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積極財政出動に麻生首相が理解-追加経済対策へ有識者会合スタート

政府・与党が検討している追加経 済対策に役立てるために発足した有識者会合が16日、スタートした。 首相官邸で開かれた初会合にはエコノミストや学識経験者8人が出席し 、経済・財政運営について提言を行った。リチャード・クー野村総合研 究所主席研究員は公共事業を柱とする積極財政出動の有効性を強調し、 麻生太郎首相は理解を示した。

初会合では公共事業による財政出動をめぐり、深尾光洋慶応大商 学部教授が「価値のあるものであればどんどんやるべきだが、価値の ないものというか、あとあと箱だけ残って維持費がかかってしまうよ うなものは、むしろ非常に無駄だ」と述べるなど、慎重に内容を精査 するよう求める声が多数を占めた。

これに対してクー氏は「この種の不況では金融緩和・規制緩和・減 税は短期的な効果は期待できない。継続的な政府支出の拡大、これが効 果を持つ」と強調。「環境アセスメント(評価)が終わっていても、金 がついていないプロジェクトが地方にある」と指摘し、地方の公共事業 推進を求めた。

クー、フェルドマン両氏が応酬

一方、ロバート・フェルドマンモルガン・スタンレー証券経済調査 部長は「生産性につながらない形の需要喚起であれば残るのは負債だけ だ」と述べ、農業の改革や医療のIT化などを提唱した。

河野龍太郎BNPパリバ証券チーフエコノミストは「危機対策とし てある程度の拡張財政を容認せざるを得ないが、需給ギャップすべてを 財政で穴埋めすることは不可能だ。医療・介護など成長分野で規制緩和 を進めるべきだ」と語り、大幅な支出増加に警鐘を鳴らした。

また、クー氏が「マクロを無視して長期的な話ばかりしていても足 元が崩れてしまっては」と語り、公共事業の重要性を重ねて強調すると、 フェルドマン氏が「長期のことこそマクロだと思う。クーさんがおっし ゃっているようなことはよく理解できる。傷口が大きくならないよう にすることは絶対必要だが、サプライサイド政策こそが需要創造だ」 と反論する一幕もあった。

麻生首相は会合の終わりに、「公共工事はこの8年間、地方で32 兆円あったのが15兆5000億円ぐらいになっている。間違いなく地方 は活力が落ちた」と指摘。「地方は公共工事の計画を持っている。間違 いなく、きちんとした需要、雇用という面で目先の対策になる」と語り、 公共事業の効果を訴えるクー氏の主張に賛同した。

有識者会合は世界的な金融危機に伴う景気悪化を受けて発足。初会 合は記者団に公開された。

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