米国債:急反発、FOMCの国債購入決定で-30年債利回り3.62%

米国債相場は急反発。米連邦公開市 場委員会(FOMC)が消費者の借り入れコスト低下とリセッション (景気後退)脱却を目指し、資産購入の対象として米国債を加えると決 定したため、買いが殺到した。

米金融当局は長めの期間の米国債を最大3000億ドル購入することを 決定。10年債利回りの低下幅は1営業日としては1962年1月以来で最 大。2年債利回りに対する10年債の上乗せ幅は28ベーシスポイント (bp、1bp=0.01%)縮小し1.70ポイント。

債券ファンド最大手、米パシフィック・インベストメント・マネジ メント(PIMCO)の住宅ローン担保証券(MBS)投資責任者、ス コット・サイモン氏は金融当局の取った政策について「古き良き『衝撃 と畏怖』戦略だ。住宅ローン金利がさらに低下するのは確実だ」と述べ た。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時間 午後2時57分現在、30年債利回りは前日比21bp低下して3.62%。2 年債利回りは20bp低下の0.83%、10年債利回りは45bp低下の

2.56%。

TALF拡大

米金融当局はターム物資産担保証券ローンファシリティー(TAL F)の対象担保の範囲を拡大する方針も発表した。政府機関債の購入に ついては今年、最大1000億ドル増額され、最大2000億ドルになる。

30年債利回りは昨年12月18日に2.509%と過去最低を記録した。 この約3週間前にバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は初 めて国債購入の選択肢に言及した。利回りはこの日、一時3.84%まで上 昇した。

プライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)であるUB Sやバンク・オブ・アメリカ(BOA)、モルガン・スタンレー、ゴー ルドマン・サックス・グループのストラテジストはいずれも国債購入の 発表を予想していなかった。

BNPパリバ・セキュリティーズの金利ストラテジスト、サブラ ト・プラカシュ氏は「国債購入の確率は低いと考えていたが、FRBが この明らかに強力な手段を講じれば利回りが急低下することは分かり切 っていた」と語った。

10年債利回りは前回のFOMC会合があった1月28日以降の2日 間で33bp上昇した。その際は長めの国債を買い取る可能性があるとし ながらも、具体的な詳細には触れなかった。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デービッ ド・コード氏は「景気を支援するために必要な措置だ。米国債相場には すばらしい買い材料だ」と指摘した。

戦時中

アトランタ連銀によれば、第2次世界大戦中にFRBは戦費捻出に 向けて低金利を維持するため、銀行から無制限に国債を買い取ることで 合意した。

イングランド銀行が5日に英国債の買い取りを発表したため、米国 でも当局による国債購入の思惑が強まっていた。英10年債利回りは13 日に2.93%と、約20年ぶりの水準に低下した。国債購入発表の前日は

3.64%だった。

日本銀行は18日、長期国債の買入額を月1.8兆円に増額した。これ により、米国の国債購入観測が一段と強まった。

キャンター・フィッツジェラルド(ニューヨーク)の金利責任者、 ブライアン・エドモンズ氏は「米当局は国債利回りに目標を設定してい るわけではないと思うが、3.50%の10年債利回りや4.25%の30年債利 回りは許容できないと思う。そうなる前に介入するだろう」と語った。

モルガン・スタンレーのチーフ米国エコノミスト、リチャード・バ ーナー氏は16日付の調査リポートで、金融当局はMBS買い入れ制度や TALFを優先する一方で、すべての選択肢を残しておきたい考えだと 説明。世界の投資家が米国債に対して憶病になると仮定すれば、なおさ らのことだと指摘していた。

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