東京外為:ユーロが対円で下落、中国の貿易黒字急減で世界景気後退懸念

東京外国為替市場では午後の取引 でユーロが対円で下落。中国が発表した2月の貿易黒字が予想を上回 る大幅減少となったため、世界的なリセッション(景気後退)の深刻 化が意識され、オーストラリア・ドルなど資源国通貨への売り圧力が 強まったことが影響した。

ユーロ・円は一時、1ユーロ=124円28銭までユーロ売りが進行。 前日の海外市場では126円5銭と約2週間ぶりの水準までユーロ高・ 円安が進み、この日の東京市場朝方の取引では125円台後半を付ける 場面が見られていた。

三菱UFJ信託銀行資金為替部の井上英明グループマネージャー は、「中国が世界経済のけん引役として注目されているなかで、貿易 黒字が急減したことで、需要の減退が着目され、どうしても減速が否 めないととらえられている」と指摘。その上で、「これまで円安が続 き、ポジションもだいぶ溜まっていたため、中国の統計をきっかけに クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)全般に売りが入った」と説明 している。

中国の輸出、過去最大の落ち込み

中国税関当局が11日発表した2月の貿易統計によれば、貿易黒字 は48億ドルと前月の約8分の1に減少した。輸出額は前年同月比

25.7%減と過去最大の落ち込みを記録。ブルームバーグ・ニュースが まとめたエコノミスト調査の予想中央値は貿易黒字が283億ドル、輸 出は前年同月比1%減だった。

同統計発表後には、一次産品需要が減少するとの懸念からオース トラリア・ドルやニュージーランド・ドルが下落。豪ドル・円は約1 週間ぶりの水準となる1豪ドル=64円台前半から一時、63円割れまで 豪ドル売りが進む場面が見られた。

株反発でドル買い圧力後退

一方、朝方発表された日本の1月の機械受注は船舶・電力を除く 民需(コア機械受注)が前月比3.2%減、前年同月比39.5%減と大幅 な落ち込みとなった。しかし、マイナス幅が事前予想の範囲内にとど まったため、新たに円を売る動きは見られなかった。

ドル・円は1ドル=98円台後半から一時、98円28銭までドルが 弱含み。世界的な株価の反発で、これまで逃避通貨として選好されて いたドルへの買い圧力は弱まった。クロス円での円買いもドルの重し となった。

10日の欧米株は急反発。シティグループが1-3月(第1四半期) は2007年以来で最良の業績になるとの見方を示したことを受け、金融 危機の最悪期は過ぎたとの思惑が強まった。株高の流れは11日のアジ ア市場でも続き、日経平均株価は前日比4.6%高で取引を終了してい る。

ユーロ・ドルは朝方に1ユーロ=1.27ドル台前半までユーロ買 い・ドル売りが進行。しかし、その後はユーロ・円の下落に伴い1.26 ドル台へ値を戻している。

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