米GEと金融部門の長期格付けを「AA+」に引き下げ-S&P(3)

米格付け会社スタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)は12日、複合企業大手ゼネラル・エレクトリ ック(GE)と金融部門GEキャピタルの長期信用格付けを「AA+」 に引き下げた。従来は最高格付けの「AAA」だった。格付け見通し は「安定的」。

格付けが「AA-」を下回った場合、債務保証や債務契約を実施 する際にGEは追加担保を差し出す必要が出てくる恐れがある。GE はS&Pの格下げについて「自社の経営、もしくは資金調達に著しく 影響しない」との見方を示した。

世界でも一握りしかない、最も安全で強固な企業の象徴である「A AA」格付けを失ったことは、ジェフリー・イメルト最高経営責任者 (CEO)にとって痛手となりそうだ。同CEOは1月まで、格付け と年間配当を維持するのに十分な利益を上げていると表明していた。 しかし、その1カ月後には1938年以来で初の減配を余儀なくされた。 減配により、年間およそ90億ドルの資金を留保できるという。

ハイペリオン・ブルックフィールド・アセット・マネジメントの 社債ディレクター、ジョエル・リビングトン氏は「格付け会社はGE 金融部門の現実に追いつこうとしている。しかし、安定見通しは市場 を安どさせるだろう」と述べた。

S&Pのアナリスト、ロバート・シュルツ氏(GE担当)はイン タビューで、格付け委員会が業績悪化見通しやGEキャピタルの「小 幅純損失」と、一般事業部門での「優秀なリスクプロファイル」の両 方を評価し、バランスを取ったと指摘。「今年あるいは来年にGEキ ャピタルが実質的な利益やキャッシュフローを生み出すとはみていな い」と述べた。

S&Pは昨年12月、GEが2年以内に「AAA」格付けを失う確 率は3分の1あると指摘。GEの減配後も見通しを「ネガティブ」で 維持していた。ムーディーズ・インベスターズ・サービスは1月にG Eの格付けを見直す意向を示した。

GEは金融部門の透明性が欠如しているとして、一部の投資家や アナリストから批判されている。クレジットカードの返済遅延の増加 や不動産の含み損40億ドルを抱えるGEキャピタルには、GEが予想 する以上の資本が必要になると懸念する声がある。

GE株は4日に6ドルを下回り、1991年12月以来の安値を付け た。クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)市場ではGEキャ ピタルの社債保証コストが急上昇した。

世界的なリセッション(景気後退)や信用危機により、GEキャ ピタルが今年、50億ドルの利益を上げるという目標を達成する確率が 低下する可能性がある。

市場の反応

ニューヨーク時間午前10時11分現在、GE株は54セント高の

9.03ドル。前日までの過去1年間に75%下落していた。

ハンティントン・ファイナンシャル・アドバイザーズで資産運用 に携わるピーター・ソレンティーノ氏は「不確実性がなくなった。短 期格付けは維持され、見通しは安定的となった。それは株価にはプラ ス材料だ」と述べた。

S&Pは1956年以降GEに対し「AAA」格付けを付与してきた。 ムーディーズは67年以降、「Aaa」格付けを維持している。

米金融取引業規制機構(FINRA)の債券価格報告サービス、 トレースによると、25億ドル相当のGEキャピタル債(額面1ドル、 表面利率4.8%、償還2013年)は午前9時31分現在、前日比1.7セ ント高の87.2セントで推移している。利回りは8.55%と、同期間の 米国債利回りを6.61ポイント上回っている。

CMAデータビジョンのCDS価格によれば、GEキャピタル債 の保証料の前払い部分は0.5ポイント上昇し9.5%。これは社債1000 万ドルのデフォルト(債務不履行)に対する期間5年の保証料として、 年間50万ドルのほかに、前払いで95万ドルかかることを意味する。

GEが先月、米証券取引委員会(SEC)に提出した年次報告書 によれば、格付けが「AA-」や「Aa3」を下回ると、債務保証な どで追加担保の差し出しを迫られる可能性がある。

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