日本株(終了)急反発、米金融不安後退し金融や輸出主導-政策期待

東京株式相場は4営業日ぶりに急 反発。米銀大手シティグループの足元業績の好転を受けて金融不安が後 退したほか、政策発動への期待も相場を押し上げた。三菱UFJフィナ ンシャル・グループが終値で約1カ月半ぶりの上昇率となるなど金融株 が買われ、輸出や素材関連株まで東証1部銘柄の7割が高くなった。

DIAMアセットマネジメントの平川康彦ファンドマネージャーに よると、「シティで注目されているのはバランスシートの方で、フロー の収益ではない。ただ、総悲観になっていただけに、買い戻しのきっか けにはなった」という。また、政府が検討している株価対策については 「超短期的には効果があるだろう」との見方を示した。

日経平均株価の終値は前日比321円14銭(4.6%)高の7376円 12銭で、上昇率の大きさは1月27日以来。TOPIXは18.78ポイン ト(2.7%)高の722.28。東証1部の売買高は概算で20億246万株、 売買代金は同1兆3348億円。

7000円攻防にひと息

きのうまでの日経平均7000円攻防から、ようやく一息ついた。こ とし最大の上昇率を記録した米国株高や、政策期待が追い風となり、先 物中心に買いが優勢。中国の2月の輸出額が大幅に落ち込んだことが明 らかになった午後も堅調さを維持し、日経平均は5日移動平均線を4日 ぶりに上回った。需給面では、ヘッジファンドの解約に伴う「通信や電 力のロング(買い持ち)、輸出関連のショート(売り持ち)」のアンワ インド(巻き戻し)現象を指摘する声も出ている。

米シティグループのビクラム・パンディット最高経営責任者(CE O)は社内向け電子メールで、1-2月の業績が黒字だったことを明ら かにし、10日の同社株は38%高と急伸した。いちよし投資顧問の秋野 充成運用部長は、「大きすぎる金融システムの傷は、オバマ政権に交代 しても解消できるものではないと投資家は再認識し、相当不安になって いた」と指摘した上で、シティと米株の反発は「投資家が過剰にリスク を織り込んでいたことの表れ」と話した。

一方、11日付の日本経済新聞朝刊は、政府が企業の資金繰り支援 など危機対応に向けた基金を創設する検討に入り、株価対策として新基 金で市場から株式を買い上げる案も浮上していると報道。「日本政府が 株価を強く意識し、大型景気対策や株価対策なども控えていることから、 日経平均7000円は強い下値抵抗帯になる可能性」(東洋証券の児玉克 彦シニア・ストラテジスト)も指摘された。

銀行など金融株高い

東証1部の値上がり銘柄数は1211、値下がり銘柄数は381。業種 で上昇が目立ったのは銀行をはじめとする金融株。米金融収縮懸念の和 らぎや金融庁の新たな金融安定化策が評価された。TOPIXをベンチ マークとするパッシブファンドのリバランス需要が取引終了に発生した 野村ホールディングスは、東証1部売買代金1位で急伸。証券・商品先 物取引は東証1部業種別上昇率で1位となった。T&Dホールディング スなども大幅高し、保険は同2位だった。

売買の盛り上がりに欠ける

もっとも、日経平均は朝方急伸した後はもみ合い感が強く、売買代 金も年初来の1日平均1兆2849億円を3%ほど上回る程度と低調。ク レディ・セゾンや東芝、日本製鋼所など空売りポジション(持ち高)が 高水準な銘柄の上げが目立った点を挙げ、買い戻しの域を出ていないと DIAMアセットの平川氏は強調する。「市場の焦点は、いずれシティ のバランスシートに戻らざるを得ない」と同氏。

マルニチHが急伸、りそなHは急落

個別銘柄では、一部企業の経営統合に伴う日経平均株価採用銘柄の 見直しで、新規採用されるマルハニチロホールディングスが急騰。クレ ディ・スイス証券が2010年度から利益成長が加速するとして格上げし た日揮、JPモルガン証券がリストラ余地や統合によるシェア拡大期待 などから強気判断を強調した三越伊勢丹ホールディングスも大幅高。 10年3月期の連結営業損益が1000億円の黒字になる公算が大きい、と 11日付の日経新聞朝刊が報じた東芝は4日ぶり急反発。

半面、ポジティブな材料が出尽くしたとしてクレディ・スイス証券 が格下げしたりそなホールディングスが急落。市場予想で日経平均採用 が期待されていた東洋水産は、失望から急反落となった。東京地裁に会 社更生法の適用を申請したパシフィックホールディングスはストップ安 比例配分となり、同社がスポンサーの日本コマーシャル投資法人と日本 レジデンシャル投資法人もそれぞれ一時ストップ安まで売られた。

新興市場は上昇

新興市場はそろって上昇した。ジャスダック指数の終値は前日比

0.04ポイント(0.1%)高の38.49、大証ヘラクレス指数は2.94ポイン ト(0.7%)高の430.80とそれぞれ続伸。東証マザーズ指数は4.30ポ イント(1.5%)高の284.07と5日ぶりに反発した。

個別では、第三者割当増資の実施を発表したインデックス・ホール ディングスが値幅制限いっぱいのストップ高比例配分となった。黒川木 徳フィナンシャルホールディングスによるTOB(株式公開買い付け) 提案価格にさや寄せしたオープンループもストップ高。半面、09年7 月期の連結営業利益予想を従来比59%減に下方修正したフルスピード はストップ安売り気配のまま取引を終了。08年12月期計算書類に監査 法人が監査意見不表明としたディー・ディー・エスはストップ安。

--共同取材:近藤 雅岐  Editor:Shintaro Inkyo、Makiko Asai

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