日本株は続伸へ、金融不安後退で金融株に買い-保険は業界再編期待も

東京株式相場は続伸する見込み。 米銀大手のJPモルガン・チェースが、1-2月の業績が黒字だったこ とを明らかにしたことで、金融不安が後退して銀行など金融株が高くな りそう。保険株は、業界再編期待も株価を押し上げる可能性がある。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、「米国では金融の過剰な リスクを考えていた投資家が緩やかに見方を変えてきた。ショートカバ ー(買い戻し)ラリーは続く可能性がある」と予想。朝方は利益確定売 りや円高が先行する場面は想定されるが、日経平均株価は終値で25日 移動平均線(11日時点で7537円)を回復しそうと見ている。

シカゴ先物市場(CME)の日経平均先物3月物の11日清算値は 7400円で、大阪証券取引所の通常取引終値(7390円)に比べ10円高。

JPモルガンも業績改善

米銀大手JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営 責任者(CEO)は11日、米経済金融専門局CNBCとのインタビュ ーで、同行が2009年1-2月に黒字だったことを明らかにした。シテ ィグループに次ぐ足元の業績改善だ。同日の米国株市場では、JPモル ガンなど銀行株が上げ、S&P500種の金融株指数は2.4%高となった。

株式市場では、銀行のバランスシートに対する不安感が強いが、過 度なリスクを織り込んでいたことから、足元の業績改善は好感されそう。 国内でも、銀行等保有株式取得機構が銀行と企業の持ち合い株式を買い 取る業務をきょうから再開する見込み。政策期待も後押し、銀行や証 券・商品先物取引、その他金融など金融株が上昇する公算が大きい。

一方、12日付の日本経済新聞朝刊などは、損害保険ジャパンと日 本興亜損害保険が2010年春をめどに経営統合する方針を固めたと報じ た。金融株の中でも、保険株は業界再編期待も材料視される見通し。

米主要3指数の11日終値は、S&P500種株価指数が前日比

0.2%高の721.36、ダウ工業株30種平均は0.1%高の6930.40ドル、 ナスダック総合指数は1%高の1371.64ポイント。中でも米ダウ平均 の続伸は2月6日以来で、「小幅ながら続伸したことは意味がある上 げ」(いちよし投資顧問の秋野氏)と受け取られている。

円高や商品市況安は重し

ただ、輸出関連株や資源株は下落しそうだ。11日のニューヨーク 外国為替市場では、ドルが対円や対ユーロで続落した。金融危機の最悪 期が終わったとの見方から、逃避先としてのドル需要が後退している。 東京時間早朝では円は対ドルで97円台前半の動き。きのうの東京株式 市場の通常取引終了時は98円台半ば近辺だった。

自動車や電機などの輸出企業は、想定為替レートが1ドル=90円 前後が多く、現在の水準は収益にプラス。ただし、最近の円安傾向が輸 出数量の減少を下支えするとの期待感もあっただけに、円安一服で期待 感が後退する可能性がある。

また、11日のニューヨーク原油先物相場は前日比7.4%安の1バ レル=42.33ドルと大幅続落。米エネルギー省が発表した原油在庫統 計の予想以上の増加が売り材料だった。ニューヨーク銅先物相場は中国 での景気鈍化の兆しが重しとなり、2週間で最大の下落。販売価格の低 下不安から大手商社や鉱業、非鉄金属、鉄鋼株は安くなると予想される。

キヤノンが上昇見込み、JR3社は下落も

個別に材料が出ている銘柄では、経営戦略説明会を受けて配当維持 の可能性が高まったとクレディ・スイス証券が指摘したキヤノンに買い が増加する見込み。ゴールドマン・サックス証券が「中立」から「買 い」に引き上げた花王やユニ・チャーム、構造改革への期待からセイコ ーエプソンなども高くなりそう。

半面、足元の状況や景気見通しの悪化を反映させて日興シティグル ープ証券が業績予想を減額したJR東日本などJR3社は売りが増加す ると予想される。ゴールドマン・サックス証券が格下げした山崎製パン やヤクルト本社なども下落の見通し。

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