米国の恐慌突入懸念は後退-バーナンキFRB議長発言や株価反発で

昨年11月以降で最大の上昇となった 先週4日間の米株式相場の急反発や、バーナンキ米連邦準備制度理事会 (FRB)議長の発言を受け、米国が70年ぶりに恐慌に突入するとの懸 念は後退した。

ハリス・プライベート・バンク(運用資産600億ドル)の最高投資 責任者、ジャック・エイブリン氏は「金融崩壊とそれに伴う恐慌突入の シナリオは払しょくされた」と述べ、「問題の核心は銀行システムであり、 同セクターから発せられたニュースは、峠を越えた可能性を示唆してい る」と指摘した。

この1週間で米銀大手のシティグループやバンク・オブ・アメリカ (BOA)、英銀大手のバークレイズが相次ぎ、年初以降に利益が増加し たとの見解を表明。政府統計で6カ月にわたって低迷した米小売売上高 が落ち着きつつある可能性も示されている。バーナンキFRB議長はC BS放送の番組「60ミニッツ」で、景気を回復させる上で最大のリスク は政治的意思の欠如だとの見解を示した。

16日の米株式市場では、S&P500種株価指数は一時、前週末比

2.4%高まで上昇した後、同0.4%安で終了したものの、先週1週間では 11%上昇し、週間ベースで今年最大の値上がりを演じた。

銀行の不良債権処理

アナリストらによると、米国の雇用市場が最悪期を通過するまでに はしばらく時間がかかる可能性が高く、商業用不動産やレバレッジド・ ローンなどの投資に絡んだ銀行の損失はなお増加する公算が大きい。バ ーナンキFRB議長は先週、失業率が1983年以来となる10%超の水準 に達することは「十分に可能性がある範囲だ」との認識を示している。

こうしたなか米財務省は今週、住宅ローン担保証券などの不良資産 を銀行のバランスシートから外すための1兆ドル規模の計画について詳 細を公表する方針。FRBも今週、消費者や企業向けローンを裏付けと した資産担保証券市場の活性化に向けた1兆ドル規模のプログラムの第 1段階を開始する予定だ。

ジェサップ・アンド・ラモント・セキュリティーズのグローバル債 担当マネジング・ディレクター、ガブリエル・ボレンスタイン氏は、米 財務省およびFRBの措置と7870億ドルの景気対策を組み合わせると、 米国の金融・財政措置の規模と経済全般への効果は「仰天するような」 ものになると指摘。同氏は、一連の対策が「失敗することはないだろう」 と述べ、「効果が出なければ、米国はゴビ砂漠になってしまう」と語った。 同氏は2005年6月に「深刻なリセッション入り」を予測していた。

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