2カ月TBが0.3%に接近、期末要因や増発懸念-3カ月も上昇見通し

財務省が実施した国庫短期証券 (TB)2カ月物入札は、落札利回りが実質的な上限である日銀補完貸 付(ロンバート型貸出)金利0.3%に接近した。3月決算期末を控えて 銀行が買いを手控えているうえ、高水準のTB発行が更に増額されるこ とへの懸念がくすぶっている。

TB11回債(償還5月7日)の最高落札利回りは0.2921%、平均 利回りは0.2864%と、10日入札の3カ月物の落札水準(最高0.2528%、 平均0.2492%)を上回った。応札倍率は3.86倍と、2カ月物としては 昨年4月以来の高水準。入札後は0.275-0.28%で推移した。

2カ月物は国庫の資金繰りに応じて年末や期末に単発で発行され、 3カ月物のように恒常的な購入者の乗り換え需要がない。償還日が5月 の連休明けに設定され、償還前に業者が投資家に売りづらい点も嫌気さ れたが、根本には大手銀行の需要の弱さが影響したようだ。

国内証券のトレーダーは、日銀オペの資金調達コストが安くても、 銀行は期末前で資産と負債を膨らませるような取引はしづらいようだと 指摘。あす入札される3カ月物についても、0.26-0.27%前後への利回 り上昇を見込んでいた。

TBとオペ金利かい離

12日のTB買い切りオペの応札が4倍超に膨らみ、ディーラーの 在庫の積み上がりが指摘された。日銀の潤沢な資金供給でレポ(現金担 保付債券貸借)や国債買い現先オペ、共通担保オペの金利は低位安定し ているが、TB利回りには波及していない。

この日の本店共通担保オペ8000億円(期日4月3日)の最低落札 金利は0.15%と、前回(期日4月2日)と横ばい。TB2カ月物利回 りの上昇にも反応しておらず、銀行がTBと日銀オペの裁定取引を行っ ていない証拠との見方も聞かれた。

国内大手銀行のトレーダーは、期末で買いづらい要因もあるが、発 行の多さに対する懸念も強いという。3カ月物は毎週5兆1000億円と、 量的金融緩和下の発行額に並ぶ。来年度はさらに膨らむとの懸念もあり、 期末を越えても利回りの低下余地は小さいとみられている。

23日に国債の大量償還を控えるが、日銀の国債買い切りオペ増額 観測を背景に中長期債の需要が強く、期間の短い債券への資金の流れは 不透明。この日は「償還資金の買いも入っていたようだが、市場全体の 需給を改善させるほどではない」(東短リサーチ・寺田寿明研究員)と いう。将来的なTB買い切りオペの増額を望む声も出ていた。

23日は要注意

TB利回りに上昇圧力がかかっても、資金調達コストが低位安定し ているため、ディーラーの在庫は期間収益(キャリー)が確保されてい る。4月に償還する期間の短い短期国債には期末対策の需要もあり、

0.22%付近で推移。5月償還銘柄に対して格差があり、ディーラーの在 庫入れ替えも指摘された。

ただ、レポが上昇するとディーラーの収益は急速に悪化するうえ、 期末を控えて警戒感が広がるリスクもある。国内証券のトレーダーは、 23日のレポは低位安定させる必要があるという。

23日は国債の大量償還で5兆円前後の資金余剰になるが、同時に 発行される国債も多い。TB2カ月物や3カ月物、1年物だけでも総額 9兆8000億円あり、利付国債の発行も含めて資金の受け払いが大きい ため、レポ市場に資金が流れづらくなるリスクもある。

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