ECB総裁:銀行融資促進で非伝統的な手法継続の可能性-WSJ

欧州中央銀行(ECB)のトリシ ェ総裁は米紙ウォールストリート・ジャーナルとのインタビューで、 ECBが銀行に融資を促すため、非伝統的な手法を継続する「可能性 がかなりある」ことを明らかにした。

同紙ウェブサイトによると、トリシェ総裁は「当局は銀行融資の 経路を通じて非伝統的手法を継続する可能性はかなりある」と述べ、 「この経路が当局にとっては最も重要だ」との認識を示した。

ユーロ圏16カ国経済が第2次大戦後で最悪のリセッション(景気 後退)に見舞われるなか、ECBは金融機関への無制限の資金供給と 担保として受け入れる証券範囲の拡大を通じて銀行の貸し渋り解消を 目指している。

トリシェ総裁は「状況を最適化できると考えられるすべての行動 を確実に継続していく」と言明。政策金利を過去最低水準である現行 の1.5%から引き下げる可能性をあらためて示した。また、欧州は十 分な財政緩和策を講じていないとの米国の批判については欧州各国政 府を擁護。ユーロ圏の資金調達の7割が銀行融資、3割は株式以外の 証券の発行によるという米国とは反対の状況に基づき、銀行を重視し た戦略をとっていると説明した。同総裁はさらに、銀行は低金利と高 水準の流動性の効果を「実体経済に波及させるよう」要請した。

ゼロ金利

トリシェ総裁はまた、米連邦準備制度理事会(FRB)と日本銀 行が事実上のゼロ金利政策を取り、イングランド銀行も政策金利を

0.5%としていることについて、こうした低金利には「欠点」があり、 欧州には適切ではないだろうとの見解を示した。その上で、一番大切 なのは市場の借り入れコストだと強調し、「各国中銀がまるで競走に参 加しているように一部で受け止められているのを時折、目にするが、 これはレースではない」と述べた。

FRBや日銀なども長期金利低下を目指して資産の買い取りを開 始しているが、ECBは現時点ではこうした措置に踏み切っていない。 トリシェ総裁は、ECBは融資の際に受け入れる担保の種類に寛容だ と述べ、欧州の社債市場は1月以降「売買高の面では適切な動きだ」 との認識を示した。国債に関しては、欧州では中銀と政府の「リスク」 が「明確に分離されている」点に注意することが重要だとし、「一般に 証券の無条件買い取りの可能性については、わたしは何らかの新たな 決定について事前に立場を表明することはないと説明している」と述 べた。

2009年の欧州経済の見通しについては「極めて厳しい」との見解 をあらためて示し、大方の国は「下振れ傾向がある」ものの10年に 「徐々に緩やかな回復」を遂げる見通しがあると語った。また、デフ レリスクに対してECBは警戒していく考えだとした上で、専門家は デフレを予想しておらず、賃金やマネーサプライのデータにはデフレ の脅威は示唆されていないと指摘した。

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