東京外為:ドル軟調、米金融不安緩和で逃避的買い鈍化-一時95円台

東京外国為替市場では、ドル・円 相場が一時1ドル=95円96銭と、2月24日以来のドル安値を付けた。 米大手金融機関の業績懸念が緩和していることから、投資家のリスク 回避に伴う避難的なドル買い需要が低下している。

大和証券SMBC金融市場調査部の長崎能英チーフFXストラテ ジストは、金融不安を背景にドル資金のひっ迫感が生じ、ドル買いに 圧力がかかっていたが、足元では「やや解消している」と指摘。加え て、英国の金利先安観を背景にポンド売り主導で、クロス・円(ドル 以外の通貨と円の取引)の円買いが進みやすく、東京市場のドル安・ 円高につながったと説明している。

対ポンド主導で円買いに圧力

イングランド銀行(英中央銀行)は3カ月間で総額750億ポンド相 当の資金供給を行う計画の第1弾として、11日に初の国債買い切りオペ を実施した。20億ポンド(約2710億円)相当の英国債を買い取った。

これを受けて、同日の英国債相場は上昇し、金利先安観からポンド が下落。対円ではこの日の東京市場で一時1ポンド=133円18銭と、2 月20日以来の安値を付けた。

対ポンドでの円買いが他通貨に波及して、ユーロ・円相場は一時1 ユーロ=123円12銭と、4営業日ぶりの水準までユーロ安・円高が進ん だ。

米金融不安が緩和

一方、米国では、10日にシティグループのパンディット最高経営 責任者(CEO)が1-3月期の業績について強気の見通しを示した のに続いて、11日にはJPモルガン・チェースのダイモンCEOが米 経済金融専門局CNBCとのインタビューで、1-2月に黒字を計上 したことを明らかにしている。

前日の海外市場では、米銀大手の業績見通しを背景に金融不安が 緩和され、米株が続伸。欧州の株式相場も上昇して取引を終了してお り、リスク資産から基軸通貨のドルに資金を避難させる動きが鈍化す るとの連想が働きやすい。

新光証券の林秀毅チーフエコノミストは、米株に短期的な底打ち の兆候が見え始めており、それに伴いリスク回避的なドル買い圧力が 弱まっていると指摘。ドル・円相場は「すぐに99円や100円に向かう 感じはない」とみている。

ただ、この日は米国で小売売上高の発表を控えて、個人消費の悪 さがあらためて確認される可能性があり、「行き過ぎた楽観論の揺り 戻し」(林氏)が警戒される。

楽観論が後退すれば、株価が再び下落する可能性がある。アジア時 間には米株価指数先物がマイナスで推移しており、海外市場にかけて、 リスク回避的なドルの買い戻しが蒸し返される展開もあり得る。

この日のユーロ・ドル相場は、朝方の取引で1ユーロ=1.2792ドル までドルが値を戻したあと、1.2871ドルまで押し戻される場面もみられ たが、午後の取引終盤には1.27ドル台後半までドルが水準を切り上げて いる。

ブルームバーグ・ニュースがまとめた市場予想によると、2月の 小売売上高は前月比0.5%の減少が見込まれている。

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