東証、ミニ長期国債先物取引を23日開始、小口化で個人参入しやすく

東京証券取引所は、3月23日から 「ミニ長期国債先物取引」を開始する。「ミニ取引」では、取引単位を 長期国債先物取引の10分の1に小口化して、現在の機関投資家中心の 債券先物市場に個人投資家の参入を促して、市場流動性の向上や取引拡 大につなげる。

東証の深山浩永常務執行役員は、「取引単位が小さくなるので個人 投資家も参入しやすくなるのが狙い」と説明。「当初は1日あたり数千 枚の取引ができれば良い。少しずつ成長して、いずれ万単位の取引がで きてくれればと思っている」と抱負を語った。

長期国債先物の取引単位(1枚)が額面1億円であるのに対し、ミ ニ長期国債先物取引は1000万円。また長国先物の1単位当たりの値段 である「呼値」が額面100円につき1銭であるのに対し、ミニ取引では

0.5銭となっている。1単位あたりの証拠金も、長国先物取引は百数十 万円だが、ミニ取引は十数万円ですむ。「具体的には3月23―27日は、 12万6000円」(東証・渉外広報部の井澤郁恵氏)という。

個人投資家参入で流動性拡大期待

これまで国債先物市場は、内外の機関投資家が中心だった。個人投 資家向けの新商品が加わり、市場参加者の厚みが増すことは、国債の安 定消化にもつながる。さらに長国先物とミニ取引で裁定取引が発生すれ ば、流動性が高まる効果も見込まれている。

株式・外為市場でもインターネットを使って利ざやを稼ぐ個人投資 家が増えている中、株価指数先物、為替先物、国債先物でロング(買い 持ち)やショート(売り持ち)を組み合わせる裁定取引も事実上可能と なる。

一方で、金融商品取引法の改正もあって、先物・デリバティブ商品 に対する個人の口座設定基準は厳しい状況。「金融機関が積極的に販売 するのは難しいのではないか」(大和証券SMBCチーフストラテジス トの末沢豪謙氏)と慎重な声も聞かれる。

深山氏によると、「昨年秋のリーマンショック以来、海外投資家が 減っている。日本だけでなく、世界的に低金利政策を取っており、金利 変動が大きくないので、スタート環境はあまり良くない」という。

しかし、金利が動き出して価格変動が大きくなれば、個人投資家の 興味が高まる可能性がある。「この時期に品ぞろえをしておき、環境が 良くなれば伸びてくる」(深山氏)として、将来に向けた市場育成を図 りたい考えだ。

現物の受渡決済である長国先物取引と異なり、ミニ取引の最終決済 は最終清算値段による差金決算。同清算値段は、ミニ取引の取引最終日 の翌日における同一限月の長国先物始値となる。このため、最終日の売 建玉保有者も現物国債を手当てする必要がない。

6月末までキャンペーン展開

東京証券取引所では、ミニ取引の導入に伴い、取引仲介先の証券会 社や銀行などに対して、3月23日から6月末まで取引料を無料とする キャンペーンを展開する予定。

大阪証券取引所が導入した「日経225mini」、東京証券取引が導入 した「ミニTOPIX先物」「TOPIX Core30先物」「東証RE IT指数先物」に続き、新たに「ミニ長期国債先物取引」が加わること で、個人投資家の資金を取り込む動きがさらに活発化する。

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