月例報告:6カ月ぶり判断据え置き-景気は急速な悪化で厳しい(2)

与謝野馨経済財政担当相は16日夕、 3月の月例経済報告を関係閣僚会議に提出した。景気の現状は「急速 な悪化が続いており、厳しい状況にある」と前月と同様の認識を示し、 6カ月ぶりに基調判断を据え置いた。個別項目では唯一、企業収益の 判断を下方修正した。

企業収益については、財務省が5日発表した法人企業統計で金 融・保険業を除く全産業の経常利益が前年同期比64.1%減少するなど 大幅な減少があらためて確認されたことを受け、「極めて大幅に減少し ている」とし、前月の「大幅に減少している」から3カ月ぶりに判断 を引き下げた。

景気の先行きについては、前月同様「当面悪化が続くとみられる」 とし、「急速な減産の動きなどが雇用の大幅な調整につながることが懸 念される」と指摘。さらに、株価が低迷していることを念頭に「世界 的な金融危機の深刻化や世界景気の一層の下振れ懸念、株式市場の変 動の影響など、景気をさらに下押しするリスクが存在する」との警戒 感を維持した。

与謝野経財相は同日夜の関係閣僚会議後の記者会見で、「政府とし ては景気の底割れを防ぐことが重要だ」と指摘。麻生太郎首相が先週 与党に追加的な経済政策を検討するよう指示したことにも触れ、「政 府・与党一体となって不安の連鎖の阻止に向けた対応を図りたい」と 述べた。

与謝野経財相は基調判断を据え置いた理由について「前月と同様 の悪化状況が続いているとの認識は政府として非常に厳しい判断だ」 と説明した。

一方、内閣府政策統括官付参事官の西崎文平氏は、基調判断が据 え置かれたものの、「これまでと同様のペースで悪化が続いている」と した上で、「決して下げ止まっているとか、良くなっているということ ではない」と強調した。個人消費は「緩やかに減少している」、輸出と 生産は「極めて大幅に減少している」、雇用情勢は「急速に悪化しつつ ある」とし、それぞれ前月の判断を踏襲した。

昨年10-12月期の日本の国内総生産(GDP)2次速報値は前期 比年率12.1%減と1次速報から小幅上方修正されたが、1974年1-3 月期の同13.1%減に次ぐ戦後2番目の減少率となった。麻生首相(自 民党総裁)は13日、自民、公明両党に追加的な経済政策を策定するよ う指示。4月2日の20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット) を前に骨格をまとめる見通しだ。

米景気後退は長期化も

海外経済では、米国経済について前月と同様、「景気は後退して おり、金融危機と実体経済悪化の悪循環により急速に深刻化している」 とした上で、先行きについては「悪循環が強まり、景気後退が一層厳 しく、長期化するリスクが高まっている」とし、今月は景気後退期間 が長引くとの見通しを新たに加えた。

内閣府の林伴子参事官(海外担当)は米国経済について、「4月を もって、戦後最長の景気後退になるのはほぼ確実」と述べ、その理由 として消費や設備投資など内需が落ち込んでいることに加え、景気回 復の前提となる金融市場の動揺が続いていることなどを挙げた。

一方、中国については、景気は一段と減速しているが、中国当局 による4兆元に上る景気刺激策の効果が一部に見られるとした前月の 判断を維持した。

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