NY外為(13日):円下落、金融危機への懸念後退で逃避需要鈍る(2)

ニューヨーク外国為替市場では、 円が大半の主要通貨に対して下落。対ユーロでは4週連続で下げた。金 融危機が最悪の局面を脱しつつあるとの観測から、逃避先としての円需 要が後退した。

スイス・フランは対ユーロで続落。週間ベースではユーロ導入の 1999年以来で最大の下げを記録した。スイス国立銀行(SNB)が12 日、スイス・フラン上昇を抑制するために外貨買い介入を開始したこと が背景。ドルはユーロに対して週間ベースで下落。米銀バンク・オブ・ アメリカ(BOA)など金融機関が業績黒字化を発表したことで、世界 の準備通貨としてのドル需要が弱まった。

INGファイナンシャル・マーケッツ(ニューヨーク)の自己勘定 取引ディレクター、マシュー・カッセル氏は「銀行が利益をあげている と発表したことを受け、終末的な悲観論は姿を消し始めた」と指摘。 「円を大量に買い持ちにしている投資家はポジション調整に動き始める だろう。リスク回避傾向が少しでも弱まれば、ドルは対円で大きく上昇 すると予想される」と語った。

ニューヨーク時間午後4時6分現在、円は対ユーロで0.4%下げ1 ユーロ=126円68銭(前日は1ユーロ=126円16銭)。早朝の取引 では127円64銭と、1月7日以来の安値を付けた。円は対ドルでは

0.3%下げ、1ドル=98円06銭(前日は1ドル=97円72銭)。ドル は対ユーロで1ユーロ=1.2919ドル(前日は1ユーロ=1.2913ド ル)。

週間ベースでみると、円の対ユーロ相場は1月以降で最長の4週連 続安を記録した。円は対ドルでは0.3%上昇し、6週連続の下落によう やく歯止めが掛かった。ユーロはドルに対し2%上昇、昨年12月半ば 以降で最大の上げ幅となった。

ドル指数

主要6通貨のバスケットに対するICEのドル指数は87.428。週 間ベースでは1.2%低下と、昨年12月以来の下げ率となった。3月4 日には89.624と、2006年4月以来の高水準まで上昇していた。

S&P500種株価指数は2月に11%急落し、この間に円は対ドル で7.9%下落した。日本のリセッション(景気後退)深刻化を受け、世 界の金融危機からの逃避先としての円需要が後退した。内閣府が12日 に発表した昨年10-12月期の国内総生産(GDP)2次速報値は前期 比年率12.1%減と1次速報から上方修正されたものの、依然1974年 以来最悪のマイナス成長となった。

バンク・オブ・ニューヨーク・メロンのグローバル市場戦略責任者、 サマルジット・シャンカー氏(ボストン在勤)は「今週に入り市場のリ スク志向が戻ってきている。リスク回避傾向が強まった2月でも円は苦 戦した。いずれにせよ、円は今後、現在の水準よりもかなり弱含むと予 想される」と語った。シャンカー氏は3カ月以内に円が1ドル=105円 まで下げる可能性があるとみている。

円は対ニュージーランド・ドルで1.1%下げ、対カナダ・ドルでは

0.7%下落。この日は円の下げペースが減速した。S&P株価指数は週 間ベースで11%近く上昇したが、この日は0.8%の伸びにとどまった。

G20会合

複数のアナリストによると、20カ国・地域(G20)財務相・中央 銀行総裁会議がユーロ圏の経済支援策で合意に達しないとの観測が、今 週の対ユーロでのドル相場の下値を支えた一因と考えられている。ガイ トナー米財務長官やキング英中銀総裁らが13日、ロンドン近郊で会合 し、世界的な金融危機脱却への糸口を探る。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE