3月18日の海外株式・債券・為替市場(3)

(NY外為を最新版に差し替えます)

○米国株:米国株式相場は上昇。S&P500種株価指数は1カ月ぶり 高値に上げた。米連邦公開市場委員会(FOMC)が住宅ローン担保 証券や機関債の購入を増額するほか、米国債の買い取りに踏み切る方 針を明らかにしたことから、市場参加者の間では借り入れコストの低 下が景気回復を促すとの見方につながった。

S&P500種は過去7営業日のうち6日間で上昇。年初からの下 げを12%に縮小した。3月9日時点では同25%だった。銀行大手シ ティグループや保険大手ハートフォード・ファイナンシャル・サービ シズ・グループを中心に金融株が値上がりした。

サーバー大手のサン・マイクロシステムズは79%急伸。IBM が同社買収の話を進めているのが買い材料となった。

ハートフォード(コネティカット州ハートフォード)のチーフ投 資ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は「FOMCは最後の 賭けに打って出ており、とにかく景気回復のためには何でもするつも りだ。景気が回復すればその分、企業利益や売上高が拡大するため、 株式相場にとっては支援材料だ」と語った。

S&P500種株価指数は前日比2.1%高の794.35。一時は803.04 まで上昇した。ダウ工業株30種平均は90.88ドル(1.2%)高の

7486.58ドル。ナスダック総合指数は2%上昇し、1491.22で終えた。 ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比率は5対1。

金融株

S&P500種の金融株価指数は10%高。今月6日以降の上昇率を 54%に伸ばした。バンク・オブ・アメリカ(BOA)やJPモルガ ン・チェースはいずれも上昇。ゴールドマン・サックス・グループの 終値は6.3%上げて105.24ドル。昨年10月以降で初めて100ドルを 上回った。

S&P500種保険株指数も10%高。ハートフォードとリンカー ン・ナショナルはいずれも15%以上値上がりした。

サン・マイクロは急伸。匿名を条件にした事情に詳しい関係者が IBMのサン・マイクロ買収交渉を明らかにした。IBMはサーバー 市場でのシェア拡大を狙う。

この日の金融株はFOMC声明発表前から堅調に推移した。オバ マ政権がターム物資産担保証券ローン制度(TALF)の購入対象に、 銀行が保有する問題資産を加えることを検討していると、事情に詳し い複数の関係者が明らかにしたのが背景だ。

同関係者によると、米当局は消費者ローン促進を目的とした米連 邦準備制度理事会(FRB)のTALFと、財務省が計画している官 民投資ファンドの統合を検討している。

メットライフ

保険のメットライフは21%急伸。BOAが同社の株式投資判断 を「買い」に引き上げたのが手掛かりだった。BOAはリポートで 「大規模な新株発行の必要はない」と説明した。

オンライン証券取引のEトレード・ファイナンシャルは大幅上昇。 ホームエクイティローンの返済延滞率が2カ月連続で低下したのが買 いを誘った。

一般消費財・サービス株はFOMCの声明発表後値上がりし、

3.2%高で終えた。ファストフード最大手のマクドナルドやディスカ ウントストア大手ターゲットはいずれも上昇した。

○米国債:米国債相場は急反発。米連邦公開市場委員会(FOMC) が消費者の借り入れコスト低下とリセッション(景気後退)脱却を目 指し、資産購入の対象として米国債を加えると決定したため、買いが 殺到した。

米金融当局は長めの期間の米国債を最大3000億ドル購入するこ とを決定。10年債利回りの低下幅は1営業日としては1962年1月以 来で最大。2年債利回りに対する10年債の上乗せ幅は28ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)縮小し1.70ポイント。

債券ファンド最大手、米パシフィック・インベストメント・マネ ジメント(PIMCO)の住宅ローン担保証券(MBS)投資責任者、 スコット・サイモン氏は金融当局の取った政策について「古き良き 『衝撃と畏怖(いふ)』戦略だ。住宅ローン金利がさらに低下するの は確実だ」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後2時57分現在、30年債利回りは前日比21bp低下して

3.62%。2年債利回りは20bp低下の0.83%、10年債利回りは45b p低下の2.56%。

TALF拡大

米金融当局はターム物資産担保証券ローンファシリティー(TA LF)の対象担保の範囲を拡大する方針も発表した。政府機関債の購 入については今年、最大1000億ドル増額され、最大2000億ドルにな る。

30年債利回りは昨年12月18日に2.509%と過去最低を記録した。 この約3週間前にバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は 初めて国債購入の選択肢に言及した。利回りはこの日、一時3.84% まで上昇した。

プライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)であるU BSやバンク・オブ・アメリカ(BOA)、モルガン・スタンレー、 ゴールドマン・サックス・グループのストラテジストはいずれも国債 購入の発表を予想していなかった。

BNPパリバ・セキュリティーズの金利ストラテジスト、サブラ ト・プラカシュ氏は「国債購入の確率は低いと考えていたが、FRB がこの明らかに強力な手段を講じれば利回りが急低下することは分か り切っていた」と語った。

10年債利回りは前回のFOMC会合があった1月28日以降の2 日間で33bp上昇した。その際は長めの国債を買い取る可能性があ るとしながらも、具体的な詳細には触れなかった。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デービ ッド・コード氏は「景気を支援するために必要な措置だ。米国債相場 にはすばらしい買い材料だ」と指摘した。

戦時中

アトランタ連銀によれば、第2次世界大戦中にFRBは戦費捻出 (ねんしゅつ)に向けて低金利を維持するため、銀行から無制限に国 債を買い取ることで合意した。

イングランド銀行が5日に英国債の買い取りを発表したため、米 国でも当局による国債購入の思惑が強まっていた。英10年債利回り は13日に2.93%と、約20年ぶりの水準に低下した。国債購入発表 の前日は3.64%だった。

日本銀行は18日、長期国債の買入額を月1.8兆円に増額した。 これにより、米国の国債購入観測が一段と強まった。

キャンター・フィッツジェラルド(ニューヨーク)の金利責任者、 ブライアン・エドモンズ氏は「米当局は国債利回りに目標を設定して いるわけではないと思うが、3.50%の10年債利回りや4.25%の30 年債利回りは許容できないと思う。そうなる前に介入するだろう」と 語った。

モルガン・スタンレーのチーフ米国エコノミスト、リチャード・ バーナー氏は16日付の調査リポートで、金融当局はMBS買い入れ 制度やTALFを優先する一方で、すべての選択肢を残しておきたい 考えだと説明。世界の投資家が米国債に対して憶病になると仮定すれ ば、なおさらのことだと指摘していた。

○NY外為:ニューヨーク外国為替市場ではドルが対ユーロで下落。 2000年9月以来で最大の落ち込みとなった。FOMCが声明で、期 間の長い米国債を最大3000億ドル購入すると発表ことがドル売りを 誘った。

主要6通貨のバスケットに対するICEのドル指数は、3月初め にほぼ3年ぶりの高水準まで上昇して以来、5.6%下げている。FR Bが市場へ注入する資金の拡大を決定したことが背景となった。シテ ィグループの通貨アナリストはドルの売り持ち高を積み増すよう提言 した。ドルの対ユーロ相場が1月12日以降で初めて1ユーロ=1.34 ドルを割り込んだことが理由。

MFCグローバル・インベストメント・マネジメントのマネー・ マネージャー、ジャック・アイル氏はFOMC声明について「市場に 衝撃を与えた」と指摘。「FRBが紙幣を印刷していることは全般的 なドルの下落につながる。何兆ドルという額が関わっており、ドル相 場には大きなマイナス材料だ」と述べた。

ニューヨーク時間午後4時現在、ドルは対ユーロで1ユーロ=

1.3491ドル。一時は3.6%下げ、1ユーロ=1.3498ドルと、日中取 引としては2000年9月以来の下げ幅を付けた。ドルは対円では

2.3%下げ、1ドル=96円29銭(前日は同98円60銭)。一方、円 は対ユーロで0.4%下げ、1ユーロ=128円80銭(前日は同128円 35銭)。

FOMCは声明で、住宅ローン担保証券の購入規模を7500億ド ル増額するほか、期間の長い米国債を最大3000億ドル買い取ること を決定したことを明らかにした。

FRBの総力戦

英銀スタンダード・チャータードの通貨ストラテジストのマイ ク・モラン氏(ニューヨーク在勤)は「これはFEBの総力戦だ。金 融システムに可能な限り資金を供給するという、積極的な取り組みだ。 これにより、強気な心理が戻り、ドル相場はさらに軟化するだろう」 と語った。

主要6通貨のバスケットに対するICEのドル指数は2.7%下げ、

84.595。同指数は3月4日に89.62台に達し、2006年4月以来の高 水準まで上昇。その後は5.6%下げている。

この日は米10年債相場が急反発。利回りの低下幅は1営業日と しては1962年1月以来で最大となった。利回りが2.51%まで低下し た局面では、独10年債の利回りを0.71ポイント下回った。この利回 り格差は17日の0.18ポイントから急拡大し、ドル資産の投資妙味が 薄れた。

シティグループの通貨ストラテジストは18日付のリポートで、 「米国債利回りの低下とともに、ドルは下落すると予想される。当社 は長い間、米国の政策がいずれは持続的なドル安につながると主張し てきた。この日のFOMCの決定は、ドルの一段安につながる可能性 がある」との見解を示した。

円対ユーロ

1-3月(第1四半期)に円の対ユーロ相場は2.2%下げている。 日本のリセッション(景気後退)深刻化を背景に、逃避先としての円 需要が後退したことが背景。

ポンドは対ユーロで一時2.2%下げ1ユーロ=94.87ペンスと、 1月26日以来の安値を付けた。2月の英失業者数が前月比13万 8400人増の139万人と発表されたことがきっかけ。

○英国債:英国債相場は下落。イングランド銀行(英中央銀行)が 2014-19年に償還を迎える国債29億9000万ポンド相当の買い取り 入札を実施したことが背景。

応札総額はほぼ220億ポンドで、倍率は7.35倍となった。モニ ュメント・セキュリティーズの債券ストラテジスト、マーク・オスワ ルド氏(ロンドン在勤)は顧客向けリポートで、「応札倍率は明らか に高い」と指摘し、今後の「短期債の発行額を考慮すると驚きではな い」と記した。

英10年債利回りは前日比3ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上昇の3.10%。同国債(表面利率4.5%、2019年3月償 還)価格は0.30ポイント下げ111.91。2年債利回りは1.46%と、前 日を1bp下回った。

○欧州債:欧州債市場では、ドイツ10年債相場が4営業日連続で下 落。ドイツとスペインが総額80億ユーロ強の国債入札を実施したこ とを受け、供給増加への懸念が強まった。

独10年債利回りは5週間ぶり高水準を付けた。ドイツが38億ユ ーロの10年債入札を実施したほか、スペインは43億ユーロ相当を入 札した。ドイツ財務省は17日、今年の国債発行額が昨年12月時点よ りも約200億ユーロ上回る計画を発表した。

カリヨンの債券ストラテジスト、オーランド・グリーン氏(ロン ドン在勤)は「ドイツ政府が前日発表した増発計画が市場関係者の一 部を不安にさせているようだ」と語った。

ロンドン時間午後4時31分現在、独10年債利回りは前日比3ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇し3.22%と、 先月11日以来の高水準を付けた。同国債(表面利率3.75%、2019年 1月償還)価格は0.24ポイント下げ104.40。独2年債利回りは

1.41%と、前日からほぼ変わらず。

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