米国債(20日):週間で今年最大の上げ、FOMCの国債購入表明で

米国債市場では10年債相場が 週間で今年最大の上げ。18日に米連邦公開市場委員会(FOMC) が米国債を最大3000億ドル購入することを表明したことが買いを誘 った。10年債は18日に1営業日としては1962年1月以来で最大の 上げを記録した。

国債購入により、利回りの上昇余地が限定的になるとの思惑から 買いが入った。米当局が18日、購入する国債は年限2-10年に集中 することを明らかにしたため、同年限の国債が特に上げた。バーナン キ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は20日の講演で、市場の反 応に「全般的に満足している」と語った。

クレディ・スイス・セキュリティーズUSAの金利ストラテジス ト、カール・ランツ氏は「FRBに購入意欲があることは明らかだ。 大きく売られるような相場展開は考えづらい」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク 時間午後5時5分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇して2.64%。10年債(償還2019 年2月、表面利率2.75%)価格は13/32安の100 31/32。

10年債利回りは週間ベースで25bp低下と、昨年12月19日 に終わった週以来の大幅な下げ。レンジは3.05%から2.46%。2 年債利回りは9bp低下。

30年債利回りは2bp低下の3.66%。FRBの米国債購入計画 に30年債が含まれないことが18日に判明し、買いが限定的になった。

財政赤字

議会予算局(CBO)が発表した2010年度(09年10月―10年 9月)の財政赤字予想は1兆3800億ドルと、ホワイトハウスの予想 である1兆1700億ドルを上回った。10―19年度の赤字予想は総額9 兆2700億ドルと、オバマ政権の予想より約2兆3000億ドル多い。

財務省は来週、過去最高規模の中期国債980億ドルを入札する。

デフレからインフレへ

主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(ICE)の ドル指数は週間で4.1%下落する一方、金相場は上昇した。FRBの 債券買い入れ政策がインフレにつながるとの見方が背景にある。

ウェルズ・ファーゴ・キャピタル・マネジメント(ミルウォーキ ー)で約30億ドルの資産を運用するジェイ・ミューラー氏はブルー ムバーグテレビジョンとのインタビューで、「デフレ心理からインフ レ懸念へと興味深いムードの変化があった。長期的にインフレが懸念 材料になる兆候はあるが、2009年の懸念事項ではないと思う」と述べ た。

10年物のインフレ連動国債(TIPS)への通常国債の上乗せ利 回りは1.25ポイント。前週初めの0.84ポイントから拡大した。TI PSと通常国債の利回り差は当該年限の市場のインフレ見通しを示す。

国債購入の効果

メリルリンチの指数によると、米国債の収益率は今週上昇したも のの、年初来では依然マイナス1.6%。年初からFOMC声明発表前 まではマイナス3.4%と、四半期ベースでは1980年第3四半期(マ イナス5.06%)以来の悪い成績となっていた。

バーナンキ議長は20日、FOMC以降初めて講演し、当局が 「信用市場に関連した手段の効果を引き続き精査している」と発言。 今のところ、住宅ローン金利の低下など「市場の反応に全般的に満足 している」と語った。

モルガン・スタンレーによると、FRBの国債購入額は第3四半 期までに発行が予定されている通常国債およそ6800億ドル、TIP S280億ドルの約42%に相当する。

モルガン・スタンレーの米金利ストラテジー担当責任者ジェーム ズ・キャロン氏は19日付のリポートで、10年債利回りが最近付けた 低水準を再び試すとの見通しを示した。同利回りは昨年12月18日に

2.04%と過去最低を更新した。

CMAデータビジョンによると、FOMC声明の発表後、クレジ ット・デフォルト・スワップ(CDS)市場で米国債の保証コストが 73bpに低下した。2月24日には過去最高の100bpを付けていた。

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