山崎パン株は昨年10月来安値、原料安で競争激化警戒-下期にリスク

パン業界最大手の山崎製パン株が 一時前日比13%安の1042円と急反落し、昨年10月28日(安値950 円)以来の安値水準に落ち込んだ。原料となる輸入小麦の新売り渡し価 格の引き下げを受け、同業他社の値下げ競争が活発化し、収益を圧迫す るとの警戒感が広がっている。一部アナリストは、下期(2009年7- 12月)の減収減益リスクに言及した。

農林水産省は2月24日、4月から輸入小麦の政府売渡価格を平均

14.8%引き下げると発表した。小麦の国際相場が昨年夏ごろから下落 に転じたことが要因。代表的な米シカゴ商品取引所(CBOT)の小麦 相場は3月11日時点で、1ブッシェル=5.08ドルと、ピークの08年 2月の13.49ドルから6割近く落ち込んでいる。

ゴールドマン・サックス証券の田中克典アナリストは、原材料費軽 減につながるとの期待から山崎パン株は直近で堅調に推移していたが、 「09年下期には原料安を反映した実質値下げにより、減収減益に転じ る見込み」(11日付の投資家向けリポート)と指摘。同証では先行き の収益環境の厳しさを考慮し、投資判断を「中立」から「売り」、目標 株価も980円から770円に引き下げた。目標株価については、同証に よる理論PBR(株価純資産倍率)0.7倍などに基づき算出している。

山崎パンでは原料安を価格に反映し、数量増を志向することで増収 増益を狙っている。しかしGS証によると、同業他社も値下げで追随す る可能性が高く、「原料安を背景としたシェア回復は容易でない」(田 中氏)状況。5月までは前回の値上げ効果による増益を享受できるもの の、「6月以降、値下げによる数量増により売上高が実質的に増加し、 それが株価の好調な推移に結びつくことは難しい」(同氏)という。

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