日銀月報:景気は大幅に悪化、判断維持-生産減少テンポ緩やかに(3)

(第7段落以降に発表内容を追加します)

【記者:日高正裕】

3月19日(ブルームバーグ):日本銀行は19日午後、3月の金融 経済月報を公表し、「景気は大幅に悪化している」、先行きも「景気は 当面、悪化を続ける可能性が高い」として、3カ月連続で情勢判断を 据え置いた。生産については「在庫調整圧力が減衰するにつれて、生 産の減少テンポも次第に緩やかになっていく」との見方を示した。

白川方明総裁は13日の衆院財務金融委員会で、経済情勢は「1月 時点より厳しくなっている」と述べた。日銀は18日の金融政策決定会 合で、長期国債の買入額を月1.4兆円から1.8兆円に増額することを 決定。17日の政策委員会では、大手銀行など国際業務を展開する銀行 を対象に1兆円の劣後ローン引き受けを検討すると発表した。

金融経済月報は、輸出は「大幅に減少している」。企業収益の「悪 化幅は拡大しており」、設備投資も「大幅に減少している」。個人消費 は「雇用・所得環境が厳しさを増す中で、弱まっている」。住宅投資は 「新設住宅着工戸数でみると、再び減少している」。公共投資は「低調 に推移している」として、いずれも判断を据え置いた。

以上のような内外需要の動向や在庫調整圧力の高まりを背景に、 生産の「減少幅はさらに拡大している」として、背景として「在庫調 整圧力の高まり」を新たに加えた。

生産の先行きの判断を上方修正

先行きについては「輸出は、海外経済の悪化や為替円高を背景に、 減少を続けるとみられる」として、海外経済の判断を前月の「減速」 から「悪化」に引き下げた。その上で、「国内民間需要も、企業の収益 や資金調達環境が悪化し、雇用・所得環境も厳しさを増す下で、さら に弱まっていく可能性が高い。公共投資は低調に推移すると考えられ る」との判断は据え置いた。

以上の需要動向を背景に、生産については「減少を続けるとみら れるが、在庫調整圧力が減衰するにつれて、生産の減少テンポも次第 に緩やかになっていくと予想される」と指摘。前月の「生産は減少を 続けるとみられる」から判断を上方修正した。

物価については、国内企業物価は「国際商品市況の下落を主因に、 3カ月前比でみて下落を続けている」として、前月の「大幅に下落し ている」から判断を修正した。消費者物価指数(除く生鮮食品)の前 年比は「石油製品価格の下落や食料品価格の落ち着きを反映して、ゼ ロ%まで低下している」と指摘した。

金融環境は厳しい状態続いている

先行きは、国内企業物価は「国際商品市況下落の影響が残り、製 品需給の緩和が続く下で、当面、下落を続けるとみられる」。消費者物 価の前年比は「石油製品価格の下落や食料品価格の落ち着きに加え、 経済全体の需給バランスの悪化などを背景に、マイナスになっていく と予想される」との判断を据え置いた。

金融面については「わが国の金融環境は、厳しい状態が続いてい る」との判断を維持した。無担保コール翌日物金利は「極めて低い水 準にあるが、大幅に悪化している実体経済活動との比較でみると、 緩 和度合いは低下している」と指摘。企業の資金調達コストは「政策金 利引き下げの波及やコマーシャルペーパー(CP)発行市場の改善を 受けて、昨年末に比べ低下している」としている。

CP・社債の発行は「ひところに比べ回復してきている上、銀行 貸し出しは大企業向けを中心に高い伸びを続けている」と指摘。そう した下でも、「下位格付先の社債発行は依然低い水準にとどまってい るほか、中小企業を中心に資金繰りや金融機関の貸出態度が厳しいと する先が増加している」としている。

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