新装開店のウォール街、地味な仕事も意外に高収益-競合社数減少で

ゴールドマン・サックス・グル ープとモルガン・スタンレー、JPモルガン・チェース。これが装 いを新たにした「新ウォール街」のメンバーだ。この3社は、法人 融資や売買仲介という、低収益とみなされていた地味な業務で収益 を上げている。証券業界の地殻変動で最大の競争相手3社が姿を消 したからだ。

債券の売値と買値の差、いわゆる「ビッド・アスク・スプレッ ド」は過去半年の間にほぼ倍の19ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)に拡大した(ブルームバーグのデータ)。また、銀行 関係者が匿名を条件に述べたところによれば、大量の株式の売却を 企業から引き受ける証券会社の買値で、割引幅は1年前に比べ最大 で3倍になっている。さらに、新規融資の金利も上がっている。

大恐慌以来で最悪の1年を経て生まれ変わったウォール街は、 気が付くと新たな価格決定力を得ていたようだ。このおかげで、保 有資産での評価損や自己勘定でのトレーディング縮小による収益 減を補うことができる。

貸し付ける資金のある金融機関は従来よりも高い金利を課し、 投資家を集めたり売買執行ができるところは利ざやを拡大させてい る。信用危機に見舞われるまでは、借入金をてこにした自己勘定の トレーディングと仕組み金融事業の後ろに押しやられていた伝統的 な業務が、にわかに脚光を浴び始めた。

グリニッチ・アソシエーツのコンサルタント、ジョン・コロン 氏は「幾つかの金融機関は、低リターンで単調だとしてかつては見 向きもしなかったような業務でかなり良い収益を上げている」とし て、「金融機関は資本を本当に大事にしている。資本の使い方に慎重 になった分だけ、資本の値段は高くなった」と話した。

証券会社と商業銀行の垣根が取り払われて以来、競争激化で利 ざやが縮小したことを受け、法人融資や売買仲介は値段の安い「お まけ」的な仕事との認識が浸透した。商業銀行は妙味のある証券引 き受けやM&A(企業の合併・買収)助言の業務を受託するために、 低価格で融資や売買仲介のサービスを提供した。

しかし、旧ウォール街で5大証券会社と並び称されたなかで、 ベアー・スターンズとリーマン・ブラザーズ・ホールディングス、 メリルリンチが消え、さらに、ウォール街の挑戦者だったスイスの UBSや商業銀行の米シティグループは巨額損失で力を殺がれた。 環境が変わったおかげで価格決定力が高まり、生き残った3社であ るゴールドマンとモルガン・スタンレー、JPモルガンは今、融資 と売買仲介で利益を上げている。

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