前月比1.9%減と、記録が残る過去62年で最大の月間減少率を記 録した。

ハリス氏は「在庫がリセッション(景気後退)の終わりに底を打 つとしても、その底がどの程度深いかわれわれには分からない。在庫 の急減は景気回復のタイミングについてはほとんど情報を提供してく れない」と話す。一方、モルガン・スタンレーの欧州担当チーフエコ ノミスト、エルガ・バルトシュ氏(ロンドン在勤)は、企業の在庫圧 縮が遅れ、景気回復を阻害していたこれまでの下降局面と比べると、 今回の急速な在庫減少は、状況の大きな変化を示すと指摘している。

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