首相:追加経済政策の策定を与党に指示、金融サミット控え(4)

麻生太郎首相(自民党総裁)は 13日、自民、公明両党に追加的な経済政策を策定するよう指示し た。世界的経済危機克服に向けた財政出動が大きなテーマになる 4月初旬の20カ国・地域(G20)首脳会合(金融サミット)も念頭 に、多年度にわたる対応も含め具体策を検討することになった。

首相は同日午前、首相官邸で記者団に対し、追加対策を指示 した理由について「今後の経済情勢が下振れするリスクは避けられ ない」と指摘。その上で、「何のためにやるのかと言えば景気の底 割れを止めるため、底割れをしないうにするためだ」との決意を示し た。

追加対策の内容について首相は、雇用対策や環境分野への投 資などに力点を置く考えを示すとともに、道路建設を例に出し、複 数年度にわたる対策も含めて検討していることを明らかにした。

追加対策はそれを実行するための2009年度補正予算の規模 と具体的な施策が焦点となる。与党に具体策の検討を先行して進 めさせるのも参院での09年度予算案の審議に影響を及ぶのを回 避するためだ。

民主党の「次の内閣」財務相である中川正春衆院議員は13 日、ブルームバーグ・ニュースのインタビューで、追加の経済対策 について「やらないといけないが、本当は09年度当初予算案に組 み入れなければいけない」と指摘。その上で、対策は参院で審議中 の09年度予算案を野党の意見も入れて組み替えることで早急に 実現を図るべきだとの考えを強調した。

一方、麻生首相は同日夕、内閣記者会のインタビューで、補正 予算の編成などは「現段階で具体的に考えているわけではない」と 述べるにとどめた。ただ、自民党内にも古賀誠選挙対策委員長が1 日、「20兆円前後」(テレビ朝日の番組「サンデープロジェクト」)と 発言するなど大規模な補正予算の編成を求める声がすでに上がっ ている。

また、9月10日までが現職議員の任期となっている衆議院の 解散時期について首相は、「あと半年しかない。半年の間にどこか ということで、総合的に勘案してわたしが決めたい」と述べ、あくま で自らの手で行いたい姿勢をあらためて示した。低迷する株価や 経済指標を解散時期の判断材料にするかについては「関係ない」 と語った。

明治安田生命保険の小玉祐一チーフエコノミストは最近のリポ ートで今後の対策について「目先の景気の下支えにつながる即効 性のある政策と、中長期的な潜在成長力の向上につながる政策を ミックスしていく必要がある」と指摘。短期的には減税、公共投資(イ ンフラ関係など)、中長期的には環境、介護・福祉、農業などへの 分野への重点投資を挙げている。

一方、シンガポールに在住する、米格付け会社スタンダード・ア ンド・プアーズ(S&P)の小川隆平ディレクターは、これまで政府が 検討、実行してきた金融を含む一連の危機対応策について「すべ てが選挙に向けた施策だ、本当にだれに、どういう所にお金を回せ ばいいのか思いめぐらしたものではない」と語っている。

金融サミット

首相が追加対策の検討を急ぐのは、4月2日にロンドンで開か れる金融サミット)に出席することも背景にある。

ガイトナー米財務長官が11日に発表した声明で、「これは世 界的な危機であり、世界規模での対応を必要としている。G20諸 国はマクロ経済そして金融部門に対して強力な措置を講じるべき だ」との考えを発表するなど大胆な政策の実行を各国政府に求め る構えを示しており、日本政府としても積極に取り組む姿勢を示す 必要があるからだ。

与謝野馨財務・金融・経済財政担当相は閣議後の記者会見 で、今回の指示を皮切りに経済金融対策の論議が「相当深まって いく」と指摘。これにより、金融サミットに首相が「相当固まった考え 方を持っていくことは可能だ」との見通しを示した。

--共同取材::Jason Clenfield、Rebecca ChristieEdi、楽山麻 理

子Editor: Hitoshi Sugimoto, Takeshi Awaji 参考画面: 記事に関する記者への問い合わせ先: 東京 広川高史 Takashi Hirokawa +81-3-3201-8641 thirokawa@bloomberg.net 記事に関するエディターへの問い合わせ先: 東京 大久保 義人 Yoshito Okubo +81-3-3201-3651 yokubo1@bloomberg.net 東京 Bill Austin +81-3-3201-8952 billaustin@bloomberg.net

Tatsuo Ito

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