FRB議長:最大リスクは政治的意思の欠如-TVインタビュー(2)

バーナンキ米連邦準備制度理事会 (FRB)議長は就任後初めてテレビインタビューに応じ、米経済を 深刻なリセッション(景気後退)から回復させるには「政治的な意思」 と安定した銀行システムが欠かせないとの考えを示した。

バーナンキ議長はCBSの番組「60ミニッツ」の収録で「最大の リスクは、政治的な意思がないことだ」と指摘。「金融市場と銀行が安 定するまで回復は実現しないだろう」と述べた。

同議長はまた、政府の景気対策について「若干の忍耐強さが必要 になる。若干の支持も必要になろう」と語った。CBSが15日、イン タビュー原稿を公表した。

バーナンキ議長のコメントは、公的資金を追加投入して経営悪化 した金融機関を救済する措置を推進するために議会の批判を受けて立 つ用意がある様子を示した。ガイトナー財務長官は今月、金融安定化 策には税金の追加投入が必要になる可能性があるとの考えを示した。

バーナンキ議長はまた、政府が金融市場の安定化に成功すれば、 リセッションは年内に終了し、2010年には景気拡大に転じる公算が大 きいとの考えをあらためて強調。FRBの支援を受けて一部市場では 「若い芽」が出てきたとし、銀行の状況は「幾分改善」したと語った。

インタビューでは金融安定化策や経済見通しについての新たな詳 細は明らかにしなかった。

米国民の不安

番組は、バーナンキ議長が少年時代を過ごしたサウスカロライナ 州ディロンを訪れた時の様子も紹介。議長にとって一般市民の不安を 理解していることをアピールする場となった。

議長は、父親が薬局を営んでいたビルの近くで「私はメーンスト リート(一般社会)の出身だ。私がウォール街(金融界)を気にかけ ている理由はただ1つ。ウォール街の動向がメーンストリートに影響 を与えるからだ」と述べた。

議長はまた「金融市場が安定しなければ、またわれわれが信用の 流れを再び確保するために必要な措置を取らなければ、私の父は新た な店舗を出そうとしても融資を受けられないだろう」と語った。

昨年10月に成立した金融安定化法については、「世界規模の金融 崩壊」の可能性を未然に防いだとの認識を示した。

不況のリスク

バーナンキ議長はまた、不況のリスクを「われわれは回避した」 と指摘。「現在の課題は、物事を再び適切な軌道に戻すことだ」との考 えを示した。

議長はさらに、米銀大手各行には「支払い能力がある」が、個々 の銀行がどの程度の追加資本を必要としているのかは、ストレステス ト(健全性審査)によって決まるとあらためて指摘した。

さらに3日の上院予算委員会での質疑応答で、保険会社アメリカ ン・インターナショナル・グループ(AIG)を政府が救済せざるを得 なかったことに「強い憤り」を覚えると述べたことにも触れ、「AIG をめぐる協議で受話器を数回叩きつけたことがあった」エピソードを 紹介。「ひどい賭けをしていた企業を救済するために税金を投入するの は全く不公平だ」とした上で、それでも同社を救済しなければ「金融 システムだけでなく米経済に多大な影響が及ぶリスク」があったと強 調した。

「優雅な暮らし」

バーナンキ議長は、バンカーたちが「優雅に暮らす時代」は終わ ったと言明。銀行は直ちに「信用力のある借り手に融資を行う方法」 を見つけなければならないと指摘した。

今回のインタビューは、税金を使った救済措置やウォール街の経 営ミスに対する国民の怒りが高まるなかで、バーナンキ議長が自身の 考えを幅広く伝える場となった。同番組が昨年11月に放送したオバマ 次期大統領(当時)のインタビューは約2500万人の視聴者を集めた。

CBSによると、現職のFRB議長とのインタビューの放送は20 年ぶり。バーナンキ議長のメディアへの露出の少なさは、定例の記者 会見やインタビューを行っているトリシェ欧州中央銀行(ECB)総 裁と対照的。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は3月17、18日に次回の定例 会合を開催する。

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