FOMC:長期国債3000億ドル購入へ、住宅ローン証券購入増額(4)

米連邦準備制度理事会(FR B)は17、18の両日に開いた連邦公開市場委員会(FOMC)会 合で、最高3000億ドルの米長期国債購入に加え、住宅ローン担保 証券(MBS)や機関債の購入拡大を決定した。フェデラルファン ド(FF)金利の誘導目標は0-0.25%の範囲に据え置いた。

この日の決定は全会一致。FOMCは声明で、「住宅ローン貸 し出しと住宅市場への支援を強化するため、委員会は住宅ローン担 保証券の購入規模を7500億ドル増額し、FRBのバランスシート を一段と拡大することを決定した」と表明。「委員会はまた、民間 信用市場の状況改善を支援するため、今後6カ月で期間の長い米国 債を最大3000億ドル買い取ると決定した」ことを明らかにした。

米失業率は8.1%に上昇し、エコノミストが今年半ばまでマイ ナス成長が続くと予想する中、バーナンキFRB議長は金融政策で 新たな領域に踏み出した。FOMCはまた、ターム物資産担保証券 ローンファシリティー(TALF)の受け入れ担保に「他の金融資 産」を追加する方向で検討する方針も打ち出した。

プール前セントルイス連銀総裁はブルームバーグニュースとの インタビューで、「景気は底打ちに近づいてさえいない。FRBが 大規模な量的緩和に踏み切ったのはそのためだ」と解説。「米経済 はなお非常に深刻なリセッション(景気後退)にある」と付け加え た。

市場の反応

FOMC発表を受けて米国債相場は急伸。午後4時40分 現在の10年債利回りは前日の3.01%から、2.48%に押し下げら れ、1962年以降で最大の低下幅となった。株式市場ではS&P500 種株価指数が前日比2.1%上昇し、794.35で引けた。

バークレイズ・キャピタルの債券戦略責任者、アジェイ・ラジ ャディアクシャ氏(ニューヨーク在勤)は、「FOMCは市場に衝 撃を与えることを狙い、成功した」と語る。住宅ローン金利を

4.25-4.5%程度に押し下げることに成功すれば、「住宅は購入し やすくなり、その結果、住宅需要の拡大につながる」と述べた。

各国中央銀行は政策金利がゼロに接近する中、新たな政策手段 に取り組んでいる。イングランド銀行(英中央銀行)は英国債と社 債の買い取りを実施。日銀は国債買い取り額を引き上げ、銀行に劣 後ローンを提供する方針を打ち出した。スイス国立銀行(中央銀 行)はスイス・フラン相場を抑制するための外貨買い介入を実施し ている。

バーナンキ議長はFRB理事だった2002年、デフレリスクに 対する戦略の1つに挙げていた長期国債の買い取りを、FRB議長 として今回、実際に採用した。

インフレ抑制継続

過去に中央銀行による国債の買い取りがインフレ急伸につなが った事例があるが、FRB当局者は「弱い」需要を根拠に、消費者 物価は引き続き抑制されると確信している。

FOMCは声明で、インフレ率が最適な水準を「一定期間にわ たり下回る」リスクがあると指摘。米労働省が18日に発表した2 月の米消費者物価指数(CPI、季節調整済み)統計では、変動の 大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が前年同月比で1.8%上 昇と、過去10年間の平均値である2.2%を下回った。

「持続的成長再開へ」

バーナンキ議長はすでに60年ぶりの深刻さといわれるリセッ ションが信用収縮でさらに悪化しないよう力を尽くしている。米鉱 工業生産指数は4カ月連続で落ち込み、2月は1.4%低下。設備稼 働率は70.9%と、集計開始以来の最低となった。

FOMC声明は、「1月の前回会合以降に入手した情報は、経 済の縮小継続を示している」と指摘する一方、「金融市場と金融機 関の安定化を目指した政策行動と財政・金融刺激策が、持続的な経 済成長の緩やかな再開に貢献するだろう」との認識を示した。

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