債券相場は上昇、先物は2週間ぶり高値圏に-予想外の米債相場急騰で

債券相場は上昇(利回りは低下)。 先物中心限月はほぼ2週間ぶりの水準に切り上がった。米金融当局が米 国債購入を決めたことから前日の米債相場が予想外の急騰となり、国内 市場でも先物中心に買いが先行する展開となった。

RBS証券の市川達夫シニアストラテジストは、日米の中央銀行 が国債購入に積極的な姿勢を示していることは需給悪化への警戒感を緩 和させるといい、「このことは金利が上がらない可能性を市場に意識さ せ、結果的に押し目買いの意欲を強めていく」とみている。

東京先物市場の中心限月6月物は、前日比45銭高い139円30銭 で始まり、中心限月ベースで3月3日以来の高値圏に到達。直後に139 円46銭まで買い進まれ、その後も139円40銭を挟んで推移し、結局 は50銭高の139円35銭で引けた。午前の売買高は1兆4135億円。

先物6月物は前日に138円14銭まで下げたが、日銀が長期国債 買い入れの大幅増額を決めると一時は139円00銭まで上昇。さらに、 米連邦準備制度理事会(FRB)による米国債購入の決定を受け米債相 場が急騰したため、前日の安値からは1円以上水準を切り上げた。

米FRBによる国債買い入れの決定は予想外と受け止められ、結 果発表後の米債市場で買いが殺到。米10年債利回りは2.5%台前半と 前日比50ベーシスポイント(bp)近くも急低下した。

日銀による国債買い入れの大幅増額以上に、米金融当局による国 債購入は市場でサプライズ(驚き)と受け止められた。このため、「日 銀の買い入れ増額でいったんは買い材料が一巡し、米債相場のこれほど の急騰はないとの見方から先物売りで臨んだ向きが買い戻しを余儀なく された」(ドイツ証券の山下周チーフ金利ストラテジスト)という。

10年債利回りは一時1.265%に

現物債市場で新発10年物の299回債利回りは前日比2bp低い

1.28%で始まった。その後しばらく1.27-1.275%でもみ合い、10時 20分すぎには1.265%に低下。午前の終値は1.275%だった。

ただ、決算期末の接近にあたり投資家の買い意欲は盛り上がって いないもよう。大和証券SMBCの末沢豪謙チーフストラテジストは、 CTA(商品投資顧問)などの動きで先物は振れているが、現物債は期 末を控えて値動きが小さいと指摘。「日本でも月末にかけて景気対策が 策定されるタイミングに入り増発が意識される。日銀の国債買い入れ増 額も、財政政策との協調的な部分があると思う」との見方を示した。

米FRBが国債買い入れへ

米FRBは18日の公開市場委員会(FOMC)で、住宅ローン担 保証券(MBS)や機関債の購入拡大を決定したほか、今後6カ月間で 期間の長い米国債を最大3000億ドル購入することを決めた。

市場では米FRBが米国債の購入決定を見送るとの見方が有力だ った。ドイツ証の山下氏は今回の決定について、米FRBが潤沢な資金 供給を行う量的緩和に試験的に軸足を置いてきたとみており、「今後の 米債市場では10年ゾーンまでの利回りフラット(平たん)化が見込ま れ、日米金利の相関性が高いなかでは円金利の低下要因となる」との見 方だ。

--共同取材:池田祐美 Editor:Hidenori Yamanaka,Tetsuzo Ushiroyama

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