中国経済:安定化の兆し、09年成長率予想6.5%に下方修正-世銀(2)

世界銀行は18日、北京で四半期 報告を発表し、中国政府による投資で輸出減少の影響が緩和されると して、同国経済に安定化の「初期兆候」が出ているとの見解を示した。

一方で世銀は、今年の中国の成長率予想を6.5%と、昨年11月 時点の見通し(7.5%)から下方修正した。

世銀は、中国が他の多くの国・地域と比べて、世界的な景気低迷 をうまく切り抜けていると指摘。金融危機の痛手を中国の銀行がほと んど受けていない状況や、政府による4兆元(58兆円)規模の景気対 策の迅速な実施を理由に挙げた。政府が関与する投資は今年26%増加 し、景気拡大の4分の3に貢献すると世銀は指摘した。

世銀シニアエコノミスト(北京在勤)のルイス・クイス氏は「中 国の景気対策は機能しつつある」とし、「同国の経済のファンダメン タルズ(基礎的諸条件)は現在の嵐を乗り切る上で十分堅固だ」と語 った。

中国の温家宝首相は先週、8%成長の達成は「困難だが、可能 だ」と語り、同国政府はいつでも追加の刺激対策をとることができる と付け加えた。

投資と消費

世銀は、中国では今年1-2月に融資が大きく伸びたが、「その うちのかなりの部分」はインフラ投資向けだったと指摘。民間部門の 投資は過去2年間、固定資産投資の大部分を占めてきたが、今年は後 退が見込まれ、この分野では政府が重要な役割を演じることになると 分析した。

その上で世銀は、中国政府は短期的なGDP(国内総生産)成長 率に固執する姿勢を抑え、資本集約型の産業投資から脱却して経済の バランスを再構築するために個人消費の拡大により注力すべきだとの 認識を示した。

世銀の従来および今回見通しはともに、中国成長率について 1990年以来の低水準としている。「中国経済には少なくとも安定へ の初期兆候が見られるものの、世界的な景気の弱さを踏まえると持続 的な回復を予想するのは時期尚早だ」とし、「世界景気が回復して初 めて、中国の成長が大きく改善し持続可能となるだろが、そうした事 態は近々には予想しがたい」と指摘した。

また、中国人民銀行には「景気拡大路線の金融政策をとる一段の 余地がある」としながらも、世銀は政策金利および預金準備率の見通 しについては言及しなかった。

さらに、中国政府は価格統制を廃止し一部産業で仕入れコストの 上昇を容認することで、デフレのリスクを回避することが可能だとの 見方を示した。

世銀は、人民元が下落しても輸出需要を刺激する可能性は低く、 消費拡大にもつながらないと指摘。人民元相場は「中期的」に、同国 の経常収支黒字によって支えられるとの見通しを示した。今年の中国 輸出については減少を見込んでいる。

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