史上最大のリーマン破たん、回避された可能性も-裸の空売り防止なら

米史上最大の破たん劇は、ウォー ル街が悪名高い取引手法を防止していれば、回避できたかもしれない。

米証券大手だったリーマン・ブラザーズ・ホールディングスの存 続が揺らいでいた昨年、同社株が売られたものの、買い手に引き渡さ れない受け渡し未済が9月11日時点で最大3280万株あった。米証 券取引委員会(SEC)とブルームバーグが集計したデータが示した もので、2007年7月30日の受け渡し未済ピークとなった56万7518 株の57倍超の規模だった。

SECは3営業日以内に決済されないこうした受け渡し未済の 株取引について、売却する株式の裏付けが無いいわゆる「裸の空売り」 と関連付けている。ハーベイ・ピット元SEC委員長によれば、こう した取引には「別の名称」もある。「その名称とは『詐欺』だ」。

SECのデービッド・コッツ検査官が18日提出した報告書によ れば、07年1月から08年6月までにSECの関連センターが受け取 った裸の空売りに関する苦情は約5000件。是正措置に結び付いたケ ースはなかった。

昨年2回あった大量のリーマン株受け渡し未済は、同社に関する 風説の流布があった時期と一致している。割安価格での身売りや、2 社がリーマンとの取引を停止したとの観測が流れたが、いずれも事実 ではなかった。昨年9月15日に破産法適用を申請した同社のリチャ ード・ファルド最高経営責任者(CEO、当時)は10月6日、裸の 空売りが同社の破たんを招く一因となったと下院の監視・政府改革委 員会で証言したが、同委員会は取り合わなかった。

それでも08年のSECのデータから浮かび上がる取引パターン は、裸の空売りがリーマンだけでなく、JPモルガン・チェースに昨 年5月に吸収合併されたベアー・スターンズの実質破たんにもつなが っていたことを示している。

テッド・カウフマン上院議員(民主、デラウェア州)は、「売り 込まれた株式や相場にとって、節度ない空売りは火に油を注ぐ行為に 相当する」と話す。同議員は、直近の株価よりも低い価格での空売り を禁じるいわゆるアップティック・ルールの復活を支持する法案を支 持しており、同ルールによってSECのデータが示すような受け渡し 未済の取引パターンは終わるとみている。

*T

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE