資金調達ひっ迫緩和でドル高一服か-FRBの長期国債購入姿勢に注目

米国ではきょうから2日間の日程 で連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれる。信用危機沈静化に向 けた一段の金融緩和策に注目が集まるなか、米連邦準備制度理事会(F RB)が長期国債の購入に踏み切れば、スワップ市場での長めのドル 資金調達のひっ迫感が和らぎ、外国為替市場でもドル高の流れがいっ たん終わりを迎える可能性がある。

ソシエテ・ジェネラル銀行外国為替本部長の斉藤裕司氏は、「信 用収縮が続くなか、決済通貨であるドル不足が中長期ゾーンに及び、 2月下旬以降は5年物のベーシス・スワップのマイナス・スプレッド が急拡大していた。しかし、足元では一服感も出始めており、FOM Cが長期国債の買い入れを決めた場合には、ドル資金調達のひっ迫感 がかなり落ち着いてくる」と指摘。「そうなればドル買いの要因も少 なくなり、ドルは緩む可能性がある」と語る。

ベーシス・スワップは、ドルLIBOR(ロンドン銀行間取引金 利)と円LIBORなど種類の異なる変動金利を交換する契約。マイ ナス・スプレッドは円などの外貨をドルに換えるために支払われるプ レミアムを示し、マイナス幅の拡大はドル資金需要が相対的に強まっ ていることを表す。

スプレッド拡大とドル高

ブルームバーグ・データによると、ドル・円の5年物のベーシス・ スワップのマイナス・スプレッドは2月末に86.1ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)まで拡大し、データがさかのぼれる 1997年6月以降の最大を記録。ユーロ・ドルとポンド・ドルの5年物 ベーシス・スワップのスプレッドも今月初旬にかけ、それぞれ同99 年と97年の1月以降で最大の水準まで拡大していた。

斉藤氏は、「これだけベーシス・スワップが急落していれば、高 い金利を払ってドルを調達するよりも、為替リスクをとってキャッシ ュでドルを買った方がいいと考える金融機関があってもおかしくない。 最近は仕組み債の解約といった話もよく聞かれ、資金を引き揚げられ た金融機関が新たに資金を調達できず、保有資産を売却して、それに よって得た資金をドルに換えていた可能性もある」と語る。

実際、マイナス・スプレッドの急拡大に伴い、外国為替市場では ドル高が加速。主要6通貨に対するインターコンチネンタル取引所(I CE)のドル・インデックスは今月4日に89.62と2006年4月以来の 最高値に達した。

一方、足元ではマイナス・スプレッドの拡大も一服。ドル・円の ベーシス・スワップは、米有力ファンド、ロングターム・キャピタル・ マネジメント(LTCM)の実質破たんをきっかけに信用収縮が広が った98年秋の水準をなお大きく上回っているものの、17日には一時

53.9bpまでマイナス幅が縮小。ドル・インデックスも86台まで低下 している。

斉藤氏は、信用収縮不安が完全に払しょくされたわけではないが、 来月に20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)を控え、「各 国の金融・財政政策が出そろってきていることもあり、過度の不安感 は後退している」と指摘。そうしたなか、「FOMCが長期国債購入 の意向を示すだけでも一段の安心感につながり、ベーシス・スワップ のスプレッドは縮む可能性がある」とみている。

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