3月16日の海外株式・債券・為替市場

○米国株:米国株式相場は5営業日ぶりに下落。堅調に推移していた 金融株はクレジットカード利用者のデフォルト(債務不履行)増加懸 念が売り材料となり下落に転じた。メモリーカード大手サンディスク を中心にテクノロジー株も低迷した。

クレジットカード大手のアメリカン・エキスプレスは下落。一時 は8.1%高まで買い進まれたが、同社が発表したリポートで2月のカ ード返済の滞納率上昇が示されると売りを浴びた。サンディスクも大 幅安。バンク・オブ・アメリカ(BOA)が同社株を売り銘柄に指定 したのが影響した。

米国株は取引終盤まで、ほぼ終日を堅調に推移していた。20カ 国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議が不良資産処理の進展に 向け決意を表明したことに加え、バーナンキ米連邦準備制度理事会 (FRB)議長がリセッション(景気後退)が年内に終わる可能性に 言及したことで買いが先行していた。英銀バークレイズが2009年の 滑り出しは好調と発表したことも好感された。

S&P500種株価指数は前週末比0.4%安の753.89。ダウ工業株 30種平均は7.01ドル(0.1%)安の7216.97ドル。

MTBインベストメント・アドバイザーズ(ボルティモア)のシ ニア投資責任者ウィリアム・ドゥワイヤー氏は、「経済問題への取り 組みが効果を表しているとの確信を投資家が一段と強く持たない限り、 安心買いは続かない」と語った。

アメリカン・エキスプレス

アメリカン・エキスプレスが安い。同社の発表によると、2月末 時点で30日以上返済を延滞しているクレジットカードローン利用額 の比率は5.3%と、12月(4.7%)と1月(5.1%)よりも高かった。

S&P500種金融株価指数は1.9%下落。産業別10指数のうち、 下落率が最大だった。JPモルガン・チェースは2.8%安。シティグ ループは一時51%高まで買い進まれたが、その後は31%高まで上げ 幅を縮小した。BOAは7.3%上昇して取引を終えた。

この日の金融株価指数は最大5.8%まで値上りしたが、取引終了 前90分で下げに転じた。先週のS&P500種金融株価指数は34%高 と、同指数の集計が開始された1989年以来で最大の上げだった。シ ティやBOA、JPモルガンが1-2月に業績が黒字に転換したこと を明らかにしたのが好感された。

サンディスクが安い

サンディスクは11%安。BOAは同社株の投資判断を「アンダ ーパフォーム」で据え置いた。余剰生産能力に対する懸念が背景。

S&P500種のテクノロジー株75銘柄で構成される株価指数は

1.7%安。半導体最大手インテルは3.1%値下がりした。ナショナ ル・セミコンダクターも安い。

米携帯電話事業者3位のスプリント・ネクステルが下落。ワコビ ア・セキュリティーズが同社の解約増加と売上高減少を理由に株式投 資判断を引き下げたのが嫌気された。

住宅建設株

住宅建設株も軟調だった。午後に入り全米ホームビルダー協会 (NAHB)とウェルズ・ファーゴが発表した3月の米住宅市場指は 前月比変わらずの9と、過去最低の8に近い水準だった。住宅市場の 低迷には回復の兆しがまだ見えてこない。

KBホームは6.3%安、レナーも7.7%値下がりした。

米連邦準備制度理事会(FRB)が発表した2月の米鉱工業生産 指数(製造業、鉱業、公益事業の生産を対象、季節調整値、2002年 =100)は、前月比1.4%低下した。ブルームバーグ・ニュースがま とめたエコノミスト予想中央値は1.3%低下だった。

ニューヨーク連銀が発表した3月の同地区の製造業景況指数は 2001年の統計開始以来で最低だった。

○米国債:米国債相場は下落。30年債利回りはほぼ4カ月ぶりの高 水準を付けた。信用危機が終息に向かっているとの思惑から安全資産 としての需要が減退した。

英銀バークレイズが2009年の滑り出しは好調と発表したことが 国債売りを誘った。20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会 議は不良資産処理の進展に向け決意を表明。バーナンキ米連邦準備制 度理事会(FRB)議長はリセッション(景気後退)が年内に終わる 可能性があると発言した。同議長のインタビューは15日夜にCBS の番組「60ミニッツ」で放映された。

ICAP(ニュージャージー州ジャージーシティー)のストラテ ジスト、ポール・ホーマン氏は「国債市場は利回り上抜けの理由を求 めている。バーナンキ議長のインタビューは明るい内容で、市場の信 頼感が大きく回復した」と述べた。

BGキャンター・マーケット・データによると、ニューヨーク時 間午後4時21分現在、10年債利回りは前週末比6ベーシスポイント (bp、1bp=0.01ポイント)上昇の2.96%。10年債(表面利率

2.75%、2019年2月償還)価格は17/32下げて98 1/4。30年債利回 りは9bp上昇の3.76%。一時は3.82%と、昨年11月20日以来の 水準に上昇する場面もあった。

株高

ロンドン株式市場でバークレイズは23%急伸。シティグループ やバンク・オブ・アメリカ(BOA)のように年初からの業績が黒字 に転換したことを発表した。

MSCI世界指数は1.1%上昇。前週は8.5%高だった。S&P 500種株価指数は一時2.4%高になった後、0.4%安で終えた。

国債買い取り

FRBは17日から2日間の日程で米連邦公開市場委員会(FO MC)を開催する。期間の長い国債を買い取るかどうかについて詳細 を発表する可能性がある。1月28日の会合では「効果的と判断すれ ば、期間の長い米国債を購入する用意がある」との認識をあらためて 示した。

みずほ証券USA米国債トレーディング責任者、セオドア・エー ク氏は「FOMC声明が今週の最重要点になるだろう」と指摘した。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁は6日の講演で、政府による国 債買い取りについて、信用ひっ迫の緩和に向けた「最も効果的な措置 ではない」と述べた。

海外勢の米国債保有

米財務省が16日に発表した1月の対米証券投資統計によると、 米国債保有額では中国が122億ドル増の7396億ドルと首位を維持し た。続く日本は88億ドル増の6348億ドル。

一方、多数のヘッジファンドが法人登録しているカリブ海諸国は 209億ドル減の1766億ドルだった。

オバマ米大統領は14日、投資家は米国債への投資の健全性に 「絶対的な自信」を持つことができると断言した。中国の温家宝首相 は先週、中国が保有する米国債に「懸念」を抱いていると発言し、米 国債投資が安全であるとの確約を求めた。

モルガン・スタンレーの米国債・機関債チーフストラテジスト、 ジョージ・ゴンキャルベス氏はブルームバーグテレビジョンとのイン タビューに応じ、「中国は今回の信用収縮期に一貫して米国債を買い 増してきた。積み上がった大量の米国債は、最近の発言が単なる誇張 した言い回しにすぎないことを示唆している」との見方を示した。

○NY外為:ニューヨーク外国為替市場ではユーロが対ドルで上昇。 世界的に株価が上昇したほか、20カ国・地域(G20)財務相・中央 銀行総裁会議が国際通貨基金(IMF)の財源倍増に向けて取り組む と表明したことから、ユーロはこの3カ月で最長の5日連続で上昇し た。

スイス・フランは対ユーロでほぼ3カ月ぶり安値。スイス中央銀 行が先週、フラン上昇抑制を狙い外貨買い介入に踏み切ったことが影 響した。ドルは韓国ウォンとスウェーデン・クローナに対して1カ月 ぶり安値。低流動資産や低利回り資産を敬遠する動きが後退した。

モルガン・スタンレーの上席通貨ストラテジスト、ロン・リーベ ン氏(ニューヨーク在勤)は、「これまでユーロ相場に重くのしかか っていたのは東欧諸国へのかかわりがもたらす影響だった」と指摘。 「IMFがこれらの国を助ける財源が確保できるのならば、少なくと も東欧諸国由来のリスクは低減、先延ばしされ、ユーロには明るい材 料だ」と説明した。

ニューヨーク時間午後2時58分現在、ユーロは対ドルで0.4% 上昇して1ユーロ=1.2980ドル(13日は同1.2928ドル)。先週1週 間では2.2%上昇し、2月上旬以来で初めて週間ベースでプラスとな った。モルガン・スタンレーのリーベン氏はユーロは今年、1ユーロ =1.40ドルに上昇すると予想している。対ドルでの円相場はこの日、

0.3%下げて1ドル=98円25銭(13日は97円95銭)。対ユーロでは

0.7%安の1ユーロ=127円55銭で推移している。13日は同126円 65銭だった。

ユーロは一時、2月10日以来で初めて1ユーロ=1.30ドルを突 破した。週末に英国で開催されたG20は世界的なリセッション(景 気後退)から脱却するための「継続的」な努力を約束。またIMFの 資金を倍増し、少なくとも5000億ドルに拡充することも表明した。

G20の恩恵

JPモルガン・チェースの外為戦略グローバル責任者、ジョン・ ノーマンド氏(ロンドン在勤)は14日のインタビューで、G20声明 によって今週、一番の恩恵を受けるのはユーロとスウェーデン・クロ ーナだと述べた。

同氏は、「欧州で個別国の資金状況が危機に陥るリスクに対し、 ユーロとスウェーデン・クローナが最もヘッジに使われる」と指摘。 「G20がIMFの資金増強を表明したため、危機のリスクは著しく 低下した」と付け加えた。

スウェーデン・クローナは対ドルで一時、2.5%上昇し、2月16 日以来の高値である1ドル=8.4096クローナを付けた。対ユーロで は1.3%高の1ドル=10.9959クローナ。

ブライアン・キム氏率いるUBSの通貨ストラテジストチームは 16日付のリポートで、大量のユーロ売り注文が設定されていた1ユ ーロ=1.2992ドルをユーロが上抜けたことで、次の上値抵抗線の同

1.3093ドルまで上昇の余地が出てきたと指摘した。その次の上値抵 抗線は同1.3179ドルという。

円とドルは下落

円とドルはすべての主要通貨に対して下落。米国株式市場でS& P500種株価指数が上昇していることから、安全資産としての円とド ルへの買いが鈍った。英銀3位のバークレイズはこの日、今年の同行 業績が好調だと表明。米シティグループやドイツ銀行、バンク・オ ブ・アメリカ(BOA)に続いた。

主要6通貨に対するICE先物取引所のドル指数は86.46に低下 し、2月23日以来の最低を付けた。同指数は3月4日に89.62に上 昇し、2006年4月以来の高水準を記録。この水準からは3.3%下げて いる。

○英国債:英国債市場では国債相場が下落。英銀3位のバークレイズ が2009年は「力強い滑り出し」となったと明らかにしたことを受け てリスク志向が回復し、株式相場が上昇したことがきっかけ。

10年債利回りは前週末比9ベーシスポイント(bp、1bp=

0.01%)上昇の3.04%。同国債(表面利率4.5%、2019年3月償 還)価格は0.86ポイント下げ112.46。2年債利回りは10bp上昇し

1.49%となった

2年債に対する10年債の上乗せ利回りは3営業日連続で縮小し 153bpとなった。1週間前は178bp。

○欧州債:欧州債相場は下落。株式相場の上昇を受けて、安全投資と しての国債需要が減少した。

独2年債利回りは1カ月ぶりの高水準に近づいた。20カ国・地 域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の共同声明で、景気回復に向け て対策を講じる決意が示されたほか、石油輸出国機構(OPEC)が 生産枠の据え置きを決定したことが背景。アジアと欧米の株式相場が 上昇したことを受け、MSCI世界指数は5営業日連続高となってい る。

ウニクレディト・マーケッツ・アンド・インベストメント・バン キング(フランクフルト)の債券ストラテジスト、コーネリアス・パ ープス氏は、「欧州の株式は総じてプラス圏にある。好調な投資家心 理が今週も継続しており、これが国債相場への重しとなっている」と 指摘した。

ロンドン時間午後4時8分現在、独10年債利回りは前週末比9 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01ポイント)上昇し3.15%。 同国債(表面利率3.75%、2019年1月償還)価格は0.75ポイント下 げ105.01。独2年債利回りは1.36%と、前週末を3bp上回った。

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