米AIG、バフェット氏に支援を2回要請-昨年9月の政府救済直前

資産家ウォーレン・バフェット氏 は、米保険大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG) が昨年9月に米政府から救済される直前に、同社から2度にわたって 支援を求められていたことを明らかにした。

米保険・投資会社バークシャー・ハサウェイを率いるバフェット 氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、昨年9月のあ る金曜の夜に、AIGのロバート・ウィラムスタッド最高経営責任者 (CEO、当時)から電話を受けたものの、AIGの米損害保険事業 の一部には出資しない選択をしたと語った。その2日後の日曜に、2 度目の要請があったが、民間投資家グループによる資金注入が具体化 せず、実現しなかったという。

バフェット氏は、AIGへの投資を断るのは「非常に難しいこと ではなかった」と述べ、「こちらが提供できる以上を求められていた。 その具体的な規模は分からなかったが、察しはついた」と語った。

米証券リーマン・ブラザーズ・ホールディングスが破たんに向か っていた昨年9月の同じ週末に、AIGが民間資本の力を借りて生き 残りを目指そうとしていた様子がうかがえる。米政府はリーマンを救 済せず、AIGに対しては最大850億ドル(約8兆3200億円)の融 資提供と引き換えに、同社株79.9%を取得した。その過程でCEO も交代した。

うまくいかない話

バフェット氏は支援要請を受けた金曜の夜に、AIGからファク スされた書類を「1-2時間」よく読んだが、バークシャーの資金で AIGの一部米国事業を取得する決断は下さなかったと説明。当時の 状況について、「うまくいかないと知りながら女性を誘うようなもの だった」として、「時間の制約や不透明感の度合い、苦境の深刻さ、 規制当局とやりとりする必要性を考えると、うまくいくものではなか った」と述べた。

またバフェット氏は、日曜に受けた要請について、民間からの大 規模出資を伴う保険事業関連の取引だったが、参加するはずだった具 体的な投資家すら知らないと答えた。当時、事情に詳しい関係者2人 が語ったところによれば、ゴールドマン・サックス・グループとJP モルガン・チェースが700億-750億ドルの融資計画でAIGと取り 組んでいた。

その後、米当局はAIG救済策を3回修正し、融資の条件を緩和 したほか、公的支援の規模を1600億ドル前後まで拡大させた。一方、 同社が先週発表した昨年10-12月(第4四半期)の決算は617億ド ルの赤字と、米企業として過去最悪だった。

バフェット氏は「まったく異例の展開だ。わたしの予想した範囲 を超え、あってはならない方向へ動いてきた」と語った。

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