米国株:小幅続伸、銀行株に買い-危機最悪期脱却の思惑

米株式相場は小幅続伸。前日のシ ティグループに続き、JPモルガン・チェースが1-2月の業績が黒 字だったことを明らかにしたため、金融危機の最悪期が終わったとの 思惑が強まった。

JPモルガン・チェースは4.6%上昇、シティは6.2%高。S&P 500種株価指数の金融株指数は2.4%上昇した。ヒューレット・パッカ ード(HP)はUBSアナリストの買い推奨を受けて5.8%上げた。

S&P500種株価指数は前日比0.2%高の721.36で終えた。ダウ 工業株30種平均は3.91ドル(0.1%)上昇し、6930.40ドルで終了。 エクソンモービルとシェブロンの下げが上値を抑えた。

セキュリティ・グローバル・インベスターズの資産運用担当者、 マーク・ブロンゾ氏は「銀行は実際に利益を上げている。銀行株はか なり売り込まれてきたため、上昇するのに材料はさほど必要ない」と 述べた。

JPモルガンも

主な株価指数はほぼ終日、前日終値を挟んでもみ合った。買いが 先行したものの、エネルギー株とヘルスケア株の下げが相場全体の上 値を抑える格好となった。JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高 経営責任者(CEO)が経済専門局CNBCに対し、1―2月の業績 が黒字だったと述べたため、取引終盤の90分で株式相場は強含んだ。

前日はシティが1-3月(第1四半期)は2007年以来で最良の業 績になるとの見方を示したため、銀行は金融危機を克服しているとの 楽観的な見方が強まり、急伸した。

モルガン・スタンレーはこの日、8%高。ゴールドマン・サック ス・グループが「コンビクションバイ(強い買い推奨)」銘柄リスト に加えたことが買いを誘った。高水準の自己資本と株価の割安感が理 由。

S&P500種の各種金融指数は4.6%高。全24産業グループで上 昇率首位だった。

両面作戦

ガイトナー財務長官の発言をきっかけに銀行株は高く始まった。 同長官は10日、PBSテレビの番組「チャーリー・ローズ」とのイン タビューで、米銀への資本注入のほか、民間投資家にも公的融資を提 供し、不良資産の購入を後押しする計画を進めていることを明らかに した。この両面作戦は住宅ローン担保証券(MBS)の取引を再活性 化するのが狙い。

長官はまた、「金融システムにおける利用可能な資本、銀行が不 良資産の処理を開始するための動機付け、投資家が不良債権を購入す る資金を賄う仕組みを確保する必要がある」との考えを示した。

地銀のマーシャル・アンド・イルズリーとザイオンズ・バンコー プもそれぞれ急伸した。モルガン・キーガンのアナリストが「極度の 割安感」を理由に、株価には「上値余地がかなりある」と指摘したこ とがきっかけ。

歳出法案可決

HPは5.8%上昇。買いを推奨したUBSは「長期的な観点の投 資家は恩恵を受ける」との見方を示した。

米議会が総額4100億ドル(約40兆円)規模の一括歳出法案を可 決したことも朝方の買い材料となった。法案には内需拡大策やキュー バに対する経済制裁の緩和、「ひも付き予算」と呼ばれる数千に及ぶ 議会のプロジェクトも含まれた。

モルガン・アセット・マネジメントで300億ドルの運用に携わる ウォルター・ヘルウィグ氏は「これまで多くの短期的な上昇局面があ った。弱気相場の中で大きな上げが見られると、弱気相場の中の上昇 局面に入るのか、それとも下落局面に戻るのか、判断する期間が3- 5日ある場合が多い」と述べた。

エネルギーやヘルスケアは安い

S&P500種のエネルギー株指数は2%、ヘルスケア株指数は

1.2%それぞれ下げ、相場全体の足を引っ張った。

原油相場は7.4%安のバレル当たり42.33ドルで取引を終了した。 米エネルギー省が発表した原油在庫統計で予想以上の増加が示され、 燃料消費が過去2カ月間での最低に落ち込んだことが売り材料。

医薬品卸売りのマッケソンは17%安。ドイツ銀のアナリスト、ロ ス・ムケン氏はドラッグストアの破たんで利益が1株当たり最大で50 セント押し下げられるリスクがあるとの見方を示した。また、同業の カーディナル・ヘルスとの競争も理由に挙げた。

カーディナルは9.8%安、アメリソースバーゲンは9.7%下落した。

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