債券上昇、3週ぶり高値-日米中銀の国債購入で需給不安後退(終了)

債券相場は上昇(利回りは低下)。 先物相場が3週間ぶりの高値水準に切り上がったほか、現物市場でも中 長期ゾーンを中心に買いが優勢となった。日米の中央銀行が国債購入に 積極姿勢を示したことで過度な需給不安が後退した。

岡三アセットマネジメントの山田聡債券運用部長は、日米で国債 買い入れに足並みがそろったことから、市場は今後の財政出動や金利上 昇への配慮を感じ取ったと指摘。「期末という時期的に残高を積み上げ ようとの投資家は見当たらないが、新しい年度に入れば国債運用にウエ ートをかけざるを得ない」との見方も示した。

東京先物市場の中心限月6月物は、前日比45銭高い139円30銭 で開始。139円40銭を挟んだ推移を経て午後はじり高となり、一時は 中心限月として2月26日以来の高値となる139円69銭まで上昇。結 局は72銭高の139円57銭で引けた。売買高は2兆6813億円。

18日には日銀が長期国債の買い入れ額を大幅に増額したほか、米 連邦準備制度理事会(FRB)も長めの米国債購入を決めており、とり わけ米FRBの決定について市場では予想外と受け止められたもよう。

米国では10年債利回りが2.5%台前半と前日比50ベーシスポイ ント(bp)近くも急低下し、これを受けた国内市場でも先物6月物が 前日の安値138円14銭から1円以上も買い進まれた。新光証券の三浦 哲也チーフ債券ストラテジストは、需給不安が和らいだことでまず買い 戻しが入っており、「日本の3連休中の米債相場が一段高する可能性も 踏まえた買いヘッジ的な動きもあったようだ」とみていた。

10年債利回り1.255%まで低下

現物債市場で新発10年物の299回債利回りは前日比2bp低い

1.28%で始まった。その後しばらく1.265-1.275%でもみ合ってい たが、午後3時半すぎには1.255%まで低下した。

政府の財政支出拡大に伴って国債が増発される見通しのため、需 給悪化への懸念は根強くくすぶっているものの、日米金融当局が国債購 入に積極的な姿勢を示したことで、「金利が上がらない可能性を市場に 意識させ、結果的に押し目買いの意欲を強めていく」(RBS証券の市 川達夫シニアストラテジスト)との指摘が出ていた。

決算期末の接近にあたり投資家の取引は限定され、超長期ゾーン はじめ現物債は先物対比では金利低下の勢いが鈍かったが、新年度以降 には再び買い意欲が盛り上がるとみられる。みずほ証券の上野泰也チー フマーケットエコノミストは、来週後半から来年度運用を先回りした前 倒し的な買いが出てくるといい、「4-5月にかけて金利低下余地を模 索する展開。10年債利回りは1%前後まで低下する」と予想している。

日米中銀が大規模な国債購入へ

日銀は18日の金融政策決定会合で、長期国債の買入額を月1.4 兆円から1.8兆円に増額。米FRBは同日の公開市場委員会(FOM C)で、住宅ローン担保証券(MBS)や機関債の購入拡大のほか、今 後6カ月間で長期米国債を最大3000億ドル購入することを決めた。

市場では米FRBが米国債の購入決定を見送るとの見方が有力だ った。ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジストは今回の決定につ いて、米FRBが潤沢な資金供給を行う量的緩和に試験的に軸足を置い てきたとみており、「今後の米債市場では10年ゾーンまでの利回りフ ラット(平たん)化が見込まれ、日米金利の相関性が高いなかでは円金 利の低下要因となる」との見方だ。

RBS証の市川氏は、各国とも財政支出拡大は不可避だが金利上 昇は回避したいところで、金融当局の積極的な国債買い入れが結果的に 需給不安を和らげるとみており、「10年債利回りは今後数週間のうち に1.10-1.15%程度まで低下する可能性が高まった」という。

--共同取材:池田祐美 Editor:Hidenori Yamanaka, Tetsuzo Ushiroyama

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