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ADB研所長:米ドルの役割は長期的には低下-緩やかな下落望ましい

アジア開発銀行(ADB)研究所 の河合正弘所長などアジア各国の有識者で構成する「アジア政策フォ ーラム」は19日、世界的な金融・経済危機の克服に向けた東アジア首 脳に対する提言書を発表した。河合所長は日本外国特派員協会で記者 会見し、米ドルやアジア通貨について、以下のようにコメントした。

「ドルは優位な立場にある。現在誰もが米ドルを求め、ドル高と なっている。強いドルは中期的に米国の経常収支赤字の削減とは整合 的でないかもしれない。従って、われわれは米ドルが急落するよりも 緩やかな下落が非常に望ましいと信じている。長期的にはドルの役割 は低下するだろう。アジア地域では、通貨バスケットの形成が求める べき有益な方向だろう」

「米国の金融機関が国際的な流動性欠如の問題を背景に、ドルの 手元流動性を確保しようとしている現下の局面が終了し、金融の健全 性が戻り、金融機関が十分に資本増強された後、 米国の金融機関はよ り利益の高い投資機会を求めることになる。その際、東アジアに資本 が戻り、これはアジア通貨の上昇圧力につながるかもしれない」

「仮にそのことが米景気のさらなる停滞懸念と結びつけば、ドル の急落もあり得る。アジアの多くの国々は過度な為替調整に対し介入 できるが、同時に東アジアの通貨がばらばらの動きをすることは非生 産的だ。東アジア諸国は、対ドルに対し全体的に自国通貨が切り上が ることを容認できるようにすべきだ」

同席したタイのチャランポップ・スサンカーン元財務相は米ドル 下落リスクについて、以下のようにコメントした。

「(ドル下落は)多くの人が懸念している問題だ。なぜなら米国は (景気刺激策)で巨額の赤字を計上し、多くの国債を発行しなければ ならないからだ。 問題は、誰がそれを購入するかだ。過去においては、 東アジア諸国は米国債を購入していたが、これらの国は貿易黒字が大 幅に減り、ある国は赤字に陥っているため、今後は米国債を吸収しき れない」

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