IMF:米銀行救済策は「詳細欠く」、09年世界経済は最大1%縮小

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国際通貨基金(IMF)は19日 に公表したリポートで、金融システム修復に向けたガイトナー米財務長 官の政策について、「一番肝心の詳細」に欠けていると批判した。同リ ポートは13、14日に開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀 行総裁会議に向けて準備された。

IMFは「不安定な市場心理を沈静化させるにはもっと具体的な 政策が必要になるだろう」と指摘した。ガイトナー総裁が2月10日 に金融安定化策を発表して以降、S&P500種株価指数は8.7%下落 している。

オバマ政権に対しては、凍結している信用市場の機能改善を促し、 銀行のバランスシートから不良資産を切り離す政策を早急に打ち出すよ う求める声が強まっており、IMFの批判はこれに拍車を掛けるものと 言えそうだ。IMFのストロスカーン専務理事は今週、金融システムを 強化する上で一段の緊急性が求められていると米議会に訴えた。

IMFのリポートは「不良資産の価値判断に関する最重要の詳細が 依然として不透明だ」と指摘。「米国の政策は深刻な資本不足に陥って いる銀行や支払い不能に陥った銀行をどの程度厳格に整理するのかとい う問題に取り組んでおらず、政府保有の優先株を保持する機関の役割も 明確にしていない」と批判した。

ガイトナー長官はG20会議終了後にブルームバーグテレビジョン とのインタビューで、不良資産問題について「非常に迅速に対応する」 計画であることを明らかにしていた。

長官が打ち出した金融安定化策の柱は3つ。大手金融機関の一部へ の追加公的資金の注入、最大1兆ドルの不良資産を買い取る官民ファン ドの設立、米連邦準備制度理事会(FRB)と個人や企業向け融資の促 進に向けた最大1兆ドルの信用ファシリティー設立だ。

60年ぶりのマイナス成長

IMFは新たな経済見通しも発表。2009年の世界の経済成長は最 大1%縮小するとの見通しを示した。世界全体の国内総生産(GDP) がマイナスになるのは60年ぶり。

欧州中央銀行(ECB)に対しては一段の成長促進策を取るよう要 請。「特にECBなど追加利下げの余地がある中銀は実施すべきだ」と 主張した。

IMFは信用市場の緩和に向け、各国中銀に「非伝統的な手段」を 使用するよう求めた。また、中銀がコマーシャルペーパー(CP)や資 産担保証券(ABS)を購入する方が「流動性の高い米国債を購入する よりも、引き締まった信用市場を緩和する上で格段に効果的だ」との見 解を明らかにした。

米金融当局は18日、最大3000億ドルの米国債購入に加え、住宅 ローン担保証券(MBS)の買い入れ拡大を発表した。

IMFは今年の成長率について、米国がマイナス2.6%、ユーロ圏 がマイナス3.2%、日本がマイナス5.8%と予想した。2010年について は3地域ともゼロ成長にとどまるの見通しを示した。

さらに「世界景気の好転は、一段と協調した金融安定策と持続的で 強固な需要拡大策を取るかどうかに大きく左右されるだろう」と指摘し た。

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