3月17日の海外株式・債券・為替市場

○米国株:米国株式相場は反発した。午前に発表された2月の住宅着 工件数が予想外に前月比で急増したほか、連邦公開市場委員会(FO MC)が18日の定例会合終了後に景気回復を目指す追加策の概要を 明らかにするとの観測が広がった。

米銀シティグループとJPモルガン・チェースはいずれも上昇。 KBW銀行指数は今月6日以来の値上がり率を46%に伸ばした。K Bホームを中心に住宅建設株が上昇。住宅関連用品小売りのホーム・ デポは大幅上昇した。米商務省が発表した2月の住宅着工件数は前月 比で22%急増した。増加率は1990年以来で最大だった。

この日はテクノロジー株も上昇した。上げをけん引したのはアッ プル。同社の携帯電話「iPhone(アイフォーン)」のソフトウ エアが更新されたことが好感された。

S&P500種株価指数は前日比3.2%高の778.12。ダウ工業株30 種平均は178.73ドル(2.5%)高の7395.70ドル。ナスダック総合指 数は4.1%上昇した。ニューヨーク証券取引所(NYSE)の騰落比 率は8対1。

ウエストウッド・ホールディングス・グループのファンドマネジ ャー、マーク・フリーマン氏は、「次から次へと悪材料が出てくるた め、市場はこれまで極端に圧迫されていた。こうした悪材料の流れが 止まっただけで、相場は相当な水準まで戻すことが可能になった」と 語った。

S&P500種は年初来では依然マイナス。金融機関の損失が拡大 し、一部は国有化を免れないとの懸念が強まるなか、14%下げている。

FOMC

市場参加者の間では、FOMCが現在6000億ドル規模の住宅ロ ーン担保証券(MBS)およびその他資産の購入プログラムについて、 実施ペースの加速および規模拡大を検討するとの観測が強まっている。

アナリストや投資家は、前回のFOMC以降、景気や雇用状況が 一段と悪化していることからバーナンキ米連邦準備制度理事会(FR B)議長がより積極的な姿勢を示す可能性があると指摘する。

ルースホールド・ウィーデン・キャピタル・マネジメントのポー トフォリオマネジャー、エリック・ビョルゲン氏は「バーナンキ議長 は景気浮揚に向けて応援団長のような役割を果たしている。18日の FOMC後の声明にはある程度楽観的な語調になる可能性がある」と 語る。

JPモルガンはダウ工業株30種平均銘柄のなかで最大の上昇率 を記録。シティグループも上昇した。

住宅建設株

住宅建設のセンテックスが高い。S&P500種の住宅建築株価指 数は6.4%上げた。2月の住宅着工件数(季節調整済み、年率換算、 以下同じ)は58万3000戸と、前月比で22%急増し、ブルームバー グ・ニュースがまとめたエコノミストの予想中央値(45万戸)を大 幅に上回った。2月は特に集合住宅の着工件数が前月比で82%拡大 した。

ホーム・デポは6.7%上昇。ジェフリーズは同社の市場シェア拡 大を指摘、株式投資判断を「ホールド」から「買い」に引き上げた。

アップルは4.4%高。S&P500種の情報技術株価指数は3.9% の値上りだった。ネットワーク機器のシスコシステムズは4.5%高。 ゴールドマン・サックス・グループは、ブレードプラットフォームの 市場投入を理由にシスコ株を「コンビクション・バイ(強い買い推 奨)」リストに加えた。

○米国債:米国債相場は3日続落。株式相場の上昇に加え、社債発行 が増加したため、逃避資産としての米国債の魅力が薄れた。

米連邦公開市場委員会(FOMC)が17-18日の会合後の声明 で国債買い取りに関する詳細を発表するとの思惑から、長期債を中心 に上昇する場面もあった。製薬大手のファイザーは同業ワイス買収の 資金調達のため、総額135億ドルの社債を発行した。金融機関以外の 起債としては2月のロシュ・ホールディング以来で最大。

ドイツ銀行証券の米国債トレーディング責任者、ダン・オーラン ド氏は「企業活動が活発で、今週は起債が多い。それが米国債相場を 圧迫している」と指摘した。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後2時59分現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の3.00%。10年債(表面利率

2.75%、2019年2月償還)価格は12/32下げて97 27/32。30年債利 回りは4bp上昇の3.80%。

FOMC

FOMCが声明で一段と積極的な金融緩和への傾斜を示唆すると の思惑が流れた。バンク・オブ・アメリカ(BOA)傘下メリルリン チのシニア国債ストラテジスト、ジョゼフ・シャッツ氏はFOMCが 住宅ローン担保証券(MBS)買い取りをすでに発表している5000 億ドルから拡大する可能性が高いと指摘した。

ゴールドマン・サックス・グループはFOMCが国債購入計画を 発表する可能性は低いとみている。

ゴールドマンのシニア米国エコノミスト、エドワード・マッケル ビー氏は16日夜に顧客に配布したリポートで「米国債買い取りは以 前よりも妥当性が高まっていると判断する根拠は複数ある。しかしな がらFOMCはこの一歩を踏み出すのに乗り気ではないようだ」と記 述している。

ファイザー

ファイザーの起債に詳しい関係者によれば、同社が発行した社債 の表面利率(発行価格)はベンチマーク(基準)を1.95-3.45ポイ ント上回った。発行した社債の年限は2、3、6、10、30年の5本。

機関投資家向け資産運用最大手のステート・ストリートは早けれ ば17日中にも米連邦預金保険公社(FDIC)保証債を24億5000 万ドル相当発行する。募集に詳しい関係者が明らかにした。

起債する企業は米国債を売って、発行する社債の利回り上昇に備 える。起債が終わると、米国債を買い戻すことが多い。

キャンター・フィッツジェラルド(ニューヨーク)の金利責任者、 ブライアン・エドモンズ氏は「ファイザーの起債に絡んで多くの思惑 が流れた。起債に備えた米国債売りが前日に下落した一因だったが、 この日は起債終了に伴い米国債を買い戻す動きが出た」と語った。

前日、10年債利回りは6bp上昇と、過去1週間で最大の上げ。 30年債は8bp上昇した。

クリス・アーレンズ氏率いるUBSのストラテジストは顧客向け リポートで、ファイザーの起債について、米企業が過去最高に膨らむ 国債にどのように対応しようとしているかを示していると指摘。「起 債サイクルは2部構成になってきた。月のうち2週間は財務省のミ ニ・リファンディング、残る2週間は投資適格級の格付けを付与され た企業が起債する」と解説した。

財務省は先週、630億ドル相当の中長期国債を発行。ライトソン ICAPによると、来週は990億ドル相当の国債を発行するとみられ る。

国債下落見通し

JPモルガン・チェースの週間顧客調査によれば、米国債に対す る楽観的な見方は今週、後退した。中期国債相場の上昇を予想する回 答は差し引きで32%と前週の40%から低下。2月9日の週以来で最 低となった。

米労働省が発表した2月の生産者物価指数(PPI)全完成品は 前月比0.1%上昇した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノ ミスト予想中央値は0.4%の上昇だった。

○NY外為:ニューヨーク外国為替市場では円が対ユーロで今年最安 値付近で推移。米住宅着工件数の予想外の急増をきっかけに米国株式 相場が上昇、日本の投資資金が高利回り資産に向かうとの観測が強ま った。

住宅不況底入れの期待から安全資産への逃避需要が後退し、ドル は主要通貨の大半に対して下落した。円は韓国ウォンとメキシコ・ペ ソに対して1.5%を超える下げとなった。

ミレニアム・アセット・マネジメント(ロンドン)で140億ドル の資産運用に携わるリチャード・ベンソン氏は、「リスク資産は底打 ちしたようだ」と語る。「リスク資産が連続して値を戻すのが可能に なってきた。当社は円をショート(売り持ち)にしている」と述べた。

ニューヨーク時間午後3時38分現在、円は対ユーロで前日比

0.7%下げて1ユーロ=128円21銭(前日は同127円32銭)。前日は 昨年12月29日以来の安値となる同128円73銭に下げていた。ドル は対ユーロで0.3%下げて1ユーロ=1.3003ドル(前日は同1.2968 ドル)。前日は2月10日以来の安値となる同1.3072ドルを付けてい た。円の対ドル相場は1ドル=98円58銭と、前日の同98円18銭か ら0.4%の円安。

対ドルでの値上がり率が最大だったのは韓国ウォン。韓国の貿易 黒字拡大を受け、国内銀行が対外債務返済に苦慮するとの懸念が後退 した。ウォンは一時、1.7%高の1ドル=1396.97ウォンまで上昇し た。

日銀の劣後ローン

円は対韓国ウォンで2.6%安。メキシコ・ペソに対しては1.9% 下げた。日本銀行の白川総裁は記者会見で、銀行の資本増強を支援す るための劣後ローンについて、できるだけ早い時期に詳細を公表する と述べた。

日本政府は昨年12月、最大で12兆円の優先株を買い取ると表明。 日銀は2日間の政策協議を18日に終える。

三菱東京UFJ銀行の為替ストラテジスト、リー・ハードマン氏 (ロンドン在勤)は、「結局のところ、日銀はどんどん積極的になっ ていく」と指摘。「これが円を圧迫している」と付け加えた。

過去1カ月間でみると、円は主要16通貨すべてに対して下落。 日本のリセッション(景気後退)深刻化を背景に、メキシコ・ペソに 対しては11%、ドルに対しては6.3%下げた。

ロイヤル・オーク・キャピタル・マネジメントの最高投資責任者 (CIO)、ジェイソン・ドー氏(ワシントン在勤)は、「対円でのド ル・ロング(買い持ち)が有望だ。円ショートのリスクに対するリタ ーンは非常に高い」と述べた。

ユーロは対円で4日続伸。ドイツの欧州経済研究所センター(Z EW)が17日発表した3月の独景況感指数(期待指数)は予想に反 して5カ月連続で改善した。

ユーロは対ドルで100日間移動平均の1ユーロ=1.3057ドルを 上抜けなかった。前日の市場では2月10日以降で初めて1.30ドルを 突破。先週1週間では2.2%上昇し、昨年12月以来で最大の値上が りとなっていた。

スタンダード・バンクの通貨ストラテジスト、スティーブ・バロ ウ氏(ロンドン在勤)は、「ユーロはドルと円に対し、上値が重くな ってきている。いったん130円に上昇したら下げ始めるかもしれな い」と述べた。

○英国債:英国債相場は下落。10年債利回りは前日比3ベーシスポ イント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.07%。

同国債(表面利率4.5%、2019年3月償還)価格は0.32ポイン ト下げ112.22。2年債利回りは2bp上昇し1.47%となった。

英公債管理局(DMO)はこの日、12億ポンド相当の国債 (2025年償還)入札を実施した。応札倍率は1.57倍だった。

○欧州債:欧州債相場は3営業日連続で下落。3月の独景況感指数が 予想に反して改善し、約2年ぶりの高水準となったことがきっかけと なった。

株式相場の上昇を受けて、独10年債利回りは5週間ぶり高水準 に近づいた。ドイツの欧州経済研究所センター(ZEW)は17日、 3月の景況感指数(期待指数)がマイナス3.5と前月のマイナス5.8 から上昇し、2007年7月以来の高水準になったと発表した。

INGグループの投資適格級債券ストラテジー責任者(アムステ ルダム在勤)、パドライク・ガービー氏は、「ZEWの指数は予想より も良かった。これはリスク回避の後退と国債からの資金流出といった 現在の流れに一致するものだ」と説明した。

ロンドン時間午後6時11分現在、独10年債利回りは前日比5ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇し3.19%。2 月12日以来の高水準まで1bpに迫った。同国債(表面利率3.75%、 2019年1月償還)価格は前日比0.39ポイント下げ104.63。独2年債 利回りは1.41%と、前日を6bp上回った。

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