UBS、08年損失209億フラン-09年見通し「極めて慎重」(4)

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スイスの銀行最大手UBSは11 日、2008年通期の損失が209億スイス・フランと、当初の発表より も拡大したことを明らかにした。また、今年の見通しについては引き 続き「極めて慎重」と表明した。

同社がこの日公表した年次報告書によると、通期損失は2月10 日に発表した額に比べ11億9000万スイス・フラン拡大した。脱税ほ う助疑惑をめぐる米当局との和解の費用や、保有証券の評価額引き下 げが理由。

米シティグループとドイツ銀行は最近、UBSより楽観的な見通 しを示していた。ケプラー・キャピタル・マーケッツのアナリスト、 ディルク・ベッカー氏は「UBSの1-3月(第1四半期)はシティ やドイツ銀ほど良いとは思わない」として、「UBSはまだ不良資産 をバランスシート上に抱えていることに加え、顧客資産流出の問題も ある」と指摘した。

チューリヒ時間午前11時39分(日本時間午後7時39分)現在 のUBS株は前日比0.18フラン(1.8%)高の9.97スイス・フラン。

UBSは2月18日に、米司法当局の訴追を避けるため7億8000 万ドル(約770億円)の支払いと最大300の口座についての情報開示 で米側と合意した。UBSはまた、スイス国立銀行(中央銀行)のフ ァンドに移管していない資産について、評価損を計上した。

資産流出

ピーター・クラー会長とオズワルド・グルーベル最高経営責任者 (CEO)は株主あて書簡で「短期的に、極めて慎重な見通しを維持 する」と伝えた。

UBSはクレディ・スイス・グループ前CEOのグルーベル氏を 起用。会長には元スイス財務相のカスパー・フィリガー氏を迎える予 定だ。記録的な赤字や政府による救済を受け、経営陣を刷新し立て直 しを目指す。

クラー会長とグルーベルCEOの書簡によれば、UBSはリスク 軽減とバランスシート圧縮、コスト節減を今年いっぱい続ける方針。 これにより「全体として持続可能な収益力をできる限り早期に回復す る」としている。2月10日の決算発表時にマルセル・ローナー前C EOは、09年は黒字に復帰できるとの見通しを示していた。

またこの日の報告書によると、ローナー前CEOの08年の報酬 は180万スイス・フラン(約1億5230万円)、クラー会長は157万ス イス・フランだった。

同行によるとまた、米州プライベートバンク(富裕層資産管理) 事業の資金動向は「引き続き純流入」だった。一方、プライベートバ ンク・スイスバンク部門からは資金が流出し、資産運用部門からも資 金流出が続いたという。

顧客資産は08年に2260億スイス・フランが流出。同年10-12 月(第4四半期)に資金純流入となった地域は米国のみだった。

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