2月の国内企業物価は1.1%低下-5年8カ月ぶりの下落幅(2)

2月の国内企業物価指数は、原油 価格など原材料価格が前年同時期に大きく上昇した反動から前年比の マイナス幅が拡大し、2003年6月以来5年8カ月ぶりの大幅な下落と なった。国際商品市況の下落に加え、景気が急激に悪化していること で、今年の夏場にかけてマイナス幅は一段と拡大するとみられている。

日本銀行が11日発表した2月の国内企業物価指数(速報値)は前 年同月比1.1%低下、前月比は0.4%低下した。ブルームバーグ・ニュ ースがまとめた予想中央値はそれぞれ同1.2%低下、同0.6%低下だっ た。1月の確報値は同0.3%低下、同1.1%低下。昨年8月に前年同月 比7.4%上昇と27年半ぶりの高い伸びとなった後、急速に伸び率を縮 小。1月に2003年12月以来約5年ぶりのマイナスに転じた。

日興シティグループ証券の村嶋帰一チーフエコノミストは統計発 表前、「原油価格は安定し始めているが、石油関連以外の品目で値下が りが続くことから、国内企業物価は今後も低下基調を続ける可能性が 高い」と指摘した。

前年の高い伸びの反動で前年比のマイナス幅が拡大した一方で、 前月比のマイナス幅は縮小した。日銀調査統計局の肥後雅博企画役は その背景について「石油・石炭製品や非鉄金属など川上の製品の下落 スピードが緩やかになっている」ことを挙げた。ただ、その一方で、 「プラスチック製品や鉄鋼、情報通信機器など川下の製品は、最終需 要の落ち込みを反映して価格が引き下げられている」という。

需給ギャップ拡大でマイナス幅拡大

昨年10-12月の実質GDP(国内総生産)成長率は前期比年率マ イナス12.7%(1次速報値)と約34年ぶりの落ち込みとなった。12 日発表の2次速報値はマイナス13.4%に下方修正されるとみられて いる。内閣府によると、総需要と供給力の乖離(かいり)を示す需給 ギャップは、1次速報段階でマイナス4.3%(約20兆円)に広がった。

バークレイズ・キャピタル証券の森田京平チーフエコノミストは 「GDPギャップは国内企業物価と強い相関を持っている。足元のG DPギャップの拡大はホームメード型(国産型)のデフレ圧力をもた らす可能性を示唆するものだ」と指摘。企業物価指数は8月には「前 年同月比6%低下までマイナス幅を拡大させるだろう」としている。

1月の消費者物価指数(除く生鮮食品、コアCPI)前年比上昇 率は横ばいとなり、07年9月以来のマイナス転落が目前に迫っている。 森田氏は「2月分から前年比マイナスに転じ、8、9月には前年比

2.4%低下までマイナス幅が拡大する」と予想する。

日銀は必要あれば行動

日銀は17、18日に金融政策決定会合を開く。日銀の山口広秀副総 裁は5日、ブルームバーグ・ニュースのインタビューで、年度末に向 けて企業金融が一段と厳しくなる事態も否定できないため、日銀とし てさらに踏み込んだ対応があり得るか検討した上で、「必要があれば行 動していく」と述べ、情勢次第で追加的な企業金融支援策を打ち出す 用意があることを明らかにした。

日興シティグループ証券の佐野一彦チーフストラテジストは「一 段と悪化する景気、株安、コアCPIの今後の大幅マイナス化などを 考えると、日銀への追加金融緩和圧力が強まっていくのは必然だろう」 と指摘。国債の増発や、国債の買い入れを表明したイングランド銀行 など海外中央銀行の動きを踏まえると、日銀は「長期国債の買入増額 を要求される公算は大きそうだ」としている。

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