3月20日の海外金融・株式・為替市場

○米国株:米国株式相場は下落。ここ2週間で最大の下げだった。アナ リストが複合大手ゼネラル・エレクトリック(GE)の利益予想を引き 下げたほか、議会が金融機関幹部へのボーナス課税に向けて動き出した のが売り材料となった。

GEは5.8%安。投資家はGEが示した利益予想について、より 「冷静な見通し」と指摘した。バンク・オブ・アメリカ(BOA)やウ ェルズ・ファーゴ、JPモルガン・チェースを中心に金融株が下落、S &P500種株価指数の金融株価指数は産業別10指数の中で値下がり率 最大だった。保険のアメリカン・インターナショナル・グループ(AI G)も大幅下落。同社のボーナス支給をめぐり、全米19州が調査を開 始した。

S&P500種株価指数は前日比2%安の768.54。今月9日に記 録した12年ぶり安値からの戻しは14%未満に削られた。ダウ工業株30 種平均は122.42ドル(1.7%)安の7278.38ドル。ナスダック総合 指数は1.8%下落して1457.27だった。

300ノース・キャピタル(カリフォルニア州パサデナ)の最高 投資責任者(CIO)、リチャード・キャンパーニャ氏は「状況が 20%改善していないときに、相場の20%上昇をどうやって正当化でき るというのだ。景気は底入れしつつあるかもしれないが、それでもまだ 苦戦している」と語った。

週間ベースのS&P500種は前週に続き上昇。2週連続での上げは 今年初めて。S&P500種は今月9日の12年ぶり安値以来、一時は戻 しが17%に達した日もあった。

GE

GEが安い。シティグループやクレディ・スイス、モルガン・ス タンレー、ドイツ銀行のアナリストらはGEの2009年の1株当たり利 益予想を下方修正した。

GEは19日、金融部門GEキャピタルの今年の通期純利益が50 億ドルになるとの見通しを示した上で、今月のような景気が年内続くよ うであれば、利益は25億ドル近くに減少すると述べた。

S&P500種金融株価指数は5.3%安。米下院は19日、政府から 公的支援を受けた企業が社員に支払ったボーナスに90%課税する法案 を可決した。上院は同70%の税金を課す法案を来週採決する見通しだ。

メンドン・キャピタル・アドバイザーズのアントン・シュッツ社 長は、「金融株の中でパフォーマンスが良かった銘柄は、問題資産購入 計画(TARP)の支援を受けていない金融機関だ」と語った。

BOAは11%安と、ダウ平均銘柄のなかで下落率最大だった。ウ ェルズ・ファーゴとJPモルガンはそれぞれ9.3%と7.2%下落した。

AIGは24%安。S&P500種銘柄のなかで値下がり率首位。同 社への調査を開始したのはニュージャージー州を含む19州。AIGは 政府救済を受ける一方で、総額1億6500万ドルのボーナスを支給し、 国民の怒りを買った。

週間ベースのS&P

S&P500種は週間で1.6%高。ダウ平均は同0.8%上昇した。 ダウ平均の2週連続高は昨年5月以降で初めて。なお年初来ではS&P 500種は依然として15%安、ダウ平均は17%下落している。

ブルームバーグのデータによると、1月12日以降に発表されたS &P500種採用企業480社の四半期決算は平均57%の減益だった。ブ ルームバーグのまとめたアナリスト調査では、今年は同12%の減益、 2010年は同23%増益が見込まれている。

プリンター大手の米ゼロックスは19%安。同社が発表した09年 1-3月(第1四半期)の1株利益見通しは一部項目を除くベースで最 大11セントと、アナリスト予想の同18セントを下回った。ゼロックス によると、1-2月の売上高は需要減が影響し、前年同期比18%減少し た。

○米国債:10年債相場が週間で今年最大の上げ。18日に米連邦公開 市場委員会(FOMC)が米国債を最大3000億ドル購入することを 表明したことが買いを誘った。10年債は18日に1営業日としては 1962年1月以来で最大の上げを記録した。

国債購入により、利回りの上昇余地が限定的になるとの思惑から 買いが入った。米当局が18日、購入する国債は年限2-10年に集中 することを明らかにしたため、同年限の国債が特に上げた。バーナン キ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は20日の講演で、市場の反 応に「全般的に満足している」と語った。

クレディ・スイス・セキュリティーズUSAの金利ストラテジス ト、カール・ランツ氏は「FRBに購入意欲があることは明らかだ。 大きく売られるような相場展開は考えづらい」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後5時5分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇して2.64%。10年債(償還2019 年2月、表面利率2.75%)価格は13/32安の100 31/32。

10年債利回りは週間ベースで25bp低下と、昨年12月19日 に終わった週以来の大幅な下げ。レンジは3.05%から2.46%。2 年債利回りは9bp低下。

30年債利回りは2bp低下の3.66%。FRBの米国債購入計画 に30年債が含まれないことが18日に判明し、買いが限定的になった。

財政赤字

議会予算局(CBO)が発表した2010年度(09年10月―10 年9月)の財政赤字予想は1兆3800億ドルと、ホワイトハウスの予 想である1兆1700億ドルを上回った。10―19年度の赤字予想は総 額9兆2700億ドルと、オバマ政権の予想より約2兆3000億ドル多 い。

財務省は来週、過去最高規模の中期国債980億ドルを入札する。

デフレからインフレへ

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は週間で4.1%下落する一方、金相場は上昇した。FRBの 債券買い入れ政策がインフレにつながるとの見方が背景にある。

ウェルズ・ファーゴ・キャピタル・マネジメント(ミルウォーキ ー)で約30億ドルの資産を運用するジェイ・ミューラー氏はブルー ムバーグテレビジョンとのインタビューで、「デフレ心理からインフ レ懸念へと興味深いムードの変化があった。長期的にインフレが懸念 材料になる兆候はあるが、2009年の懸念事項ではないと思う」と述べ た。

10年物のインフレ連動国債(TIPS)への通常国債の上乗せ利 回りは1.25ポイント。前週初めの0.84ポイントから拡大した。T IPSと通常国債の利回り差は当該年限の市場のインフレ見通しを示す。

国債購入の効果

メリルリンチの指数によると、米国債の収益率は今週上昇したも のの、年初来では依然マイナス1.6%。年初からFOMC声明発表前 まではマイナス3.4%と、四半期ベースでは1980年第3四半期(マ イナス5.06%)以来の悪い成績となっていた。

バーナンキ議長は20日、FOMC以降初めて講演し、当局が 「信用市場に関連した手段の効果を引き続き精査している」と発言。 今のところ、住宅ローン金利の低下など「市場の反応に全般的に満足 している」と語った。

モルガン・スタンレーによると、FRBの国債購入額は第3四半 期までに発行が予定されている通常国債およそ6800億ドル、TIP S280億ドルの約42%に相当する。

モルガン・スタンレーの米金利ストラテジー担当責任者ジェーム ズ・キャロン氏は19日付のリポートで、10年債利回りが最近付けた 低水準を再び試すとの見通しを示した。同利回りは昨年12月18日に

2.04%と過去最低を更新した。

CMAデータビジョンによると、FOMC声明の発表後、クレジ ット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で米国債の保証コストが 73bpに低下した。2月24日には過去最高の100bpを付けていた。

○NY外為:ドルが対ユーロで反発。最近のドルの下げは急激過ぎて持 続できないとの見方から、買いが入った。ドルは今週、米連邦準備理事 会(FRB)の米国債買い取り計画を材料に記録的な下げとなり、前日 には約2カ月ぶりの安値を付けていた。

主要6通貨のバスケットに対するICEのドル指数は、週間ベース で1985年のプラザ合意以来の大幅下落を記録した。米連邦公開市場 委員会(FOMC)が大量の米国債と住宅ローン担保証券(MBS)の 買い取りを発表し、市場ではドル紙幣増刷への懸念が強まった。メキシ コ・ペソは対ドルで上昇。メキシコ中央銀行が20日、政策金利を

0.75ポイント引き下げ6.75%としたことが背景。

バークレイズ・キャピタルの通貨戦略責任者、デービッド・ウ ー氏(ロンドン在勤)はブルームバーグテレビジョンとのインタビュ ーで、「今週のドル下落は多かれ少なかれFOMC政策への反応に織 り込まれた。FOMCの決定に続き他の中銀にも量的緩和を求める圧力 が高まるため、向こう3カ月間のドルの下振れリスクはそれほど大き くない」と指摘した。

ニューヨーク時間午後4時17分現在、ドルは対ユーロで1ユーロ =1.3567ドルと、前日の同1.3665ドルから0.7%上昇。前日は一 時同1.3738ドルまで下げ、1月9日以来の安値を記録する場面も見 られた。ドルは対円では1.4%上げて1ドル=95円89銭(前日は同 94円51銭)。ユーロの対円相場は前日比0.7%上げて1ユーロ= 130円7銭(前日は同129円17銭)。

ICEのドル指数は83.84。週間ベースでは4.1%下げ、1985 年9月のプラザ合意以来の大幅下落を記録した。プラザ合意では日米欧 の通貨当局が当時のドイツ・マルクと円に対するドル高是正を取り決め た。

ドルの対ユーロ相場は週間ベースで4.7%安と、昨年12月12日 以来で最大の下落となった。ドルは対円で2.1%下落。一方、ユーロ は対円で2.7%上げ、5週連続で上昇した。

相対力指数

対ドルでみたユーロの相対力指数(14営業日ベース)は71.75。 19日には74.4と3カ月ぶり高水準に上昇していた。同指数が70を 上回ると、その通貨の上昇ペースが速過ぎて持続できなくなっているこ とを示唆する。

メキシコ・ペソは対ドルで0.5%上昇。同国中銀が20日、政策 金利を0.75ポイント引き下げ6.75%としたことがきっかけとなっ た。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値は

0.25ポイントの利下げとなっていた。週間ベースでは対ドルで

2.5%上昇した。

18日にはドルの対ユーロ相場は3.4%急落した。同日にFOMC が米国債買い取りやMBSの購入規模拡大などを発表したことがきっか けとなった。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのシニア為替ストラテジスト、 マイケル・ウールフォーク氏は「ドルは大きく売り込まれており、いつ 買いに転じてもおかしくない。当社は最近のドル下落がドルの下落トレ ンドの始まりとはみていない」と指摘した。

○英国債::英国債相場は上昇。英10年債利回りは前日比1ベーシス ポイント(bp、1bp=0.01%)低下し3.03%となった。

イングランド銀行(英中央銀行)が量的緩和プログラムを開始 する前営業日の3月4日時点では3.64%だった。一方、2年債利回 りは1.34%と、前日を5bp下回った。前週末13日は1.39%だっ た。

○欧州債:欧州債市場ではドイツ国債相場が続伸。ユーロ圏の鉱工業生 産が過去最大の落ち込みとなったことを受け、欧州中央銀行(ECB) が一段の景気対策を講じるとの見方が強まった。

10年債相場は週ベースでも上昇した。米連邦公開市場委員会(F OMC)が18日に3000億ドル相当の米国債購入を決定したことを 受け、ECBにも同様の措置を取るよう圧力が高まったことが背景。

カリヨンの債券戦略責任者、デービッド・キーブル氏(ロンドン 在勤)は「ユーロ圏でも何らかの形で量的緩和が実施されるとの思惑 が市場で高まるだろう」と述べた。

ロンドン時間午後3時現在、独10年債利回りは前日比4ベーシ スポイント(bp、1bp=0.01ポイント)低下し3.01%となった。 前週比では6bp低下。同国債(表面利率3.75%、2019年1月償 還)価格は前日比0.36ポイント上げ106.25。独2年債利回りは8 b

p低下の1.32%となった。

欧州連合(EU)統計局(ユーロスタット)が20日発表した1 月のユーロ圏鉱工業生産指数は前年同月比17.3%低下し、統計開始の 1986年以来で最大の落ち込みとなった。ブルームバーグ・ニュースが まとめたエコノミスト25人の予想中央値では15.5%低下と見込まれ ていた。

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