2カ月CPが0.20%で成立、年度末越えの最低水準-国債かい離(2)

企業が短期資金を調達するコマー シャルペーパー(CP)市場では、2カ月物で0.20%の取引が成立し た。償還日が年度末を越える銘柄としては最低水準。日本銀行の企業 金融支援オペで低利の資金手当てが可能なため、短期国債利回りを下 回る「官民逆転」のCP発行が鮮明になってきた。

市場関係者によると、最上位格付けa-1プラスのノンバンクが 長めの2カ月物を0.20%で50億円発行したもよう。残存期間が同じ 国庫短期証券(TB)利回りを3.5-4ベーシスポイント(bp)下回 る。大手投信投資顧問のファンドマネジャーは、経済合理的には買う 必要のない水準だという。

最上位格付け企業であっても、国の資金調達コストを下回る発行 金利は、信用リスクが無視された状態。この日は最上位から2番目a -1格付けでも3カ月物をTBとほぼ同じ0.24-0.25%程度で発行す る企業が相次いでおり、投資家の参入しづらい金利水準になっている。

国内大手銀行のCPディーラーによると、TBは無視して、日銀 の企業金融支援オペとの金利裁定のみで動いているという。年度末を 越えれば市場での資金調達コストも下がるため、0.15%まで買われる 可能性があるという。

リーマンショック前より良好

政府・日銀の企業金融支援策が予想以上の効果を発揮している。 日銀や日本政策投資銀行のCP買い入れ策は0.4%の下限利回りが設 定されるが、0.1%で無制限に資金を手当てできる企業金融支援オペを 使えば、金融機関の自己資本比率が許す限りCP引き受けの持ち高を 膨らませることが可能で、金利の押し下げ効果が強い。

昨年のCP市場の機能不全を受けて、企業が早くから年度末越え の資金調達を進めた結果、3月に入るとCPの発行意欲が減退してい る。一方、日銀オペを使えるディーラーの引き受け意欲はおう盛で、 「企業にとっての発行環境は昨年9月のリーマンショック前より良 好」(東短リサーチ・関弘研究員)という。

企業がある程度の資金調達を銀行借り入れにシフトしているため、 CPの発行残高が抑えられている面はあるものの、今後は調達手段が CPに傾斜しそうだ。

日銀の企業金融支援オペが9月末まで延長され、CPの利回り曲 線は期間プレミアム(上乗せ金利)や信用プレミアムを押しつぶして 平たん化してくる可能性がある。東短の関氏は、「企業が今の環境に 慣れると、ゆがんだ市場が修正された時の反動が大きくなる」と警戒 している。

日銀買い入れは大幅札割れ

日銀がこの日実施した9回目のCP買い入れは、応札額が通知額 を大幅に下回る札割れだった。残存期間が1カ月超から3カ月以内の 銘柄の買い入れ下限利回り0.4%に対し、多くの銘柄が同水準を下回 っているためだ。札割れは3回連続で、応札額は最も少なかった。

午後4時10分に発表された入札結果によると、3000億円の通知 額に対し、応札額は503億円にとどまり、応札全額が落札された。応 札額は前回の977億円からほぼ半減。下限に対する最低落札利回り格 差がゼロ%、平均落札利回り格差はプラス0.001%だった。

短資会社の担当者は、利回りが日銀の下限を上回っているノンバ ンク・リース会社でも、買い入れ上限額に達しているものが多く、4 月に償還しないと応札できる銘柄は増えないとみる。政策投資銀によ るCP買い入れも年度内は難しい状況が続くという。

日銀の企業金融支援策が続く9月末までは、CPの発行金利が低 水準で抑えられそうだ。ただ、大手投信のファンドマネジャーは、高 格付け企業であっても、信用プレミアムを無視して買えるような業績 ではないと指摘する。

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