ソニー:中小型液晶ディスプレー事業一部取得へ-エプソンと協議(3)

家電世界2位のソニーが、国内イ ンクジェットプリンター最大手のセイコーエプソンと中小型液晶ディス プレー事業の提携に向けて協議を開始した。資産の一部取得を含めて6 月末までの契約を目指す。

両社の12日の発表によると、ソニーはデジタルカメラや携帯電話 のディスプレーなどに使われる中小型のTFT(薄膜トランジスタ)液 晶技術のうち、多結晶の低温ポリシリコン(LTPS)に強みを持つが、 エプソンが持つ非結晶のアモルファスシリコン液晶の技術力や生産力な どを取り入れることで、競争力を強化する。

ソニーはすでに中小型液晶の事業はソニーモバイルディスプレイ (SMD)に集約済み。一方、エプソンは11日発表した2010年3月期 から3年間の中期経営計画で中小型液晶ディスプレーを不採算分野に位 置付けており、子会社エプソンイメージングデバイスの岐阜事業所(岐 阜県安八町)を9月までに閉鎖、生産を鳥取事業所(鳥取市)に集約す ることを明らかにしている。

エプソンのディスプレー事業の今期(09年3月期)売上高見通しは 前期比7.6%減の1700億円で、全社売上高に占める割合は15%。ディ スプレー事業の約67%がアモルファスシリコンだが、個人消費の冷え 込みによる携帯電話、携帯音楽機器などの需要減少で収益は悪化してい る。

都内で会見したエプソンの碓井稔社長によると、譲渡する資産など の詳細は今後協議する。液晶事業は「競争環境が従来と変わり、技術軸 だけで事業を存続できない状況になってきた」と提携の背景を説明し た。エプソンは有機EL(エレクトロルミネッセンス)の開発も進めて いるが、今回のソニーとの提携には含まれないという。

碓井氏はまた全社の業績見通しについて、11年3月期には連結経 常利益で200億円を目指すと語った。今期の経常利益見通しは130億円 で、来期はトントンを目指す。

エプソン株の終値は前日比29円(2.7%)高の1117円。

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