日本株(終了)日経平均上昇率ことし最大、過度の景気・信用不安緩和

週末の東京株式相場は大幅反発し、 日経平均株価は心理的な節目の7500円を2週間ぶりに回復した。終値 ベースの上昇率は5.2%でことし最大。米国の小売売上高が予想ほど悪 化しなかったことが安心感につながり、過度の金融不安の後退や国内政 策期待も押し上げ要因になった。

東証業種別33指数ではすべて上昇。幅広く買われる中で、在庫調 整進展への期待が広がった輸送用機器や電機など輸出関連の上げが目立 ち、東証1部の業種別上昇率の上位に並んだ。日経平均の終値は前日比 371円3銭(5.2%)高の7569円28銭、TOPIXは23.37ポイン ト(3.3%)高の724.30。

三菱UFJ投信の宮崎高志運用戦略部長は、「景気と金融の対策効 果から、米国経済は年半ばまでに底入れの可能性がある」と指摘。マー ケットはその対策効果を織り込む形で悪材料に反応が鈍くなってきたと し、「弱気相場下でのラリーとなる兆しが出ている」と見ていた。

米消費は底割れ回避、在庫調整期待

東証1部の売買高は概算で27億9393万株、売買代金は1兆9488 億円。日経平均は5日移動平均線に続き、過去1カ月間の投資家の採算 ラインを示す25日線(7488円)を約2カ月ぶりに終値で回復。市場 では、「『総悲観の中で相場が生まれる』動きがだんだん見え始めてい る」(証券ジャパンの小林治重調査情報部長)との声が聞かれた。

また、この日の取引開始時は日経225先物・オプション3月限の 特別清算値(SQ)算出で、SQ値は7491円33銭と12日の日経平均 終値(7198円25銭)を4.1%上回った。

米商務省が12日に発表した2月の小売売上高は前月比0.1%減っ たが、ブルームバーグがまとめた事前予想の0.5%減ほど悪くなかった。 日興アセットマネジメントのチーフ・グローバル・ストラテジスト、ジ ョン・ヴェイル氏は「米小売売り上げは非常に強かった。日本の足元の 景気は弱いが、7-12月にかけて落ち着く可能性がある」との見方を 示している。米個人消費の底割れがひとまず回避され、輸出関連中心に 在庫調整進展への期待が広がった。

実体経済面の材料を、金融不安の後退も後押しした。米銀バンク・ オブ・アメリカ(BOA)のケネス・ルイス最高経営責任者は、1-2 月の業績は黒字だったと述べた。バランスシートの不安はくすぶりなが らも、米国では金融株が連日急騰しており、投資家のセンチメントが改 善傾向にあることが裏付けられた。

一方、国内では麻生太郎首相が自民、公明両党に追加経済対策を策 定するように指示した。銀行等保有株式取得機構の機能拡充で、株価指 数に連動する上場投資信託(ETF)を買い取り対象に広げる可能性も 浮上している。「危機的な状況であるいまは振幅を抑える意味での管理 はマイナスではない。空売りが出にくくなり、ある一定の効果は出るだ ろう」(三菱UFJ投信の宮崎氏)という。

輸出中心に買い戻し機運、1998年型底入れも

相場上昇をけん引したのは輸送用機器や電機などの輸出関連株。中 でもホンダやファナック、東京エレクトロン、アドバンテスト、アルプ ス電気など、いずれも売り残が高水準で、信用取引の貸借倍率が1倍以 下の銘柄が急伸した。米国株相場の3日続伸や円高一服もあり、買い戻 しが株価を押し上げやすい状況となっている。

このため、輸出関連の影響が相対的に大きい日経平均は上昇率が拡 大し、10月安値を割り込んでいるTOPIXとは対照的な動き。両者 の安値時期が異なった過去の相場底入れケースでは「同じ金融不安で相 場が下げた1998年型になる可能性がある」(いちよし証券投資情報部 の高橋幸洋課長)との見方がある。

エプソンやデンソー急伸、日立国際は急落

東証1部の値上がり銘柄数は1235、値下がり370。個別銘柄では、 きのうの取引終了後に開催された中期経営説明会で構造改革への積極姿 勢を示したセイコーエプソンが急伸。東日本の工場建設と操業開始を当 面延期するデンソーは急反発した。同業の山一電機との経営統合協議を 中止し、野村証券金融経済研究所が格上げしたSMKも大幅続伸。発行 済総数比2.2%相当の自社株買いを行うツガミは午後に急伸した。

半面、日立製作所によるTOB(株式公開買い付け)が完了した日 立国際電気は値幅制限いっぱいのストップ安。09年3月期の連結純利 益予想を減額した日東工業、SMKとの統合協議を中止した山一電機は それぞれ急落。クレディ・スイス証券が「アンダーパフォーム」へ格下 げした全日本空輸は続落した。

新興市場は反発

新興市場はそろって反発。ジャスダック指数の終値は前日比0.56 ポイント(1.5%)高の38.22、東証マザーズ指数は5.47ポイント (2%)高の285.43、大証ヘラクレス指数は8.05ポイント(1.9%) 高の436.06。

個別銘柄では、筆頭株主がテレウェイヴからヤフーに異動したEス トアー、社長の秋元竜弥氏を割当先とした第三者割当増資を実施すると 発表したアルデプロがそれぞれストップ高。売買代金上位ではジュピタ ーテレコムやミクシィ、グリーが大幅高となった。半面、監査法人の異 動及び有価証券報告書の提出遅延を発表したウィルはストップ安。売買 代金上位ではACCESS、日本マクドナルドホールディングスが安い。

ジャスダック市場に新規公開したユビキタスエナジーは公開価格 950円に対し、2.1倍の2000円で初値が付いた。

--共同取材:Patrick Rial Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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