3月19日の海外金融・株式・為替市場

○米国株:米国株式相場は反落。金融株が3日ぶりに下落した。米連邦 公開市場委員会(FOMC)が前日の声明で国債購入計画を明らかにし たが、市場参加者は景気浮揚効果を疑問視している。

金融のJPモルガン・チェースやモルガン・スタンレー、ゴール ドマン・サックス・グループはいずれも下落。保険大手プルデンシャ ル・ファイナンシャルは25%急落した。米格付け会社ムーディーズ・ インベスターズ・サービスが投資損を理由にプルデンシャルの優先債を 格下げしたのが売り材料だった。ソフトウエアのオラクルは四半期業績 と初の配当が好感され上昇、テクノロジー株の上げをけん引した。

S&P500種株価指数は前日比1.3%安の784.04。ダウ工業株 30種平均は85.78ドル(1.2%)安の7400.80ドル。ラッセル2000 指数は1.1%下落し413.26。MSCI世界指数は1.5%高の800.65 だった。同指数は2006年以来で最長の8日連続高となっている。

フェデレーテッド・インベスターズのローレンス・クリーチュラ 氏は「政府は国債を発行する一方で、ドルを印刷し、国債を買う。こん ないんちきを世界の投資家が見過ごすことはないだろう」と語った。

金融株

JPモルガンは8%安、モルガン・スタンレーは13%下落した。 ゴールドマンは5.7%安で終了した。

プルデンシャルのほか、同業のリンカーン・ナショナルも売られ た。いずれの銘柄もS&P500種のうち値下がり率でトップ5位以内だ った。

S&P500種のテクノロジー株価指数は0.4%高。オラクルは

9.7%上げた。同社が発表した12-2月(第3四半期)は、一部項目 を除いたベースで1株当たり利益がブルームバーグのまとめたアナリス ト予想平均を11%上回った。

航空株は下落した。国際航空運送協会(IATA)が世界的なリ セッション(景気後退)の影響で旅行需要が減少するなか、2009年の 世界の航空業界全体の損失が従来予想の25億ドルより拡大する可能性 があるとの見通しを示したのが背景。

ユナイテッド航空の親会社UALやアメリカン航空親会社のAM Rはいずれも売られた。

エネルギー株

S&P500種エネルギー株価指数に採用されている銘柄も上昇。 米金融当局の景気対策で、インフレヘッジとしての商品需要を喚起する との見方が広がり、ニューヨーク原油先物相場は反発した。シェブロン やヘスはいずれも高い。

ロイター・ジェフリーズCRB指数が採用する商品19銘柄はいず れも上昇。外国為替市場ではドルが下落した。

午前に発表された14日に終わった1週間の新規失業保険申請件数 (季節調整済み)は、前週比1万2000件減の64万6000件となった。 60万件を上回る申請件数は7週連続と、1982年以降で最悪。7日に終 わった1週間の継続受給者数は547万3000人と過去最多を記録した。

フィラデルフィア連銀が発表した3月の同地区製造業景況指数は マイナス35、過去16カ月間のうち15カ月間でマイナスだった。同指 数のゼロは景気拡大と縮小の境目を示す。

○米国債:米国債相場は反落。18日は米連邦公開市場委員会(FOM C)が米国債を最大3000億ドル購入することを決定し、10年債は1 営業日としては1962年1月以来で最大の上げを記録した。この上昇ピ ッチが速すぎて持続できないとの見方からこの日は売りが出た。

バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる金融当局 は前日、経済への資金注入により、大恐慌並みの不況を回避する決意 を示した。

ジャニー・モンゴメリー・スコットのチーフエコノミスト、ガ イ・リーバス氏は「FRBがどの年限の米国債を購入するのか、追加 情報が得られるかどうかで今後の展開は大きく変わる。それまで米国 債市場では大きな動きはみられないだろう」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時15分現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)上昇して2.60%。前日は47bpと1962年 1月以来で最大の低下を記録した。10年債(償還2019年2月、表面 利率2.75%)価格はこの日、15/32安の101 11/32。

30年債利回りは7bp上昇の3.58%。一時は3.62%まで上昇す る場面もあった。FRBの米国債購入計画に30年債は含まれないこと が前日に判明したことが売りを誘った。

キャボット・マネー・マネジメントの債券資産運用担当者、ウィ リアム・ラーキン氏は「前日はFOMC声明を受けて大きく動いた。 この日の市場は声明を見直し、どの程度の効果があるか再考している 状態だ」と指摘した。

来週の入札

財務省は来週、980億ドルの中期国債入札を実施する。これは2月 23日の週の940億ドルを上回る過去最高規模。財務省の19日の発表 によると、24日に2年債(規模400億ドル)、25日に5年債(同340 億ドル)、26日に7年債(同240億ドル)の入札を実施する。

ジェフリーズのチーフ・テクニカル・ストラテジスト、ジョン・ スピネロ氏によると、FRBが購入する3000億ドルの米国債は今後6 カ月に発行される米国債の総額およそ9000億ドルの約3分の1に相当 する。ブルームバーグのデータによれば、FRBの購入分は発行済み 米国債6兆ドル相当の約5%に相当する。

メリルリンチの指数によると、年初から前日のFOMC声明発表 前までに米国債の投資収益率はマイナス3.4%と、四半期ベースでは 1980年第3四半期(マイナス5.06%)以来の悪い成績となっていた。 前日の上昇により、収益率はマイナス1.38%まで回復した。

ブルームバーグのデータによると、2年物米国債に対する同年限 のファニーメイ(連邦住宅抵当金庫)債の上乗せ利回りは過去2日間 に13bp縮小し、73bpとなった。30年物ファニーメイ債と10年物 国債の利回り差は前日の発表以来で20bp縮小し1.33ポイント。

金利の天井

フランチェスコ・ガザレリ氏率いるゴールドマン・サックス・グ ループの金利ストラテジストは19日付の顧客向けリポートで、10年 債利回りにはまだ割安感があり、利回りがさらに低下した場合、買い を入れるべきだとの見解を示した。一方、利回りが2.65%まで上昇し たら、持ち高を解消すべきだと指摘した。

米投資信託会社大手フィデリティ・インベストメンツで250億ド ルの債券資産を運用するウィリアム・アービング氏は「FRBが長め の国債購入を表明して得た効果は、年限の長い利回りがどの程度まで 上昇することができるか天井を設定したことだ。今後6カ月、利回り はレンジ内にとどまり、4%を大きく下回るだろう」と述べた。

当局は消費者の借り入れ金利の抑制や信用市場の緩和にはまだ成 功していない。ブルームバーグのデータによれば、30年物固定式住宅 ローン金利と10年物米国債利回りの差は2.2ポイント。サブプライム (信用力の低い個人向け)住宅ローン市場が崩壊する前の10年間の平 均は1.75ポイントだった。

○NY外為:ドルが対ユーロで下落。米連邦公開市場委員会(FOM C)が前日発表した米国債買い取りで利回りが押し下げられ、投資資金 が国外に流出するとの見方から、一時は1月以降で初めて1ユーロ=

1.37ドル台までドル安が進んだ。

ドルはノルウェー・クローネに対しても下げ、昨年10月以来の 安値。オーストラリア・ドルに対しては2カ月ぶり安値に下げた。ド ルは前日、対ユーロで1999年のユーロ導入以来で最大の値下がりを 記録。ゴールドマン・サックス・グループはこの日、ドルが1ユーロ =1.40ドルに下げるとして、従来予想を修正した。

フィッシャー・フランシス・ツリーズ・アンド・ワッツ(ニュー ヨーク)のデービッド・ティーン氏は「将来的にインフレ高進の可能 性があるため、投資家は米国にはない本物の資産価値を求めるかもし れない」と語る。「勝ち組の先頭に立つのは資源国通貨で、その次が ユーロだ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時2分現在、ドルは対ユーロで1.4%安 の1ユーロ=1.3666ドル(前日は同1.3474ドル)。一時は同

1.3738ドルまで下げ、1月9日以来の安値を記録した。ドルは対円 で1.8%下げて1ドル=94円46銭(前日は同96円22銭)。一時 は同93円54銭まで売り込まれ、2月23日以来の安値を付けた。ユ ーロの対円相場は前日比0.4%下げて1ユーロ=129円15銭。一時 は昨年12月18日以来の高値となる同130円32銭に上昇する場面 もあった。

フィッシャー・フランシスのティーン氏によれば、ドルは向こ う3-6カ月に対ユーロで「1.40ドル台後半」に下げる可能性があ る。同氏はドルが15%急落しても意外ではないと述べた。FOMC が初めて米国債買い取りの可能性に言及した昨年12月、ドルは月前 半だけで10%下げた。

資源国通貨

ノルウェー・クローネやオーストラリア・ドル、ニュージーラ ンド・ドルなどの資源国通貨が対ドルで特に上昇した。クローネは一 時4%高となり、昨年10月15日以来の高値を付けた。豪ドルは1 月12日以来の高値、NZドルは同13日以来の高値に上昇した。

ニューヨーク原油先物相場は2カ月ぶりに1バレル=50ドル台 で推移、金は昨年9月以来で最大の値上がりを記録した。オーストラ リアの輸出の60%、ニュージーランドの同70%を原材料が占める。

ゴールドマンは「ドル印刷は続く」と題するリポートを顧客に 配布。ドルが対ユーロで1.2570ドルにあった2月19日に示したド ル・ショート(売り持ち)推奨から、さらにドル安予想に傾斜した。

ゴールドマンの主任金利ストラテジスト、フランチェスコ・ガ ザレリ氏(ロンドン在勤)は、「金利差はドルにとってマイナスの方 向に大きく変化した」と指摘した。

10年物の米国債利回りはこの日、6ベーシスポイント(bp、1 bp=0.01ポイント)上昇して2.59%。前日は1962年1月以来で 最大の下落を記録していた。同じ年限のドイツ国債利回りへの上乗せ 幅はマイナス0.45ポイントと、2日前のマイナス0.18ポイントか ら拡大した。

○英国債:英国債相場は上昇。先週資産買い取りを開始したイングラン ド銀行(英中央銀行)に続き、米連米連邦公開市場委員会(FOMC) が前日、最大3000億ドル相当の米国債購入を決定したことがきっか けとなった。

2年債利回りは1週間ぶりの低水準を付けた。2月の英住宅ロ ーン融資総額が8年ぶり低水準に落ち込んだことも材料となった。 FOMCは18日、米国債購入に加え、機関債などの購入を2倍にす ることも明らかにした。

エボリューション・セキュリティーズ(ロンドン)の債券アナ リスト、エリザベス・アフセス氏は、「実際のところ、FOMCの 決定が材料のすべてだった。イングランド銀だけが未踏の領域に大 きく踏み込んでいくのでないと投資家は安心したかもしれない」と の見方を示した。

英10年債利回りは一時、前日比13ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01%)低下し2.98%を付けた。これは12日以降で最大 の下げ。ロンドン時間午後4時半現在は3.02%。同国債(表面利率

4.5%、2019年3月償還)価格は0.81ポイント上げ112.64。2 年債利回りは1.37%。一時は前日比14bp下げ1.32%と、12日以 来の低水準となった。

○欧州債:欧州債市場ではドイツ国債相場が大幅上昇した。独10年債 利回りは少なくとも1999年以来で最大の下げとなった。米連邦準備 制度理事会(FRB)が最大3000億ドル相当の米国債購入を決定し たことを受け、欧州中央銀行(ECB)に 同様の措置を取るように迫る圧力が高まった。

独10年債利回りは1週間ぶりの低水準を付けた。FRBは18日 に米国債購入に加え、住宅ローン担保債(MBA)などの購入を2倍 にする方針を打ち出し、今回の危機を終わらせるのに十分なマネーを 経済に注入することで、大恐慌並みの不況を回避する決意を表明した。

ウニクレディト・マーケッツ・アンド・インベストメント・バン キング(フランクフルト)の債券ストラテジスト、コーネリアス・パ ープス氏は、「ほぼすべての各国中銀が金融システムの安定化を目指 して資金を注入していることから、ECBへの圧力は強まっている」 と述べ、「債券市場に対してECBがより積極的に動くことは十分に 予想できる」との考えを示した。

独10年債利回りは一時、前日比22ベーシスポイント(bp、 1bp=0.01ポイント)低下し、ここ10年で最大の下げとなった (ブルームバーグ調べ)。ロンドン時間午後4時27分現在は3.04% と、前日を18bp下回っている。同国債(表面利率3.75%)価格は

1.55ポイント上げ105.93。独2年債利回りは1bp低下の1.39%。

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