ガス相場:リグ操業停止とファンドの手じまいで高騰の様相

米デボン・エナジーや米XT Oエナジーといった天然ガス生産会社の掘削施設(リグ)操業停止率 が2002年以降で最高となっている。供給の減少ペースが需要の縮小 を上回ることになり、ガス相場はほぼ2倍に上昇するとの見方が強い。 ガス相場の年初来下落率は商品銘柄で最大。

米エネルギー省(DOE)によると、米国内リグのうち約45% が昨年9月以降、稼働を停止した状態になっている。このことは、今 年10-12月(第4四半期)のガス生産の減少率が5.2%となり、消 費の予想減少率である1.9%を上回ることを意味する。

ブルームバーグ・ニュースがアナリスト20人を対象に実施し た調査によると、ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のガス先物 相場は、来年1月までに100万BTU(英国熱量単位)当たり7ド ルと、3月13日時点の3.932ドルから上昇すると予想されている。 予想通りなら、上昇率は08年1-6月(上期)以降で最大となる見 込みだ。

ガス生産会社によるリグの操業停止率がこの水準まで低下した のは7年前だった。この時はガス先物相場が86%高騰した。米政府 のデータによると、世界の大手ヘッジファンド運営会社は、既に相場 下落を見込む売り持ちの手じまいを開始している。リセッション(景 気後退)の影響で販売が落ち込んだため、天然ガス相場の年初来下落 率は30%と、この時期としては06年以降で最大となっている。

独立系石油・ガス生産会社としては最大のデボン・エナジーの ラリー・ニコルズ最高経営責任者(CEO)は「リセッションが終息 し景気が拡大を始める時には、天然ガス供給が今よりも減少している ことになり、相場は再び高騰するだろう」との見通しを示した。

ガス相場が昨年7月に付けた高値から70%以上下落するなか、 ともにオクラホマ州に本拠を置くデボンと米チェサピーク・エナジー は、09年の掘削向け経費を削減した。両社は08年10-12月決算 で計76億8000万ドルの純損失を計上。主に相場下落を反映したガ ス・原油資産の評価損が響いた。

GDP増加予想

DOEによると、リセッションの深刻化により、米国の08年 のガス消費のうち29%を占めた工業用は同年10-12月に前年同期 比5%減となった。減少率は05年以降で最大で、09年も減少が続 く見通し。

アナリストらは、09年10-12月までに米景気が拡大すると予 想している。ブルームバー・ニュースがアナリスト61人を対象に実 施した調査の中央値によると、10-12月の実質国内総生産(GD P)は1.6%増、10年は1.8%増と予想されている。

エネルギー市場に関するコンサルタント会社ショーク・グルー プ(ペンシルベニア州)のスティーブン・ショーク社長は「ガス相場 の次の大きな動きが上昇であることは明らかだ」と述べ、「上昇なら、 ガス相場は冬が始まるまでに7ドルに達するだろう」との見通しを示 した。

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