TB買いオペに応札4倍超、調達コスト低下でも業者の持ち高減らず

日本銀行が実施した国庫短期証券 (TB)の買い切りオペは、通知額の4倍を超える応札が集まった。潤 沢な資金供給オペを背景に足元や年度末越えの資金調達コストは低下し ているが、銀行など投資家がTBの買いに慎重な姿勢を崩しておらず、 大量発行のもとで仲介業者の持ち高が積み上がっているためだ。

午前に実施されたTB買い切りオペ4000億円には、1兆7349億円 の応札が集まった。応札倍率は4.45倍と前回(3.18倍)を上回り、2 月以降の最高水準。売買参考値と比較した落札利回り格差も1ベーシス ポイントを上回った。

TB3カ月物利回りは、今週入札された9回債を中心に0.245%付 近で下げ渋っている。前日の本店共通担保オペ(期日4月2日)の最低 落札金利が0.15%、この日の全店共通担保オペ(期日6月22日)も

0.18%まで低下したが、利回り水準に動きは見られなかった。

むしろ、証券会社のディーラーからはTBの持ち高を落としたい需 要が目立っており、「年度末を控えて、今まで以上に在庫を抱え、身動 きが取りづらくなっているのではないか」(東短リサーチ・寺田寿明研 究員)という。

業者の在庫拡大が限界に

TBは、毎週の発行額が5兆1000億円と量的金融緩和下に並ぶ高 水準だ。一方、買い手の銀行では、企業への貸し出し増加や年度末のバ ランスシート(貸借対照表)調整などから需要が低迷している。そのた め、日銀が調達金利を低く抑え、業者の在庫として消化してきた。

しかし、証券会社もリスク許容度の低下から在庫拡大には慎重にな っている。国内証券のトレーダーは、株安で中期債に益出し売りも見ら れ、ディーラーは引き気味になっているという。来週はTB2カ月物と 3カ月物の入札も続くため、買い余地を空けておく必要もある。

残存期間の短い4月償還の政府短期証券(FB)には決算対策とみ られる地方銀行や外国銀行の買いも指摘されるが、新発TBの供給量に は及ばない。この日のTB1年入札は最高落札利回り0.2777%と、残 存期間が同じ利付債の0.33%に比べて割高で、特定の投資家需要に限 られる。

レポ安定が生命線

日銀はこの日、スポットネクスト物の国債買い現先オペ(3月16 日-17日)を前日より5000億円多い2兆円5000億円に増額し、最低 落札金利を下限0.10%に押し下げた。国内証券のトレーダーは、今は 足元金利の低位安定が生命線で、日銀もレポ(現金担保付債券貸借)を 注意深くみているという。

日銀は年度末に向けてより潤沢な資金供給を実施するとみられてい るうえ、23日には国債の大量償還も控えるが、投資家の運用姿勢には 悲観的な見方が多く、「レポが上昇すればTBのポジション(持ち高) は相乗的に厳しくなる」(東短・寺田氏)との声も聞かれる。

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