米国のM&Aは予想外の回復も-底入れ近いと企業トップは虎視眈々

米国のM&A(企業の合併・買収) は予想外の立ち直りを見せる可能性がある。IBMなど手元資金の潤 沢な企業が株価低迷に苦しむライバル企業を虎視眈々(たんたん)と 狙っていると銀行関係者や弁護士らは指摘している。

ニューヨークの法律事務所サリバン・アンド・クロムウェルのパ ートナー、フランク・アキラ氏は「資金のある企業なら、今が買収を 仕掛けるときであることは明らかだ」と述べ、「景気悪化局面で実施さ れた買収は最高のリターンをもたらす」と指摘した。

コンピューターサービス大手のIBMは2008年末の手元資金が 127億ドルだった。事情に詳しい関係者の1人によると、IBMはサ ーバーメーカーのサン・マイクロシステムズを買収する方向で交渉中。 製薬大手のファイザーが同業のワイスを630億ドルで買収するなど、 今年はこれまでに米企業による総額1730億ドルの買収が発表されて いる(ブルームバーグ・データ)。米国のM&Aのペースは昨年10- 12月(第4四半期)を23%上回っている。

英M&A顧問会社コンパス・アドバイザーズのシニアパートナー、 フィリップ・キービル氏は「市場の底は近いかもしれない。少なくと も多くの最高経営責任者(CEO)はそう考えている」と指摘。「わた しが話をする顧客は誰もがM&Aについて考えている。ただ景気悪化 懸念から、引き金を引くことに極めて神経質になっている」と述べた。

S&P500種株価指数は08年に38%下落しており、手元資金の潤 沢な企業には、資産を1980年代以来の低コストで買収する機会がもた らされている。リセッション(景気後退)を受けて、企業は競合他社 の吸収やコスト削減につながる防衛的な買収の検討に動いている。

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