【今週の債券】もみ合いか、益出し売りが重し-10年債は1.3%付近

今週の債券相場はもみ合いが予想 されている。国内景気の一段の悪化や運用難を背景に投資家の潜在的な 購入意欲は根強いとみられるが、3月決算期末に向けた銀行の益出しの 売りが相場の上値を抑える見通し。

10年債利回り予想レンジは1.25-1.35%

今週の新発10年債利回りについて、13日夕までに市場参加者4 人にヒアリングしたところ、全体の予想レンジは1.25%から1.35% となった。今月以降の新発10年債利回りで1.3%を挟んだ推移が継続 する見通し。

トヨタアセットマネジメントの浜崎優シニアストラテジストは、今 週の債券市場について、「金利上昇要因としては、益出し売りや追加対 策に伴う今後の国債増発観測、低下要因は景気懸念が挙げられる。運用 難で金利が上昇すれば投資家の買いが入るものの、益出しが需給の重し となりそうだ」という。

決算期末を控えて、株価動向が焦点とみられているが、日経平均が 前週末に心理的な節目の7500円台を回復したことで益出し売りへの警 戒感もやや後退している。市場では「株価が戻ってきたので、出にくく なった。決算に向けた調整も済んでいる」(岡三証券シニアエコノミス ト、坂東明継氏)との指摘が出ていた。

東京海上日動火災保険の岳俊太郎投資債券投資グループリーダーは、 「期末に向けて投資家の動意がない状況が続く。株価や米長期金利を材 料に、先物は振れるだろうが、現物債は小動きにとどまる」との見方を 示している。

日米とも金融政策変更ないとの見方

17、18日には日本銀行が金融政策決定会合、米連邦準備制度理事 会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)をそれぞれ開くが、い ずれも政策金利の据え置きが予想されており、債券相場への影響は限定 的となりそうだ。もっとも、市場では今後は財政政策との融合が進むと の見方、次の一手として長期国債の買入増額を挙げる向きが増えている。

三井住友アセットマネジメント保険資産運用第一グループヘッドの 堀川真一氏は、日銀会合について、「新しい材料は出てこない。3月期 末よりも4月以降の景気悪化に備えて、次の一手を検討するイメージ。 実際に追加的な対応が出てくるのはまだ先ではないか」と指摘する。東 京海上の岳氏は「クレジット(信用)物のオペで多少枠を広げるかもし れないが、金利水準や国債買い切りに関する変更はないだろう」という。

FOMCに関しては、「住宅ローン担保証券(MBS)および政府 機関債購入の拡大が最もあり得ると考えており、米国債の購入が打ち出 されることはないだろう」(JPモルガン・チェースのエコノミスト、 マイケル・フェロリ氏)との予想が出ていた。

20年債入札、クーポン1.9%で据え置きか

材料面では、17日の20年利付国債(3月債)の入札が注目され る。表面利率(クーポン)は、前回債から据え置きの1.9%が予想され ている。発行額は前回債と同額の9000億円程度。「生命保険や年金基 金などからの買いが入ると見込まれ警戒感はない」(坂東氏)ようだ。

もっとも、「週明けは入札に向けた売りが出そうだ」(大和住銀投 信投資顧問・伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダー)との声も聞 かれた。

市場参加者の予想レンジとコメント

13日夕までに集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通 り。先物は中心限月の6月物、新発10年国債利回りは299回債。

◎大和住銀投信投資顧問・伊藤一弥国内債券運用第2グループリーダー

先物6月物138円00銭-139円00銭

新発10年債利回り=1.25%-1.35%

「株価と金融政策をにらんでもみ合い。週明けは20年債入札に向 けた売りが出そうだ。入札は1.9%クーポンで順調な結果が予想される。 日銀金融政策決定会合、米FOMCではサプライズ(驚き)はないだろ うが、結果を見極めるまで動きは限定的となる。週後半に若干買い戻さ れるイメージだが、レンジを大きく変えることはない」

◎RBS証券・市川達夫シニアストラテジスト

先物6月物138円00銭-139円20銭

新発10年債利回り=1.27%-1.33%

「期末に向け最後の微調整はあるが、来期に向けた押し目買いも入 るので一本調子の金利上昇もない。10年債は1.3%挟みか。日銀決定 会合では予想外の国債買い切り増加などがなければ大きな影響はない。 現段階では追い込まれていないので、今までの政策効果を見極めたいと 様子見だろう。20年入札は1.9%クーポンで無難に消化されそうだ」

◎岡三証券シニアエコノミスト、坂東明継氏

先物6月物137円80銭-139円30銭

新発10年債利回り=1.25%-1.35%

「狭いレンジでもみ合い。17、18日には日米で金融政策が議論さ れるが政策金利は変わらない見通し。追加の資金供給策が注目されるも のの、期待できず、相場への大きな影響はないだろう。20年入札では 生保・年金勢の買いが見込まれており、警戒感はない。株価が戻ってき たので益出し売りは出にくくなった。決算に向けた調整も済んでいる」

◎トヨタアセットマネジメント・浜崎優シニアストラテジスト

先物6月物138円25銭-139円00銭

新発10年債利回り=1.27%-1.35%

「こう着感が強まる。金利上昇要因としては、益出し売りや追加 対策に伴う今後の国債増発、低下要因は景気懸念が挙げられる。ただ、 景気悪化は織り込まれており、益出し売りが重しになりそう。運用難で 金利が上昇すれば投資家からの買いが入るものの、狭いレンジで推移し ながらも、結果的にはやや相場水準を切り下げる展開になるのではない か」

--共同取材:宋泰允、船曳三郎 Editor:Hidenori Yamanaka,Tetsuzo Ushiroyama

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