日銀:銀行の資本増強支援で劣後ローンの供与検討-1兆円(2)

日本銀行は17日、政策委員会を開 き、金融危機で財務内容が悪化した銀行の資本増強を支援するため、 劣後ローンの引き受けを検討すること決定した、と発表した。大手銀 行など国際業務を展開する銀行が対象で、貸付総額は1兆円を上限と する。あらためて政策委員会を開き、基本要領を決定する。

銀行の保有株が値下がりすれば自己資本が目減りし、貸し渋りな どで企業の資金繰りに影響を与える恐れがある。政府は昨年12月に金 融機能強化法を改正、公的資金注入を促してきたが、銀行は政府の関 与を嫌って消極的で、申請したのは第2地銀3行にとどまる。日銀は 銀行が利用しやすい制度を用意し、政府の金融安定化策を補完する。

銀行は劣後ローンの発行額の一部を自己資本に組み入れることが 認められており、株価下落による自己資本比率の低下を補える。劣後 ローンは通常の借入金や社債に比べ返済順位が低い代わりに、利率が 高く設定されている。銀行が破綻(はたん)した場合の返済順位は低 く、日銀が損失を被るリスクは高い。

日銀は銀行保有株式の変動リスクを軽減するため、1兆円を上限 に銀行保有株式の購入を再開した。しかし、現在の株価水準で株式を 時価で売却すると損失が確定するため、多くの銀行は売却をちゅうち ょしており、10日時点の購入実績は約1億円にとどまっている。日経 平均株価の17日終値は前日比244円98銭高の7949円13銭。

株安が銀行経営全般に悪影響

中央銀行が民間金融機関の資本の一部を引き受けるのは異例。日 銀は声明で「国際金融資本市場における緊張の持続や内外経済環境の 悪化を背景に、有価証券関係損失や信用コストが増加するなど、金融 機関経営全般に悪影響が及んできている」と指摘。「金融機関が十分な 自己資本基盤を維持し得る手段を整えることにより、円滑な金融仲介 機能を確保する」としている。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、銀行の自己資本の「補 完的項目となる劣後ローンの拡充も銀行にとってはプラスになり、条 件が良ければ検討の余地があるだろうが、(中核的資本である)TIE R1を重視する流れが強まっている中では、実際にどの程度手を上げ るかは不透明だ」としている。

日銀の発表によると、対象は「自己資本比率規制上の国際統一基 準行(銀行)で、日本銀行が適当と認めた先」。貸付総額の一定割合な ど、1行当たりの貸し付けに何らかの上限を設定する。利率は市場実 勢を勘案し、日銀が定める。貸付期間は今後検討する。

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