民主「次の内閣」財務相:公共事業より環境など重点を-経済対策(2)

民主党の中川正春「次の内閣」 財務相は、追加的な経済対策の一環として政府・与党が検討している 道路整備などの公共事業の大幅な積み増しについて、環境などの成長 分野への投資を重点的に行うべきだとの理由から否定的な考えを表明 した。

13日に行ったブルームバーグ・ニュースのインタビューで中川 氏は、公共事業の追加について「われわれと相いれない、また昔に戻 るようだ」と批判した。その上で、「生活関連とか先端技術とか環境 とか、これからの日本の産業構造を見て投資していく、財政出動して いくということでないとお金は生きない」と強調した。

民主党は秋までにある総選挙で政権を獲得した場合、今後4年間 で直接の財政出動を伴う「真水」で57兆円の経済対策を実行する方 針を掲げる。揮発油税などの暫定税率廃止や高速道路無料化、農家へ の戸別所得補償などが柱だが、加えて「環境のニューディール」「安 心・安全のニューディール」をテーマにした追加的な対策も検討して いる。

これに対し、麻生太郎首相は13日、与党に追加的な経済対策の 策定を指示。その後、記者団に対し、道路整備を例に挙げ、複数年度 にわたる計画を含めて検討していることを明らかにしている。首相は 15日のNHK番組でも、「『公共工事=悪』といった一般のイメー ジがあったが、この8年間で公共工事は約半分に減っており、地方経 済の落ち込みを招いた」と述べ、公共事業積み増しの必要性を指摘し た。

中川氏は追加対策について「新しい産業への思い切った投資策を 考えていく」と指摘。具体的には家庭で充電できる電気自動車の普及 や人工臓器の開発支援などを挙げた。財源としては日本政策投資銀行 を通じた財政投融資資金を活用する考えも示した。

公共事業への財政出動をめぐっては、16日に首相官邸で開かれ た経済危機克服のための有識者会合でも賛否両論が出た。リチャー ド・クー野村総合研究所主席研究員は「今の景気の落ち込みというの は想像を絶するスピードだ。無駄かもしれないと言われた部分も先に やって、それ以上傷口が広がらないようにする方がはるかに安くつ く」と発言した。

これに対して深尾光洋慶応大商学部教授は「財政による不況対策 は、雇用対策と職業訓練に集中するのが効果的でコストも低く、公共 投資をするより費用対効果が高い」と主張した。

機構への株売却損失、資本注入で実質補てんも

中川氏はまた、中小企業の資金繰り対策について「いろんな枠組 みは作ったが、銀行がリスクを取って中小企業に貸し出しているかと いったら、していない。そういう所にどうやってリスクを取らせるか ということが課題だ」と問題点に言及した。

その上で、金融機関が銀行等保有株式取得機構に株式を売却する 際に損失が発生する場合が多い状況を踏まえ、「損切りした部分につ いては強制的な資本注入にまで踏み切る必要があるのではないか」と 述べ、特に地方銀行を対象に公的資金を強制注入することにより自己 資本が毀損(きそん)した分を実質的に補てんすることを提唱。地域 金融機関が中小企業への融資をしやすくする環境を整える必要性を訴 えた。

--共同取材:河野敏、Editor: Hitoshi Sugimoto, Keiichi Yamamura, Kenshiro Okimoto

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