日本株:急反発、米金融不安後退し金融や輸出主導-国内政策期待も

午前の東京株式相場は急反発。米 シティグループの足元業績の好転を受けて金融不安が後退したほか、政 策発動への期待も相場を押し上げた。みずほフィナンシャルグループが 日中としては約1カ月ぶりの上昇率となるなど大手銀行株が急伸し、輸 出関連株や素材株なども幅広く買われた。

いちよし投資顧問の秋野充成運用部長は、「大きすぎる金融システ ムの傷は、オバマ政権に交代しても解消できるものではないと投資家は 再認識し、相当不安になっていた」と指摘。シティと米株の大幅反発は、 「投資家が過剰にリスクを織り込んでいたことの表れ」だと語った。

日経平均株価の午前終値は前日比283円18銭(4%)高の7338 円16銭、TOPIXは22.08ポイント(3.1%)高の725.58。東証1 部の売買高は概算で9億2302万株、売買代金は同5840億円。

下値売りづらく

日経平均7000円まであと21円に迫ったきのうの緊迫感から一転 し、先物主導で買いが終始先行した。ことし最大の上昇率を記録した米 国株高や、政策期待が追い風。「米国では空売り規制再開が観測され、 日本も株価対策が出てくる。景気懸念は強いが、だんだん売りづらくな る」(コスモ証券営業サポート部の清水三津雄副部長)という。

米シティグループのビクラム・パンディット最高経営責任者(CE O)は社内向け電子メールで、1-2月の業績が黒字だったことを明ら かにし、10日の同社株は38%高と急伸した。市場で注視されていたシ ティの株価急騰により、「今後は過剰な不安がじわじわ解消していくか がポイントになる」(いちよし投資顧問の秋野氏)との声があった。ま た、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は金融システムと 経済の「過剰な動きを引き起こさないようにするため、規制と会計基準 を見直すべきだ」と述べている。

一方、11日付の日本経済新聞朝刊は、政府が10日、企業の資金繰 り支援など危機対応に向けた基金を創設する検討に入り、株価対策とし て新基金で市場から株式を買い上げる案も浮上していると報じた。「日 本政府が株価を強く意識し、大型景気対策や株価対策なども控えている ことから、日経平均7000円は強い下値抵抗帯になる可能性」(東洋証 券の児玉克彦シニア・ストラテジスト)が指摘されている。

こうした中、朝方発表された1月の機械受注は前月比3.2%減と、 ブルームバーグの事前調査(4.8%減)ほど悪化しなかった。「想定の 範囲内で相場へのネガティブインパクトはなかった」(コスモ証の清水 氏)という。

銀行など金融株高い

東証1部の値上がり銘柄数は1348、値下がり銘柄数は226。業種 で上昇が目立ったのは、銀行を中心とした金融株。米金融収縮懸念が和 らぎ、国内の金融安定化策の進展も評価された。金融庁は10日、従来 に比べて踏み込んだ内容となる「金融円滑化のための新たな内容につい て」との方針を公表。金融円滑化の担い手である銀行セクターは、「政 府によって守られる存在となっていることをあらためて確認する内容」 (クレディ・スイス証券の伊奈伸一アナリスト)と受け取られている。

マルニチHや日揮が急伸、総合メディは売り気配

個別銘柄では、一部企業の経営統合に伴う日経平均株価採用銘柄の 見直しで、新規採用されるマルハニチロホールディングスが急騰。クレ ディ・スイス証券が2010年度から利益成長が加速するとして格上げし た日揮、JPモルガン証券がリストラ余地や統合によるシェア拡大期待 などから強気判断を強調した三越伊勢丹ホールディングスも大幅高。 10年3月期の連結営業損益が1000億円の黒字になる公算が大きい、 と11日付の日経新聞朝刊が報じた東芝は4日ぶりに急反発した。

半面、09年3月期の業績予想を減額した総合メディカルは値幅制 限いっぱいのストップ安売り気配のまま午前の取引を終了。市場予想で 日経平均採用が期待されていた東洋水産は、失望から急反落。東京地裁 に会社更生法の適用を申請したパシフィックホールディングスはストッ プ安売り気配となり、同社がスポンサーの日本コマーシャル投資法人と 日本レジデンシャル投資法人も急落。

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