米株底打ちならドル下落、ユーロなどの対円相場上昇へ-シティ・尾河氏

シティバンク銀行個人金融部門リテ ール・プロダクト本部為替市場調査の尾河真樹シニアマーケットアナリ ストは16日、ブルームバーグ・テレビジョンとのインタビューで、今後 の為替相場見通しについて、米株式相場に底打ち感が広がれば、株価と 逆相関の関係にあるドルが売られ、ユーロやオーストラリア・ドルなど ドル以外の通貨が円に対して上昇するとの見方を示した。コメントの詳 細は以下の通り。

今後の焦点と為替相場の見通しについて:

「ここのところドル相場は株価にとても影響を受けているので、特 に米国株の動向を見ていくことが為替相場の見通しをみる上で重要にな ってくる」

ドル・インデックスとダウ工業株30種平均のチャートを見ると、「株 価が下がると米ドルが買われているという傾向がみられる。ドルと米国 株の逆相関の関係はここ1年変わっていないが、2月中旬から円とドル の関係が変わった。それまではドルが上昇すると円も同じように上昇し ていたが、直近のところをみると相関性が崩れてきている」

「2月中旬に日本のGDP(国内総生産)で景気が悪いことが確認 されたこと、そして日本の政治が非常に混乱しているという状況で、円 はもはや避難先の通貨になっていない。先週から米国株が少し持ち直し てきているが、円は逃避先でなくなったからといって新たな投資先にも なっていない。今は円だけ蚊帳の外になってしまっている」

今週の注目材料:

17、18日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)では「金利 はほぼゼロなので特に政策の変更はないとみられている。米長期国債の 買い入れの具体的な詳細が出てくれば、米長期金利が下がることで株価 にとってはプラスの要因になる」

「同時に日本銀行の金融政策決定会合もある。週末の報道によると 国債買い入れ枠を増額するのではないかという話があり、これも金利の 低下要因になるし、株にとってはプラス。こういったものがどんどん出 てくると、株にとっては一部下支えの要因になってくる」

「先週発表された米小売売上高は事前予想を上回り、前回分も上方 修正されたため、米国のこれまでの政策の影響が少しずつ出てきている のではないかと明るい材料にとらえられた。今週発表される経済指標も 予想より強ければ、株価にとってはプラスになる」

また、米国で不良資産買い取りについての詳細が発表されれば、「少 し安心感が広がってきて、金融株にとってはプラスの要因だ」

「自動車大手の問題などプラス・マイナス両方あるが、市場が一番 嫌うのは不透明感だ。一つ一つ対応策が発表されていくことによってだ んだんと株価には底打ち感が出てくる。そうなると為替市場ではドルが 売られて、クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)が上がる可能性があ る。一方、ドル・円は金利差がないので、1ドル=95円から100円ぐら いのところでみている」

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