天然ガス生産で続くカタールの繁栄-労働者はドバイからドーハへ

アラブ首長国連邦(UAE)のド バイが香港島の2倍の規模のウオーターフロント開発計画を縮小する なか、同じくペルシャ湾岸にあるカタールのドーハ沖では、約3万人 の労働者が、「パール」と呼ばれる140億ドル(約1兆4000億円)規 模の高級住宅建設プロジェクトで働いている。

パールでは、人工島に建設された最高価格140万ドルの分譲マン ションへの入居が今夏、始まる予定だ。ペルシャ湾を望むマリーナで は、ソニアリキエルやステファノリッチなどの有名ブランドのブティ ックが既に営業を始めている。停泊中のヨットが並ぶマリーナからは、 空に向かって伸びるクレーンが稼働する建設現場が遠くに見える。

ペルシャ湾岸諸国の中で最も高い経済成長率を示す天然ガス埋蔵 国カタールは、金融地区や国際空港の新設などのプロジェクト向けに 今後3年間で1000億ドル以上を投資する予定だ。一方、金融と観光に 依存するドバイは不動産価格の暴落による打撃を受けている。

フランスの高級品デザイン会社、シャーリー・デザイナー・スト ュディオのライオネル・シャーリー会長はパリからのインタビューで 「カタールは何も問題を抱えていないようだ。資金もある」との見方 を示す。同会長は昨年12月にドバイを訪問し、事業を行わないことを 決めた。カタールのパールでの事業の入札に参加し、ドーハで事務所 を開設する計画だ。「ドバイでは皆、危機について話している」と語っ た。

カタールの面積は米コネティカット州を下回り、人口は約100万 人。2008年の1人当たりの国民所得は10万1000ドルと、リヒテンシ ュタインに次ぎ世界2位だった。原油相場が昨年7月に付けた1バレ ル当たり147ドル超から47ドル近辺まで下落したものの、カタールは 近隣諸国ほど相場下落による打撃を受けていない。政府が25年前に示 した方針が功を奏しているからだ。その方針とは、天然ガス生産の推 進だ。

LNG輸出国

カタールは現在、世界最大の液化天然ガス(LNG)輸出国とな っている。LNGの大半は25年契約で販売され、再交渉は可能だが原 油ほど相場変動性が高くない。原油相場が昨年7月以降68%下げる一 方、日本向けLNG価格の下落率は13%にとどまっている。

カタールは、ロシア、イランに次ぐ世界3位の天然ガス埋蔵国。 LNG生産を2倍以上に拡大し、11年には年産7700万トンとする計 画だ。国際通貨基金(IMF)によると、カタールの向こう3年間の ガス販売収入は1530億ドルを超える見通し。

英銀HSBCホールディングスのドーハ部門によると、カタール 政府は引き続き財政黒字を計上する見込みで、計画している投資のう ち60%の資金調達が可能とみられる。

-- With reporting by Tim Barwell in London. Editors: Anne Swardson, Peter Hirschberg

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